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冬の猿( UN SINGE EN HIVER/ A MONKEY IN WINTER)  1962 [は行の映画]

冬の猿_.jpg シュザンヌ・フロンのお導き… ( ´艸`)

ジャンル ドラマ
製作国 フランス
時間  102分

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J・ギャバンとJ=P・ベルモンドとくれば新旧フランス映画を代表する顔ぶれ。
“冬になると迷い猿が人里に降りてくる”という中国の話がおとぎ話のように二人の役柄に重なる。
冬のノルマンディーの酒場で知り合った親子ほど年の違う男二人。
酒に溺れては思い出の中の中国へ旅する初老の男アルベール。
同じく酒に酔ってはスペインへ旅してかつて恋人だった女性との思い出に浸る青年ガブリエル。
第二次世界大戦の空襲の下、アルベールは妻に禁酒を誓うが、二人が出会ってからというもの、
ますます酒好きはエスカレートしてゆき朝まで大騒ぎの大暴れ。
当時実年齢56才と29才の二人の注目すべきアクターがどんなやりとりを繰り広げるか必見。
ギャバンがベルモンドに“若い時の俺にそっくりだ。”と映画のセリフを通して語る。
日本ではビデオのみの公開であったが、1996年冬にギャバン没後20周年記念企画で初公開された。
                                  (allcinema より)
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まだ若くて美しいシュザンヌ・フロンの姿が見られれば御の字♪ という私でしたが・・・(^_^)y
これは、とんでもなく貴重な! 仏国の新旧スター俳優の最初で最後の共演作品なのでした。吃驚。

ジャン・ギャバンもジャン=ポール・ベルモンドも、観た事は有るがワクワクの対象ではないかな?
という感じなのでしたが…? 私的には…?(苦笑) 
今回ばかりは… 酒絡みの奇行にしでも? 醒めた時の しおらしさも? “魅力” と映りました♪

オープニング・クレジットは、ノルマンディー地方の “ティグルヴィル” の遠浅の海・・・
駐留している独軍は、落ち着きつつも? 警戒を怠らない様子…!?

独軍の将校も出入りする…! 町外れの丘に立つ娼館のバーでは・・・
アルベール・カンタン(ジャン・ギャ バン)が、戦友の?エノー(ポール・フランクール)と二人で
海軍時代の中国滞在の “懐かしき良き思い出” に浸りながら… “メートルを上げて”  いた。

“カンタン1等水兵は… 黄河と揚子江を地下溝で繋げ! との命を受けて…”  というような与太話!?
(“極東遠征軍カンタン1等水兵” は、酔っ払いにしては?発想が豊かで奥が深そうな話を…!? w)

オーナーのジョージーナは、また暴れ出さないか? と、ヒヤヒヤしながら様子を見ていた…。( ´艸`)

そんな折、突然の空襲警報!? (1944年6月… 連合軍が大規模な空襲を開始…)
アルベールとエノーは、千鳥足で外に出て… そのまま伏せながら戦況を眺めるのだった…!?

その後アルベールは・・・
自宅である “ホテル ステラ” 地下のワインセラーで、怯えている妻シュザンヌを慰めながら…?
「もし生き延びてホテルを再開できたら… 二度と酒は飲まん!」「誓う…」と言って最後の一杯を…!

・・・それから15年… 
“ホテル ステラ” は、素面のオーナーが営業を続けていた。(時々飴をなめながら…)

ある雨の夜… シーズンオフとなったこの町に、コート姿の若い男が降り立つ。
男は、駅前のタクシーに運ばれて…  “ホテル ステラ” に辿り着き、宿泊する事に…。

ガブリエル・フーケ(ジャン=ポール・ベルモンド)は、ホテルに酒類が無いと見て、向かいの店に行く。
そこはエノーが経営する居酒屋で、常連客で賑わっていたのだが・・・
フーケは、酒のついでにスペインへの電話を頼むのだった。

自分を振った女? クレール・プレボーを呼び出してもらうが…  声を聴いただけで切ってしまう。
自棄気味になったフーケは、客たちに “闘牛士” のパフォーマンスを見せて唖然とさせてから、暴れ!?
最後には、客の一人に送られてホテルに戻る始末・・・

階段から転げ落ちたらしいフーケを、アルベールが迎えに出て… ベッドに運ぶのだが・・・
クレールとの “別れ” を思い知ったフーケが…?「列車に乗りそこなった…」と呟くと…

「心に夢さえあるなら 列車に乗らんでもいい  あんたはよく似てる…
 東洋で冬の到来の頃に見かける迷い猿に…」 …とアルベールは優しい顔つきになる…!?

翌朝、外に出て行くフーケの後を追って… アルベールの妻が話し掛ける。
シュザンヌは、酒飲みのフーケの出現がアルベールに何らかの影響を与えるのでは…  と恐れていた。

シュザンヌは… 何しにこの町へ? 長く滞在するの? 等々 質問をぶつけるのだが・・・
フーケは、“女の子の服を買いに…” と答え、店を訊くので、シュザンヌは “青ひげ” の店を教える。

雑貨屋「シック・パリジャン」の主人は、立派な “アゴひげ” を蓄えた人物だった。

何でもアリな店内だったが…!?  10歳くらいの女の子にピッタリなセーターがあった。
“青ひげ” は、この商品に纏わる不思議な経緯を語ったが…  真偽の程はわからない…!? w
(雑多な店内には、打ち上げ花火 等の箱が所狭しと積まれていたりした…!?)

