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アデルの恋の物語 ( L'HISTOIRE D'ADELE H./ THE STORY OF ADELE H.[米]) 1975 [あ行の映画]

アデルの恋の物語.jpg イザベル・アジャーニ 出世作♪ ( ´艸`)

こんなにも愛ひとすじに生きられるものなのか……
愛にかけた女の情念のひたむきな激しさを名匠トリュフォーが鮮烈に描きつくす不朽のロマン!

ジャンル ロマンス
製作国 フランス
時間  97分

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『レ・ミゼラブル』などで著名な作家ヴィクトル・ユーゴーの娘、アデル・ユーゴーは、
イギリス軍中尉の青年に一目惚れした。以来、青年の任地が変わるたびに、アデルも彼について回る。
そして彼女の愛は、次第に執念とさえ呼べる激しいものになっていく……。
フランセス・V・ギールの原作『アデル・ユーゴーの日記』をトリュフォーが映画化。
当時まだまだ若手だったI・アジャーニの美しさと存在感を世に知らしめた秀作。(allcinema より)
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フランソワ・トリュフォー監督” は、気になってはいても何故かスルーしてきた自分です。(汗)

今回の “生誕90周年上映 フランソワ・トリュフォーの冒険” のお蔭で…!
“初トリュフォー” をスクリーンで体験することが出来ました♪
誠に有難い事と思い… また、本当に良い切っ掛けを頂けたものだな と、感謝♪ (^人^)

とは言え、それは去年の話で… (;^_^A 
鑑賞してから大分時間が経過してしまったわけですが…!? (苦笑)
折角なので、これを機会に観られるだけ… 一気に鑑賞したい! という気になってきました!?
劇場で素敵なパンフレットを購入出来たこともラッキーだったと思っています♪ w

ところで Wikipedia で、ヴィクトル・ユーゴー を見てみましてもアデルの名は出てきません。
姉のレオポルディーヌは出て来ても…!

パンフレット『François Truffaut』は、ご本人の “言葉” で構成されている白い綺麗な御本ですが…
あらゆる事柄が、とても具体的に書かれてありまして…! 成程なぁ ( ̄ο ̄; と得心した次第です。

(平たく言えば…  アデルは一族の恥?的な存在として名前を口にするのも憚られる?というような…!?)

フランソワ・トリュフォーは、この映画を作る上で留意した7つのことがある… と。(勝手に抜粋)

「彼女はつねにひとり」
「一つの想いに生きる彼女は叶わぬ夢を追い続ける」
「言葉も仕草も彼女に相応しいものでなければならない」
「彼女は負け戦に挑み… 果てしなく愛の戦いを続ける」

「アデル・ユゴーのために、心を込めて撮った映画なのである。」 by フランソワ・トリュフォー

(他の映画の主人公たちと同じように…! “心から愛しているのである” とも…!)

このような書き方をされてしまうと、心打たれて…  即 鵜呑みにしてしまう自分ですっ ( ´艸`)
そーゆー訳で? ここでは、その御本に従って “アデル・ユゴー” と表記することに致しました。

そして何よりも…!
若く美しいイザベル・アジャーニをスクリーンで拝めたことに、まじで感謝なのでした♪

冒頭…
“アデルの恋の物語は真実の物語である すべて実話と実在の人物に基づく”

1863年 南北戦争の時代…
大英帝国は南部の独立を承認し、北部(ヤンキー)と闘う気配を見せ、カナダに兵を送った。

カナダ  ハリファックス (英領ノヴァ・スコシアの州都)の港は、荒んだ気配が増しており…!?
商船グレート・イースタン号から上陸する欧州の乗客も取り調べを受けた…。

アデル・ユゴー(イザベル・アジャーニ)は、その様子を余所目に?
機転を利かして…? 巧いこと人の流れに紛れ込み、さっさと上陸。

馬車で安宿に案内されるも… 「こんな所は嫌!」と言うと? 御者は賄付きの下宿を紹介してくれた。
(若いアデルには高級ホテルは荷が重かろう という老御者の配慮…)

