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サム・ペキンパー 情熱と美学(PASSION & POETRY: THE BALLAD OF SAM PECKINPAH) 2005 [さ行の映画]

サム・ペキンバー.jpg  サム・ペキンバー “愛” に溢れてる…♪ (;^_^A

ジャンル ドキュメンタリー
製作国 ドイツ
時間  120分

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「ワイルドバンチ」「戦争のはらわた」「わらの犬」をはじめ、
代名詞ともいえるスローモーション撮影とバイオレンス描写で
映画史に燦然と輝く傑作を世に送り出した孤高の映画作家、サム・ペキンパー
ハリウッドの商業主義とは一線を画し、
様々なトラブルも絶えなかったそのスキャンダラスな映画人生と、
彼が貫き通した美学に迫るドキュメンタリー。     (allcinema より)
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監督のマイク・シーゲルは、ドイツの映画監督、作家だそう…。
“サム・ペキンバー” 大好き加減がよく伝わるような…? 労作でございます。

観終わって思った事はっ
“豪快” というのはこの人のために有るような言葉だな…! と。 (汗)
もはや、どんなエピソードを聞かされても驚きは致しませぬ…  ただ楽しむだけ♪ (ニヤリ)

身近にいた人たちの言葉… 一つ一つが甚く納得! というものでしたが…? (;^_^A 
貴重な記録だと思いますし、有難く拝見しました…。(微笑)

冒頭は、砂漠にサボテン…!?
石の上に張り付いたサソリのupから…! 

「私自身や人生のすべてをスクリーンにぶつけた 毎朝起きて、あとはベストを尽くすのみだ」
というサム・ペキンバー自身の渋声で幕を開けますが・・・。

1984年10月 ニューヨーク アップステート ジュリアン・レノンのビデオクリップ撮影の模様…。

Julian Lennon's video clips
VALOTTE & TOO LATE FOR GOODBYES

サム・ペキンバーは静かに話すが、口は悪い…!? (爆)

伝記「サム・ペキンバー」の著者ガーナー・シモンズ(談)
サムの祖先は、フリジア諸島出身でドイツ系
母は(サムに)愛情を注いだが、抑圧し支配しようともした…?

サム・ペキンバーの妹 ファーン・リア・ピーター(談)
私たちは山里で育ったが、父方の家系は製材所を… (ペキンパー山というのも所有…!)
母方の祖父は法律家で後に下院議員に…。

家族は然るべき振る舞いと厳格な家訓や決まりを守るよう求められた…!
(サムは)父の意向でミリタリースクールから海兵隊へ。
軍隊流に厳しく鍛えられる筈が、彼は屈せず…!? (汗) 受けた罰の数は過去に例を見ない程…?(笑)

サム・ペキンバー(談)
「除隊後に大学へ。歴史専攻から変更して演劇を学ぶ。
 映画ファンではあったが、学校で学んだのは演劇… 本来は舞台専門の演出家だった。
 劇団の夏季公演やTV局の裏方として働き、映画の構想を練り、ドン・シーゲルの下で修業…
「ガンスモーク」のオリジナル脚本を書いた。」

『法律なき町(WICHITA)(1955)』に、自身も出演…! (主演 ジョエル・マクリー)

TVの演出作品
「ガンスモーク」ジェームズ・アーネス
「ライフルマン」チャック・コナーズ
「遥かなる西部」ブライアン・キース (この作品はサムの父が大いに気に入り、喜んだそう…)

「TV西部劇ではもっと冒険がしたかったが、表現の規制が厳しく、面倒で…? 映画界に活路を求めた。」

「銃にかけた手(1960)」 演出 サム・ペキンバー 主演ブライアン・キース
二人は親しくなり、ブライアン・キースは(サムを) 映画『荒野のガンマン(1961)』の監督に推した。
脚本の手直し等?自由が利かず、作品的にも芳しくはなかったが・・・

次に舞い込んだのがややマシな企画!?(笑)
『昼下りの決斗(RIDE THE HIGH COUNTRY)(1962) 』

主演二人の引退の花道をサムが見事にお膳立てして、好評を得た作品。(R.G.アームストロング(談))

西部に生きた人々の流儀が現代の観客にも伝わる。(L.Q.ジョーンズ(談))

サムの流儀は・・・
スタッフ 役者 スタントマン それぞれが分断され、混乱の極みの中、2~3日放置される…?
その後ボス(サム)がバラバラの現場を纏めに掛る…! そうやって全体をコントロールしていた。
                                (L.Q.ジョーンズ(談))

制作中にサムの父が亡くなり・・・ 主演のスティーヴ役ジョエル・マクリーには…
サムの父親のイメージが色濃く反映されている…。(ガーナー・シモンズ(談))

「兄や父や祖父から受けた影響は大きい…! 男たちの正義を感じる」

・・・編集作業を誰もやりたがらない という問題発生…!?

