罪と罰 白夜のラスコーリニコフ( RIKOS JA RANGAISTUS／ CRIME AND PUNISHMENT) 1983

　アキ・カウリスマキ 初監督作品… ( ´艸｀)

殺人は、時代への復讐だった。

アキ・カウリスマキの驚異の処女作

ジャンル　ドラマ／サスペンス

製作国　フィンランド

時間  93分

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フィンランドの鬼才アキ・カウリスマキ監督幻のデビュー作。
弱冠26歳にして初監督の彼が挑んだのは難解で知られる文豪ドストエフスキーの名作『罪と罰』。
舞台を現代のヘルシンキに移し、人間の心の闇に鋭く迫り、後の「ラヴィ・ド・ボエーム」や
「白い花びら」といった作品群の原点を垣間見せてくれる。

食肉解体工場で働く青年ラヒカイネン。
ある日、仕事が終わった彼は、町中でひとりの中年男の後をつけ、そのまま家の前まで行く。
電報と偽り、ドアが開いたところで男にピストルをつきつけるラヒカイネン。
命乞いの言葉も虚しく、理由も分からないまま殺される男。
そこへ、若い女が買い物袋を下げて入ってきた。
彼女はケータリング店の店員で、この家で開かれるはずだったパーティの手伝いに来たのだ。
だが、女はなぜか悲鳴も上げずに彼を逃してしまう。
やがて捜査線上にラヒカイネンが浮上するが、彼は巧みに捜査を攪乱して逃げ続ける……。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(allcinema より)

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アキ・カウリスマキ監督の処女作かどうかは別として…？(汗)
私的には…　マッティ・ペロンパーを拝みたくての鑑賞でした。ｗ

“ドストエフスキー” は大の苦手という盆暗ﾁｬﾝですので…  原作は未読ですし、内容も存じませぬ。

今回は、主演の俳優さんが思いの外？陰気な感じで… 妙に印象に残りそうで困りました。(ｳ^_^ｿ) 

オープニング・クレジットは無音…
冒頭は、1匹の虫(Gのような？)が這っていると、鋭い刃物が振り下ろされて！ 絶命。
渋声の歌が響く中、食肉処理場で働く人々の姿が映し出される…。　(血のイメージ？) 

4時に終業のベルが鳴ると…　アンティ・ラヒカイネン(マルック・トイッカ)は・・・
清掃作業に入り…！　ホースの水で勢い良く “汚れ” を洗い流していく。

タクシーの客…　カリ・ホンカネンは、自宅マンション前で降ろしてもらい、帰宅するが・・・
その姿を、通りの向かい側からじっと見ている男が居た。

ラヒカイネンは、直ぐに行動を起こし…！ 彼の後を追ってマンションに入っていく。
そして、ドアベルを鳴らすと、「電報です」と言って、サインを要求するのだった。

一旦部屋へ戻るホンカネン・・・
それに続くように…　勝手にリビングに入り込んだラヒカイネンは、懐から銃を取り出し…！
「お前を殺す」と言ってから…　音楽のボリュームを上げて、引き金を引く。

倒れたホンカネンの胸から溢れ出た血を手で確かめるラヒカイネン・・・(大判のハンカチで拭う！)
その後は、腕時計や財布を奪って持参のレジ袋に仕舞い込む。

そこへドアベルが鳴り、突然 若い女が入って来た。
パーティー(50歳の誕生日)の準備にやって来たケータリング屋の店員エヴァ(アイノ・セッポ)だったが…

惨状を見ても取り乱すでもなく…!? 　ラヒカイネンと普通のトーンで会話する！？

「どうしたの？」

「別に…　死んでるのさ　　俺が殺した…　　何してる？ 警察を呼べ」

「何故？　彼が何をしたの？」

「何もさ　何もしていない…　俺にはな」　とラヒカイネンは含みのある言葉を口にする…!?

それを聞くと、エヴァは「行って…　早く！」と、彼を見逃して、警察に通報するのだった…。

・・・家電の輸入業者で…　“卸売り商協会の理事” というホンカネンの “殺人事件” の捜査が始まった。

さて・・・？

エヴァが参考人として呼ばれた時に、ぺンナネン警部の「怖い感じ？」という質問に答えて・・・
「いいえ イカれてたわ　あの目はイカれた目だった…」と。

ぺンナネン警部は、「唯一の目撃者です 用心して下さい」と注意を促す…。

エヴァが店番をしていると、真昼間に堂々と訪ねて来るラヒカイネン！？ (￣д￣；ｷﾞｮ

彼は、名を名乗ってから…  「通報しろ！」 と、太々しい態度に出るのだが・・・
エヴァが冷静に、常識的に対応すると…？　仕事終わりまで待つ… と言って出て行ってしまう。

閉店となり、エヴァが出て来ると・・・
「俺の住所を教えてやるから警察に言え」と来たので、エヴァは痛烈な平手打ちをくらわす…！？

流石の？ラヒカイネンも怯み！？ 甘ったれたグズグズの会話になるが…？
エヴァは「さよなら」と、見捨てたように離れていく。

重い足取りでアパートに辿り着いたラヒカイネンを待っていたのは、警察のスネルマン刑事だった。
刑事は “召喚状” を持ってをり、大家の許しを得て…　予め部屋を探したようだった。
ラヒカイネンが、かつては法律を学んでいた事も承知していて…!? 明日2時に！ と言って帰って行く。

翌日、出頭したラヒカイネンは…
ぺンナネン警部(エスコ・ニッカリ)から「カリ・ホンカネンを知っているか？」と訊かれた時…
「いわゆる “知人” じゃない…」と言ってから・・・
「3年前 俺の恋人をひき逃げ…　だが最高裁でも無罪に(なった)」

それを受けて、ぺンナネン警部は…？
「(彼の弁護士が言うには) 君は 最高裁がダメなら自分で彼を捌く と毒づいた」と。

ラヒカイネンは動揺するでもなく？「ほんとか？　へんだな…」と白を切ってから…　にやけた顔に…!?