下宿では “ルーリー” と名乗るアデル…!? 
女将のサンダース夫人(シルヴィア・マリオット)は当たりが柔らかく?世話好きな人の様だった。 
御者のオブライエンにはその後も度々お世話になる事に…。 

アデルは、ルノワールという公証人の事務所を訪ねて “ピンソン中尉” の動向を調べるよう依頼する。
その時には… “自身の姪の為に!” という “言い訳” がスラスラと口を衝いて出て来るアデルだった。

その後、アデルは偶然…!
本屋の店内に居るピンソン中尉(ブルース・ロビンソン)の姿を目にすることに…!? ( ̄ο ̄;
彼は、犬を抱いた若い?婦人と仲良く連れ立っているのだった。

二人の後ろ姿を見送ったアデルは、入れ替わりに本屋に入り・・・
“メモ用紙” を注文するついでに、「今のはピンソン中尉かしら?」と訊いてみる。

店主は、美しいアデルに気を許し? ペラペラと余計な事まで話してくれるのだった。

下宿では、“主人” が外出するので、夕食はアデルと一緒に…! と女将のサンダース夫人が…。

聞くと、主人は “軍隊の宴会(第16連隊の歓迎会)” に行くというので・・・
アデルは目を輝かせて!? ピンソン中尉宛の手紙を託すことに…!

その時に… 彼とは “いとこ” と言い掛けて、直ぐに訂正し・・・
“幼馴染み” で… 「彼は私に夢中なんです」「でも何年も会っていません」と淀みなく “言い訳” を。

・・・慌てて書いた手紙には、彼への愛と、返信が無い事の恨みと、“待ってる” の文字が…!

アデルのアルバムを見ながら・・・ 
サンダース夫人は「これはあなたね? 優美な姿!」と言う。
するとアデルは…「それは姉のレオポルディーヌ…」
「溺れて死にました」「19歳で… 新婚早々でした」と沈んだ表情になる…。

夜も更けて… 下宿の主人が帰宅すると、アデルは “ピンソン中尉” について早速質問攻めに…!?
しかし、手紙の返事がない事を言われると・・・
「返事はいらないんです」と、苦しい思いを押し殺して誤魔化すアデル。

その夜、アデルは(姉のように?) 水に溺れる夢を見て…! 激しくうなされる。

ある日、アデルは、オブライエンの馬車で銀行に行ってみる。
父からの送金を確かめる為だが、手紙は届いていたものの、為替は2週間後になると言われてしまう。

アデルは部屋に戻ると、父への手紙を書くのだった。

“ピンソン中尉の助けになりたい”
“両親の許しが無ければ結婚はしません”
“もっと仕送りを…!”      等々

またある時、アデルは海岸沿いの道ですれ違った軍服姿の男にふと何かを感じ?
慌てて追いかけてしまうのだが・・・ 
“人違い” に気付き、唖然とする…!! 
(これが監督のフランソワ・トリュフォーだったとは…!?  f^_^;)

アデルは、彼への溢れる想いをせっせと書き綴ることで心が満たされ…? 一日が過ぎて行く!?

そんな或る日… 下宿屋を訪ねる人が…!
それは、どこまでも冷たい表情の?アルバート・ピンソン中尉(ブルース・ロビンソン)だった。 

さて・・・?

私めは、下調べなどせずに見てしまったのですけれど… (汗)
こんな美女に言い寄られて袖にする男って!? (¬、¬; と、単純にピンソン中尉の冷淡さを嫌悪…!?
(嫌悪は言い過ぎ? あまり良い印象は受けなかった… 程度の意味です。ブルース・ロビンソンは美男♪)

でも、今回DVDで観てみましたところ・・・
「内緒で出て来たね…? 直ぐガーンジー島に帰りなさい」と彼女を諭しているのですね。(苦笑)

身分違いの恋? (中尉の台詞に、“アデルの父に軽蔑されている” という一節が…)
そもそも中尉には、アデルに対する “特別な愛” 等はなかった…!? (¬、¬; (いつもモテモテ…)
中尉には結婚の意思などはハナから無く?  言葉は悪いですが ほんの “摘まみ食い” 程度!?(爆)
(最後のは私めの勝手な解釈…!(汗) 中尉にはアデルの “一途さ” が重荷になっていたのでしょうね)

私めの心に残る… アデルの “恨み節” 的な台詞を載せておきたいと思います。

「もはや嫉妬はない 自尊心も捨てた でも愛は私に微笑まず しかめっ面をするだけ…」
「女たちに自由と尊厳を与えること! 頭に思考を 心には愛を…! 愛は私の宗教」
「私はまだ若いはずなのに 人生の秋を感じる」

零落していくアデルの哀れさは胸に迫ります…!

