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イニシェリン島の精霊(THE BANSHEES OF INISHERIN) 2022 [あ行の映画]

イニシェリン島の精霊.jpg 一部? 女の視点からモノ申してみました… ( ´艸`)

すべてがうまく行っていた、
昨日までは。

ジャンル ドラマ
製作国 イギリス/アメリカ/アイルランド
時間  114分
映倫 PG12

バンシー 女の妖精のことらしい…? 人の死を叫び声で予告する妖精 (愛蘭、蘇格蘭に伝わる…)

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「セブン・サイコパス」「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナー監督がデビュー作
「ヒットマンズ・レクイエム」に続いてコリン・ファレルとブレンダン・グリーソンを
主演に迎えて贈る異色の不条理悲喜劇。
内戦に揺れる本土と海峡を挟んだ対岸に位置するアイルランドの小さな島を舞台に、
ある日突然、親友だと思っていた相手から絶縁を宣言された男の戸惑いと、
すれ違う2人の諍いがエスカレートしていくさまを寓意を込めて描き出す。
 
1923年、アイルランドの孤島“イニシェリン島”。
島民全員が顔見知りののどかな島で、
純朴な男パードリックと音楽家で飲み仲間のコルムは、長年友情を育んできた親友同士。
ところがある日、パードリックはコルムから一方的に絶縁を宣言されてしまう。
理由もわからず激しく動揺するパードリック。
許してもらおうとしつこく話しかけるも、余計にコルムを怒らせてしまい、
ついには衝撃の宣告をされてしまうパードリックだったが…。     (allcinema より)
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スリー・ビルボード(2017)」の内容は忘れていても “好き” と感じた事は覚えておりまする。(汗)
そのマーティン・マクドナー監督 最新作… 地味目で男臭そう…?(¬、¬;
という先入観で見に行きましたが・・・
これが、何とも素敵な映画で… 大好物と言ってもいいくらい… でした。
(地味で暗くて、まさに “不条理悲喜劇” なのですが、その渋さが絶品♪) 

終始 或る種の不思議さと温もりとユーモアと “危険性” が同居したような雰囲気…!? ( ̄ο ̄;
ゆるやかな時間の流れの中で… それらが交互に襲ってくる感じ…?( ´艸`) もぉ~たまりません。w

アイルランドの孤島の、独特な地形… すばらしいカメラワーク、人の気持ちに即した音楽… 等々
それらが、揺れ動く人間模様を、より魅力的に見せて…! 心を捉えて離さない感じでしたね。

オープニングの… 島の港の端に掛かる虹とか…?
コルムの家に至るまでのロケーションの素晴らしさに心奪われ、一気にのめり込んでしまいました。

もう一つ、特筆すべきはっ
動物たち…  “名脇役” の自然な演技ですね。(^_-)-☆
彼らの一挙手一投足に、頬が緩んだり、はたまた緊張を強いられたり…!? (爆)) 

ところで…
コリン・ファレルは、好みではない!と言いつつ、つい見てしまう俳優さんなのですが…? (汗)
本作では、“情けない眉毛” が役作りの一助となっていたような…? ( ´艸`)  褒め言葉です♪

彼の演ずるパードリックは、山羊や羊、ロバや牛、馬 等… 動物たちと気持ちが通ずる “純朴な男” …!
真面目に働き、午後二時から島で一つのパブで、仲間たち(特に友人のコルム)と飲むのが日課に…!?

そんなパードリックよりも、ずいぶん年上?で寛容な?コルム役のブレンダン・グリーソン・・・
これまでは、パードリックの他愛ない “無駄話(例えば馬のクソの話?)” の相手も苦ではなかったが…?
それが… “心境の変化” で態度も一変した…! という初老の男を味わい深く好演♪

もう一人… 忘れてならない女優さんがいます。w
パードリックの妹、シボーンを演ずる ケリー・コンドンですが・・・
私… 彼女のご出演作はいくつか観ているようなのですが?
自分でもお気に入りの “美貌の女優さん” と書いているのに、全く記憶にない…!? という為体…  orz
今回は、“紅一点” 的な貴重な存在で、思いの外ご活躍…! そして、とても印象深い役処でした。

なのに私めは… またしても彼女のお顔を忘れてしまうのでせふか? (¬、¬;  謎?
(因みにアベンジャーズ シリーズではAI “F.R.I.D.A.Y.” の声ですと…!)