しかし、直ぐに真顔になり…？
「若気の至りだ」と言いつつも…　煽るような？挑戦的な？態度は変わらず…　だった。

そこへ、突然エヴァが呼ばれて…　首実検となった。
エヴァはラヒカイネンの顔を見てから…　「いいえ」と、はっきり否定する。

2度目の さて・・・？

“ソルムネン” という浮浪者が “証拠品” 保持ということで、逮捕されます。(ラヒカイネンの企み…)

その裏で…？
ラヒカイネンは、高飛び用の偽造パスポートを…  馴染みのバーテンダーに頼み込んでいた…。

そんな頃、エヴァは・・・
ラヒカイネンのクルマに乗せられて…  彼の実家やアパートの部屋にまで出入りするようになる。
(ラヒカイネンの母親は介護施設に勤めていて、いつも不在のようだった…？ )

ケータリング業者の…  エヴァに気が有る “上司” のヘイノネンは・・・
自らラヒカイネンの動向を探ろうと…？ 隣の部屋で密かに聞き耳を立てていた！？

また…
ラヒカイネンは、真夜中に…!?　殺人現場のカリ・ホンカネン邸に行き・・・
夜通しリフォーム作業に追われる内装業者の男に、“血染めのハンカチ” を渡す！？ 
…という奇行に走る。

3度目の さて・・・？

ラヒカイネンは、船上で暮らす友人(マッティ・ペロンバー)の元を訪ねてみる。
すると…　職場(食肉処理場)に警察がやって来たが “俺は黙っていた” と、友人は言う。

そして「夜警の銃が消えたのも…　おまえが銃を持っていたのも知っている」と言ってから・・・
「明日、妹の婚礼でスウェーデンに行くのに “道連れ” が欲しいが、どうする？」 とも…!? ( ´艸｀)

・・・ラヒカイネンは、またもや警察から呼び出しを食らう。

「良心の咎める奴や 被害者を哀れむ奴は苦しめばいい　それが罰だ」
と、最早ラヒカイネンは開き直りの態…!?

しかし、エヴァに電話を掛けても出ないとなると…？
“汝は塵にすぎぬ　塵に帰るのだ”　と、ラヒカイネンは独り言つ。(直前に観たオペラの影響か？)

翌朝になり・・・
ラヒカイネンは、スウェーデンに行く友人を “母のクルマ” に乗せて、フェリー乗り場に向かうのだが…
友人を下ろしてから、踵を返して？ 一路 警察署へ…！？
(それを見送るマッティ・ペロンバーの眼差しが何とも言えない感じでしたね…　瞬時でしたが… ｗ)

警察の受付に行ってみるものの…　踏ん切りがつかず？ 外へと出て来てしまうラヒカイネン・・・
すると、道路の向かいにエヴァの姿が…！？ (￣ο￣;

“暗黙の了解” があるかのように…？　心を決めたラヒカイネンは、自首します。

そこで終わるのかと思いきや…？
服役中のラヒカイネンにエヴァが面会に…！　という “エンディング” が有りました。

「俺はどうでもいい男を殺した…　虫ケラを殺して自分が虫ケラになった
　虫ケラは虫ケラとして残る　だが それもいい　…俺が殺したかったのは “道理” だ」と謎の言葉を。

ラヒカイネンは「8年も待つな！」と言い・・・
エヴァに希望を抱かせない様な？アレコレを言い残して、その場を立ち去ってしまいます。
(渋声の歌の続き？ 曲名を調べない所が私らしいな と思うのですが…(爆) 馴染みのある曲でした  ｗ)

結局…　冒頭の “G” まがいの虫に回帰したということでしょうか？
訳が分からないなりに？(爆)　心惹かれた “不思議な世界観” …。( ´艸｀)

主人公ラヒカイネンの、勢いと言うのか…？ 迷いのなさというのか？
“思いの強さ” と言ったら良いのか？　
ともかく “捨て身の構え” ！？  に戸惑いと恐れを覚えました。(汗)

これは演じる俳優マルック・トイッカの演技力を褒めるべきなのか？
それとも、アキ・カウリスマキ監督の “若さ” でしょうかね…？ (微笑)

チャプター(参考までに)
1.オープニング
2.殺人
3.現場
4.第一発見者
5.出逢い
6.尋問
7.秘密
8.誘い
9.罠
10.拒絶
11.証拠
12.対決
13.脱出
14.自首
15.エンディング

マルック・トイッカ(アンティ・ラヒカイネン)　食肉処理場 勤務

アイノ・セッポ(エヴァ)　ケータリング店に勤務

エスコ・ニッカリ(ぺンナネン警部 inspector)　捜査官

マッティ・ペロンパー(Nikander)　ラヒカイネンの友人
オッリ・トゥオミネン(スネルマン刑事)　ぺンナネン警部の部下

ハンヌ・ラウリ(ヘイノネン Department Head Heinonen)　ケータリング業者　エヴァにプロポーズ

Kari Sorvali(ソルムネン Sormunen)　浮浪者　ラヒカイネンから鍵を貰いロッカーを…!?

Pentti Auer(カリ・ホンカネン Kari Honkanen)　“卸売り商協会の理事”  ラヒカイネンに撃たれる

Asmo Hurula(バーテンダー Bartender)　ラヒカイネンに頼まれて偽造旅券を作成！？

監督・脚本・製作　アキ・カウリスマキ