そこで、責任を取る形で…?
委ねられたサムは、優秀な編集者フランク・サンティロと二人で、MGM基準など無視で…!?(爆)  
見た目のインパクト重視で繋いでいった…!(汗)

最初は2本立ての1本として上映されていたものが、評価が高くなり…!
改めて再公開の運びとなった。

そんな頃、サムと相性のいい(プロデューサー)ソル・シーゲルがMGMを去った。

次回作『ダンディー少佐(1965)』の製作はジェリー・ブレスラーとなり、暗雲が立ち込めることに…?
(結果的に、サムは干されて長いブランクを経験することになりますが、敢て記しませぬ)

さて・・・?

ということで、知りたいことはだいたい掴めました♪ 
とても気になっていた “女嫌い” の原因とか…?(ウ^_^ソ) 

沢山の関係者の興味深い話を、これでもか…! というくらい聞くことが出来…! 至福~♪
(デヴィッド・ワーナーが出てきたときには引っくり返りそうになりましたっ (^_^ゝ)

特記しておきたいサム・ペキンバー語録・・・

「不誠実で人を騙し 盗みまでする連中が 私を追放した
 男の世界の正義は絶対だ 約束を破られたら 奮然と立ち上がり 闘うのみさ」

「観客に衝撃を与えるのが主眼ではなく カネを払う価値のあるものを作る
 作品を観客の視線で楽しみたいからだ」

1984年 “ワイルド・バンチ” について
「アクション場面は気に入っている 登場人物の内面とアクションが重なり合うからだ
 彼らの人物描写なしではアクション・シーンも 機能しない アクションだけなら クソでしかない」

「製作者にゴリ押しされたボークナインだが 感謝している」
(彼の演技に涙したらしい…!?w   ボークナイン自身が楽しそうに語っておられました… (微笑))
 
「ただの西部劇ではなく “時代” について語った映画だ あいにく予言になってしまった」

“砂漠の流れ者” について
「暴力なしも楽しい 『ケーブル・ホーグ』は私の最高傑作の1本で 暴力ではなく復讐の物語だ」

“わらの犬” について
「不安をかきたて潜在意識に働きかける セリフや出来事の積み重ねで訴え掛けてくるんだ
 精神科医に褒められたが どう答えたもんだか… 私の主治医なんだ  しばらく通院してなくて」

1972年
「スティーヴ(マックイーン)とは1本でもヤバいのに 2本も組むなんて 正気じゃない」

・・・唐突に “結婚” について… (^_^ゝ

マリー・セランド 結婚1946―1961
ベゴニア・パラシオス 結婚と離婚を繰り返す 3度?と 2度?( ´艸`)
ジョーイ・グールド 1972年に結婚  後に離婚
ケーティ・ヘイバー 友人・恋人・秘書1971―1977

1976年 “戦争のはらわた” について
「ヒトラーはロシア侵攻を明言していた 領土拡張と新しい世界秩序を求めて だ
 しかも支配階級と彼の党の連中には 良心がない モットーは “目的のために手段は選ばす” だ」

「私が描きたいのは世界に共通する兵士の姿だ」

「戦争は美しくないが 観客を逃したくはない 理由あっての暴力だ
 観客を戦火の渦に引っ張り込むんだ その空気や “におい” を感じて欲しい」

・・・ “喪失感” については、一言「寂しい」

スティーヴ・マックイーン(1930―1980)
ウィリアム・ホールデン(1918―1981)
ストローザー・マーティン(1919―1980)
ジェリー・フィールディング(1922―1980) 親友だった
ウォーレン・オーツ(1928―1982)

・・・『コンボイ』後…。

「ハリウッドが求めているものとは違う
 ハリウッドの流儀は理解できない
 頭にあるのは 映画を作ることと その喜びだ」

「多くの人間を食わせたが その分 トラブルも増えた
 舌禍を招くんだ 今後 発言は控える」

サム・ペキンバーを愛する俳優さん、スタッフさんたちが語る晩年の彼の姿は、一様でした…!?