また…
グリーン・ナイト(2021)」では盗賊役だった バリー・コーガン… 独特の眼の色が妖しく光る…!?
本作では、島の警察官の息子で、ちょっと風変わりな青年を、活き活きと可笑し気に演じてました。w

という、地味めゴージャスと言うか? (汗)  素敵に個性的な人々が織りなす物語なのですが・・・

コルムに、すがり付くような眼を向けるパードリックの “ジタバタ” の顛末の陰に…?
彼の妹シボーンが、因習と偏見の著しい島から逃れようと決意するまでが、“控えめ” に描かれます。

私的には、シボーンの存在のお蔭で、男たちの “諍い” も… 殺伐とした!  という印象は薄く…? 
寧ろ彼女はコルムと似た ”感性” の持ち主なので、彼らの “橋渡し” 的な役割を担っていたのでは? と。
(コトが激化してからは、そんな悠長な感じでは居られなくなってしまいますが…!? (爆))

そんなシボーンは、何の楽しみもない島では本が唯一の救い! という読書家で・・・
試しに? 本土の図書館の司書?に応募してみたところ、合格の通知が来るわけですけれどっ 

島で一軒の?雑貨屋にベーコンを買いに行った折に、女店主が「これ届いているわよ」と封書を…!
受け取った手紙は、すでに開封されていて…!?  ( ̄ο ̄;
シボーンが「もう開いてるわ」と言っても「こんな陽気だからね」とか何とか…?( ̄д ̄;エェー

シボーンが店先で読んでいると・・・
女店主曰く
「本土の図書館…」「採用?」「あんた行くつもり?」「兄さんが許さないよ!」と矢継ぎ早に…!

もう何をか況や。

島で一人の “警察官” に至っては、無礼千万…!

パードリックが擦れ違いざまに挨拶をしても、いつも “無視” らしいのですが・・・
シボーンには、常に言い負かされて?腹に据えかねるのか?「この行き遅れが」と得々と言ってのける。

シボーンは悔しいけれど、深く傷つく。

更に追い打ち?ではないですが…!?
兄のパードリックに、島を出る決心をした! と明かした時に返ってきた言葉はっ
「俺の飯はどーなる」┏( >_<)┛ガクッ

以上… “一部? 女の視点” から書かせて頂きました。(汗)

閑話休題?

official website 「各界からのコメント」の町山智浩氏のコメントにヒントが…!

「(前略)・・・この悲喜劇の意味は、海の向こうから響き続ける内戦の砲声が告げている。」

・・・会話中のシボーンがビクッとする程の “砲声” でした…!

同胞同士(昨日まで親友だった?二人)に生じた憎しみは底知れぬものか…!?
はたまた、いつか打ち解ける日が来るのか…?

(内戦はその後終わりを見た! と知り… 安堵の私。(汗)  アイルランド事情にも疎いもので… ポリポリ)

ところでっ
おぉっ と思った或るシーンがあるのですが… それはラストシーン…!?

以前…「お前さんの身辺に死が二つ…!」とパードリックに嫌な予言をした “婆さん姿の妖精” ・・・
彼女が座っているのはコルムの家の前庭…。 (事情があって、椅子が外に出ている…!w)

そこを下ると、砂浜に続いていて・・・
怪我を負ったコルムが、砂浜に仁王立ちになって海を見つめている。

左にコルムを映しながらカメラが引いていくと・・・
“婆さん姿の妖精” の黒い後姿が現れ、そこから出て来た?小さいパードリックは右方にスタスタ。w

おぉ~ 巧いなぁ 面白い画だなぁ と思わず感歎してしまったのですが…!?
二人は近いうちに和解するのでは…? と意味もなく確信した私めでございます。(ウ^_^ソ) 

肝心の “衝撃” は一切語らず…!(苦笑) なにせ見所が沢山有り過ぎたものですから…。w
これは是非ご自分で味わって頂きたい作品だと思います。

コリン・ファレル(パードリック) 酪農家
ブレンダン・グリーソン(コルム) バイオリン弾き
ケリー・コンドン(シボーン) パードリックの妹 読書家
バリー・コーガン (ドミニク) 警察官の一人息子
ゲイリー・ライドン 不遜で暴力的な警察官 ドミニクの父親
パット・ショート バーテンダー

監督 マーティン・マクドナー

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青山実花

観ました!
あんなに小さい島でも、
実に色々な人がいましたね^^;

封筒が勝手に開封されていたり、
暴力で支配する警官がいたり、
生まれた時からあの島に住んでいるなら、
仕方ないのでしょうけれど、
今から住めと言われたら、
お断りすると思います^^;
by 青山実花 (2023-02-11 07:48) 

Labyrinth

青山実花 さん (^_^)ノ
ヨカッタ~ 反応して下さって…!( ´艸`) 
一人ひとりのキャラ立ちというのでしょうか?巧い事考えられていましたね。

私は妹さんが島を出てくれて心底ホッと致しました~ (汗)
たとえ風景が美しくても… f^_^; ってね? ポリポリ。
by Labyrinth (2023-02-11 11:13) 

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