・・・その後フーケはアルベールに… ディヨン寄宿舎に10歳の娘が居る… と打ち明ける。

さて・・・?

機知に富んで能弁なアルベールは… “女心” が理解できずにいるフーケに・・・
「女は安定を好む 期待と違う男を許せない 意外性より堅実さだ…」
と諭すように語る事があったが… 最後には「年寄りはうるさいな」と付け加えたり…!? w
そんなところが、シャイで粋なジャン・ギャバンらしさ… なのかも…? ( ´艸`)

折に付け流されるチャイナ風の音楽も… 雰囲気を和らげたりして良い感じでしたし・・・

“鏡” を効果的に多用した、凝った構図にハッとさせられたりする愉しさもありましたが…!? 
やはり、何より素晴らしいのは、ノルマンディー地方のロケーションでしょうか…? 
(潮のにおいが漂ってくるようでしたが?(ウ^_^ソ) “自然” も街並みも印象深いです) 

そして、巧みなカメラワークに… 思わず “色” が見えちゃう自分でした。
(モノクロなのに…? w)

冒頭の空爆以外は、市井の人々の暮らしぶりが活き活きと描かれ… ていたよう思われますが… (汗)

万聖節の “闘牛士” ・・・ 無鉄砲にも程がある…! 的 “暴挙” だと思われますが…!? (¬、¬; 
演じるジャン=ポール・ベルモンドも或る意味 “命懸け” !? (謎)

シュザンヌ・フロンは… と申しますと…?
思いがけずの? チャーミングな “酔態” を見せてくれまして♪ もぉ 艶っぽいったらありゃしない♪ w  
自分的には大事なお宝映像♪ 脳裏に確と刻みました。(^_-)-☆ (アレは本当に飲んでいたのかも? w)

クライマックスの… 浜辺で打ち上げる “ハチャメチャ” な “花火大会” !?
面白うてやがて哀しき… 風な “花火” の終わり・・・ かと思いきや d(≧∇≦)
“マジ?” と思うような不思議なオマケ付きで、和みました。(微笑)

ところで、仏語のWikipedia によりますと・・・
新旧二大俳優による “「Nuits de Chine」のアカペラデュエット” とあり…! これも貴重でしたね。
(まぁ 酔った勢い…? ( ´艸`) 「チャイナナイト」と言うシャンソンのヒット曲らしいです)

閑話休題?

終盤には… 
アルベールは「ブランジー」へ父の墓参りに…  フーケはマリーを連れてパリへ! となりまして…
車内で、アルベールが少女のマリーに乞われて “冬の猿” の話をするところがありました。

「中国では冬になると みなし児の猿たちが町におりてくる
 好奇心か 冬への恐怖からなのか  は分からんが
 猿にも魂があると人々は信じている だから心から尽くす! 森に帰してやるために…
 だから列車は森へ帰る猿で一杯だ」

乗換駅で降りて…  一人ベンチに座ったアルベールの背中が、徐々に遠ざかっていく・・・ 

『そして老人は長い冬を迎えた』 
という文字列を見ていると、切なくて… 胸の深いところにグッときました。

派手さは無くても、何か温かいものが心の隙間に染みて来る? 素敵な “酔っ払い” 映画・・・
最後はホロリとなり、またしても涙腺がゆるくなる自分でございました。(T_T)

チャプター(参考までに)
1.オープニング
2.酔いどれアルベール
3.空襲警報
4.最後の一杯
5.謎の男
6.エノーの店
7.太陽の舞
8.冬の猿
9.朝市
10.心配事
11.ある買い物
12.プレゼント
13.思い出
14.闘牛士の誇り
15.解禁
16.特別任務
17.燃える夜空
18.旅立ち

ジャン・ギャバン(アルベール・カンタン) ホテル「ステラ」のオーナー
ジャン=ポール・ベルモンド(ガブリエル・フーケ) 広告代理店?コピーライター? マリーの父?
シュザンヌ・フロン(シュザンヌ) アルべールの妻
シルヴィアン・マルゴレ(マリー・フーケ)  ガブリエル・フーケの娘?
ガブリエル・ドルジア(ビクトリア夫人) ディヨン寄宿舎の校長 英語のみ話す?仏人 車椅子の人
ポール・フランクール(ムッシュー・エノー)  居酒屋の主人 アルベールの戦友
ノエル・ロックヴェール(ムッシュー・ランドル) 雑貨屋「シック・パリジャン」のオーナー “青ひげ”
ジュヌヴィエーヴ・フォンタネル(マリー・ジョー) ホテル「ステラ」のウェイトレス
アンヌ・マリー・コフィネ(シモーヌ)  エノーの居酒屋のウェイトレス
ヘラ・ペトリ(ジョージーナ) 丘の上の売春宿のオーナー

原作 アントワーヌ・ブロンダン 「冬の猿」
監督 アンリ・ヴェルヌイユ

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