SSブログ

美しき運命の傷痕(L' ENFER /HELL )2005 [あ行の映画]

美しき運命の傷痕.jpg 美しき運命の傷痕1.jpg  濃厚なお味♪

三姉妹と、その母。
美しい女たちの心の中には、冷たい炎が燃えている。



------------------------------------------------------------------------------
ポーランドの巨匠クシシュトフ・キエシロフスキの遺稿を
「ノー・マンズ・ランド」で鮮烈なデビューを飾った
新鋭ダニス・タノヴィッチ監督が映画化。
キエシロフスキがダンテの『神曲』に想を得て構想した三部作
「天国」「地獄」「煉獄」のうちの「地獄」編に当たる。
なお、「天国」編はトム・ティクヴァ監督により「ヘヴン」として2002年に映画化された。
ある出来事によって父親を失った三姉妹とその母親が
それぞれに陥る愛を巡る地獄のさまを、緊張感溢れるタッチで繊細かつ情熱的に描く。

22年前に起きた悲劇によって父親を失った三姉妹。
それは彼女たちの心に深い傷として残り、
いまでは美しく成長した彼女たちが
それぞれに抱える苦悩の遠因ともなっていた。
長女のソフィは夫の浮気を疑い、
激しい嫉妬が彼女を見境もない行動に駆り立てる。
次女のセリーヌは恋人もいない孤独な日々。
体の不自由な母の世話を一身に引き受けていた。
そして大学生の三女アンヌは、
不倫の関係にあった大学教授から突然の別れを告げられてしまう。
そんな彼女たちは、思いもよらぬ形で
再び22年前の出来事と向き合うことになるのだった。
                       (allcinema より)
------------------------------------------------------------------------------

オープニング・クレジットからして、とても凝っていて嬉しくなりましたね♪
郭公の親子が、当然のようにやる行為を描写する というものでしたけれど
意味深で、これから始まる物語を象徴しているかのような・・・?

いきなりでナンですけれどもっ (汗)
終盤になって、事の発端が明らかにされますが

なんと!? そんなことだったのか・・・
と思いつつ、
やはり当事者としては、それしか取る道がなかったのかな? と思ったり・・・。

それにしても、偶然とは言え、罪深いことではございますねぇ (謎)
(思わせぶりで申し訳ございませぬ。<(_ _)>)

その“真実” に向かい、心地よい緊張感が持続していきました。

美しき運命の傷痕3.jpg
       “事の発端” の二人 セバスチャン & セリーヌ 

美しき運命の傷痕2.jpg
       久々に顔を合わせる三姉妹

“美しき” とタイトルに付けたくなるの、わかります。(笑)
本当に、それぞれの美しさが輝いている感じでしたもの!

お目当ては・・・ というか、彼女しか知らなかったのですが (汗)
長女役のエマニュエル・ベアールは相変わらず脱ぎっぷりが潔くていいですね♪ 
・・・官能的なシーンなのに、本当に胸が痛くなるくらいの切なさを醸し出す!?
女の業でしょうか・・・ 鬼気迫る と言っても良い迫真の演技でした。

クールな母を演じたキャロル・ブーケ 何とも素敵過ぎ!
若い頃と、事故後の?車椅子&筆談の演技を拝見しましたが
老いた時の鋭い眼差しが、強い意志を表出していて怖いくらいでした。
彼女はなんと あのジェラール・ドパルデューと結婚していたのですかー!? ビックリです。
「007/ユア・アイズ・オンリー」も記憶にないですし? 本当にお初の女優さんだと思います。
出演作品をもっと観たくなりました。 ここで出会えて良かった♪
(既視感があるのはコマーシャルとかで目にしていたと言うことか・・・?)

次女のセリーヌを演じたカリン・ヴィアールもお初の女優さんかと思われますが・・・
激しさを見せるご家族の中にあって、唯一 気弱さや穏やかさを象徴する存在でしたね。 
セバスチャンとの出会いで、戸惑いと淡い期待感をさりげなく表現し、とても好感が持てました。 

三女のアンヌ役のマリー・ジラン
“恋は盲目” と簡単に片付けられない!? 切羽詰まった状況の中での女性心理を
これまた怖いくらいの直向きさで演じておりましたね。
痛いくらいの“若さ”を感じました。(汗)

怖い 激しい ばかりでないところが、この作品の素敵なところなのですが・・・(微笑)
彼女たちを取り巻く人々の中にはユーモラスな人もいまして、ホッとさせてくれました。 

私的には「髪結いの亭主」「ロスト・イン・ラ・マンチャ 」で印象深いジャン・ロシュフォール
飄々とした入院患者のじいさん役でしたが、出番は少なくても場が一気に和む感じは流石!? 

しかし、
この美しき母と娘たち・・・
ラストで久々に顔を合わせる というのに、やはり空気はピーンと張りつめたままでした。
う~むむむ ・・・それぞれが負った傷の深さの現れでしょうか? 特に母の・・・。

好みの一作。(^m^)

エマニュエル・ベアール(ソフィ)
カリン・ヴィアール(セリーヌ)
マリー・ジラン(アンヌ)
キャロル・ブーケ(母)
ジャック・ペラン(フレデリック)
ジャック・ガンブラン(ピエール)
ジャン・ロシュフォール(ルイ)
ミキ・マノイロヴィッチ(父)
ギョーム・カネ(セバスチャン)
マリアム・ダボ(ジュリー)
ガエル・ボナ(ジョセフィーヌ)
ドミニク・レイモン(ミシェル)


監督 ダニス・タノヴィッチ


nice!(11)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 11

コメント 0

トラックバック 0