眼を病んで、眼鏡女子となっても、尚美しい イザベル・アジャーニ♪

“ひとり” で生きているアデルに、いつも必ず救いの手が差し伸べられるのは・・・
見た目の美しさだけでなく…? “人徳” というものでしょうか?
(“大叔母を主人公にした映画” に戸惑った “末裔” 様の杞憂は、見事解消… でしょうかね? ( ´艸`))

終盤に・・・
アデルは、その後フランスに戻り、精神科病院にて40年間過ごした… と。
そこで彼女は、暗号で日記を書き続けたそうです。
(目に浮かびます…  ラストのイザベル・アジャーニの姿で… (微笑))

父親のヴィクトル・ユーゴーは死の床で “黒い光が見える” と言ったとか。
当時の盛大な葬儀の模様が幾つも映し出され…! 父親の偉大さを改めて印象付けられました。

アデル・ユゴー 1830-1915
死の50年前… アデルは日記に書いた。
「若い娘が古い世界を捨て 海を渡って新しい世界に行くのだ 恋人に会うために」

“これがアデルの恋の物語である”

素晴らしい♪
と言いたい所なのですが…?
バックに流れる音楽が、時には五月蠅いなぁ(>_<) と感じる事もあったりして…?(汗)

でも、パンフレットの監督のお言葉に…

「(モーリス・ジョーベールが)戦前に作曲した交響曲『フランス組曲』の音楽を使うことは
 私の長年の夢でした」

…と書かれているので、それ以上は何も申すまい と思う私めでございます。 f^_^;

チャプター(参考までに)
1.メイン・タイトル
2.ハリファックス上陸
3.悲しい思い出
4.父からの便り
5.再会
6.情事
7.文豪の娘
8.心変わり
9.結婚告知
10.“ばかな噂”
11.催眠術
12.偽りの告発
13.眠れぬ夜
14.さまよう魂
15.旅路の果て
16.帰郷/エンド・クレジット

イザベル・アジャーニ(アデル・ユゴー “ミス・ルーリー”) 
ブルース・ロビンソン(アルバート・ピンソン中尉) 第16英軽騎兵連隊
ジョゼフ・ブラッチリー(ホイッスラー) 書店の店主
シルヴィア・マリオット(サンダース夫人)
イヴリー・ギトリス(催眠術師) 本来はバイオリニストらしい?

音楽 モーリス・ジョーベール

監督・脚本・製作 フランソワ・トリュフォー

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末尾ルコ(アルベール)

このアジャニーはまさしく神のごとき存在であり、いまだわたし崇拝しております。封切時、地方では『カッコーの巣の上で』と併映だったそうで、反則ですよね、凄過ぎる。ただわたしは初見名画座で、名画座で何度も観ました、プリントの状態はすこぶる悪かったですが。
最後の台詞、わたしのブログにもいつも掲げてますが、初訳は「若い娘が海を越え、旧世界から新世界へ行く冒険、私はそれをする」という、一言一句こうだったかは明確ではないけれど、ほぼこうでした。この訳文が勢いがあって大好きだったんです。             RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2023-04-05 21:20) 

Labyrinth

末尾ルコ(アルベール)さん (^_^)ノ
RUKOさまの熱いメッセージは初心者の私めに多大なる影響を…!! ( ´艸`)
なので “初トリュフォー” はこれにしようと思った訳でございます。w
イザベル・アジャーニ嬢はお若いのに凄いもんだな~ と驚くばかりですね~
“崇拝” というお気持ち わかるような…? f^_^;
お返事が遅れましてすみませんでした。
by Labyrinth (2023-04-07 01:10) 

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