仲良し?ドイツ人女優センタ・バーガーが語る、ロンドンの借家での一コマはしみじみ、胸に迫ります。
(大勢の取り巻きで賑わう中、サムは寝室で眠っていたという…   一人で寝顔を見て、それが最期に…。)

・・・ “散骨” ?

1985年1月5日 カリフォルニア マリブ パラダイス・コーヴ
遺灰は海へ撒かれた…。

以下、オープニングのクレジット順に記してみました。

アーネスト・ボークナイン 俳優
ジェームズ・コバーン 俳優(1928-2002) 
アリ・マッグロウ 女優
クリス・クリストファーソン ソングライター 俳優
L.Q.ジョーンズ 俳優  監督  プロデューサー
デヴィッド・ワーナー 俳優
R.G.アームストロング 俳優  作家
ボー・ホプキンス 俳優 プロデューサー
イセラ・ベガ 女優 プロデューサー
ガーナー・シモンズ 伝記「サム・ペキンバー」の著者
デヴィッド・ウェドル ペキンパー評伝 作者
センタ・バーガー 女優 プロデューサー
マリオ・アドルフ 俳優 作家
ヴァディム・クロウナ 俳優 監督  プロデューサー
ロジャー・フリッツ 俳優 監督 写真家
ゴードン・ドーソン 『ダンディー少佐』衣装 『砂漠の流れ者』アソシエイトプロデューサー
ダン・メルニック 『ヌーン・ワイン』『わらの犬』プロデューサー MGM重役1973年
マーティン・ルイス プロデューサー コメディアン
ウォロン・グリーン 『ワイルド・バンチ』共同脚本
       with
ケーティ・ヘイバー 助手(1971―1977) Katy Haber Associate Producer
ファーン・リア・ピーター サム・ペキンバーの妹
チャロ・ゴンザレス 友人 アシスタント
ルピータ・ペキンパー

チャプター(参考までに)
1.ニューヨーク 1984
2.ルーツ
3.荒野のガンマン ~ 昼下がりの決斗
4.ダンディー少佐 ~ 昼酒
5.ワイルド・バンチ ~ 砂漠の流れ者
6.わらの犬 ~ ジュニア・ボナー
7.ゲッタウェイ ~ ビリー・ザ・キッド
8.ガルシアの首 ~ キラー・エリート
9.戦争のはらわた
10.コンボイ ~ バイオレント・サタデー
11.晩年
12.エンディング

特別映像 
“アライグマの縄張り(MAPACHE TERRITORY)”

本編のオープニングとエンディングに使用するため『ワイルド・バンチ』の撮影現場を訪れ…
新たな映像を撮って来る という事に加えて…?
同行した、サム・ペキンバーの愛娘 ルピータ・ペキンパーが父を語るというものでした。
(監督は欧州在住のため地理に暗く…? 現地の友人に案内を託して撮ってきたもの… のようです?)

メキシコ トレオン市からクルマで160キロの砂漠地帯…?  “シエンガ・デル・カルメン” へ。
農園(アシエンダ)跡地は近くの村から更に数キロ。
「The Hacienda Cienega del Carmen(ハシェンダ・シエンガ・デル・カルメン)」

サム・ペキンバー(談)
ラストの銃撃戦の場面は19日掛けて撮影した。
テクニックに頼らず観客を惹き付けたい 
強い共感を抱ける登場人物を描く。

LUPITA PECKINPAH(サム・ペキンバーとベゴニア・パラシオスの娘)(談)
画面から伝わるのは気迫と、メキシコの胸躍るような楽しさ
メキシコの地は、時間や国境の感覚が消え解放された気分になる
夢中になって映画を作り、ありったけの情熱を注いだ この場所は、父が生きた痕跡を感じる

NARRATED BY MONTE HELLMAN
MUSIC BY CITANES BLONDES
SONGS BY  KRIS KRISTOFFERSON

監督・脚本・製作 マイク・シーゲル

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