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夜霧の恋人たち( BAISERS VOLES[仏]/ STOLEN KISSES[米]) 1968 [や行の映画]

夜霧の恋人たち.jpg “ドワネルもの” 3作目にしてカラー作品…! ( ´艸`)

ジャンル ドラマ/コメディ
製作国 フランス
時間  101分

BAISERS VOLES → 盗まれた接吻
“本作の主題歌としても使われているシャルル・トレネの歌『残されし恋には』の一節から採られた”
                            (official website Program より)

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「ドワネルもの」三作目。
20代前半になったドワネルは、兵役を終えてさまざまな職に就くが、
次々にクビになってどれも長続きしない。
他方で彼は恋人クリスチーヌとの愛を育んでいるのだが、
雇用主の魅力的な細君にフラフラとよろめいてしまったり、危なっかしい。
前二作以上に楽天性と喜劇色が強まり、演出にも余裕と円熟味が感じられる一篇。
原題の「盗まれた接吻」は、本作の主題歌としても使われているシャルル・トレネの歌
『残されし恋には』の一節から採られた文言。
威信あるルイ・デリュック賞の最優秀作品賞を受賞した。(official website Program より転載)
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明るいシャンソンで始まる本作ですが、カメラは閉鎖された “地下の入り口” に注目します…!?
(映画館の入口の告知には “RELACHE(壊す)” という文字が読み取れる)

“アンリ・ラングロワのシネマテークに捧ぐ   フランソワ・トリュフォー”

・・・私めは、この “一件” を白いパンフレットで知りましたが…!?

わざわざ映像と文字で遺すというところに、“口惜しさ” が強く表れているように思われまする…。
(アンリ・ラングロワは復帰されましたが…  一連の出来事はWikipedia でやっと理解?の自分です… w)

閑話休題?

そして、それに続く…
青空にそびえ建つ “エッフェル塔” からの陸軍兵舎・・・
何だか有難いものを拝見した気分でしたね?w (最初は刑務所かと…?(苦笑))

「ドワネル! 釈放!」 と言われた時に彼が読んでいたのは、大好きなバルザックの 『谷間の百合』
(変わった奴だな と思われつつも? 周りに馴染んでいた様子がうかがえる? 分かり易い導入部… w)

“除隊” の時の、上官のウイットに富んだ物言いが心憎く…!
反応するアントワーヌの表情もすこぶる好い♪
(除隊になった理由は、不服従と脱走の連続… とな? ( ´艸`))

パリの街・・・
クルマだらけの丸い交差点(環状交差点?)を駆け抜けるアントワーヌの身のこなしとスピードが 超Nice♪

・・・と言う感じで、脂が載って来た!? トリュフォーのセンスが光っている…!? ( ´艸`)
(と思ったのですけれど、例の白い本では、“実験的な事をやり過ぎた” という反省の弁が…!? (汗))

・・・除隊して、真っ先に行ったところは娼婦の館…!?  (¬、¬;

それから… 自分のアパートへ…!
なんと “永き不在” の証拠に? 部屋は蜘蛛の巣だらけとなっていた。
鎧戸を開け放つと、サクレクール寺院が間近に見え、ホッと一息のアントワーヌ…?( ´艸`)

夜になって、恋人クリスチーヌの家を訪ねるのだが・・・
本人は不在でも… 久々のアントワーヌを両親が歓待してくれた…。
(クリスチーヌは学友と共に… 1週間ほどスキーへ?)

夕食をごちそうになりながらの “よもやま話” から、就職先を見つけてくれることに…!?

クリスチーヌの父の口利きで・・・
小さめな? ホテル・アルシナで、夜勤のフロント係という職を得たアントワーヌ…。

ひょっこり! クリスチーヌ(クロード・ジャド)も、様子を見に来てくれたりする。

ところが…
慣れないこととは言え、手練れの私立探偵にしてやられて!? 客の部屋番号を教えてしまい…!
不義密通の女性客の部屋に夫が乗り込んで…! たちまち修羅場と化してしまった…!?

アントワーヌは即刻クビに…。(¬、¬;

その後…
カフェで偶然、あの時の私立探偵アンリ(アリ・マックス)と出会い・・・
話の流れから…? 彼の居る探偵事務所に紹介して貰えることに…!?

一方、外出中のクリスティーヌを尾行して自宅を確かめる…? 怪しげな男の存在も…!? ( ̄ο ̄;

ブラディ探偵社で働き始めたアントワーヌは、失敗続きだったが・・・
或る時、“潜入捜査” さながらの仕事が回って来る!?

それは、靴屋の主人が “自分は社員たちにどう思われているのか” を知りたい! との調査依頼だった。
アントワーヌは、早速靴屋の新入り店員となり “周辺調査” を開始する。

タバール靴店の上階には社長の自宅があり、若々しく魅力的な奥様も住んでいるのだった。
アントワーヌは、社長夫人のファビエンヌ(デルフィーヌ・セイリグ)に、たちまち夢中になる…!

さて・・・?

社長夫人を演ずるデルフィーヌ・セイリグは、美人女優として有難い存在のようなのですけれど…?
(“白い御本” でトリュフォー自身がそのように…!w)

私的には、やはり歳若いクロード・ジャドの愛らしさが魅力でしたね♪
温かい家庭でぬくぬく育った感じが好ましく?自由奔放とまでは言わないまでも…  快活さがNice♪
ジャン=ピエール・レオとの息もピッタリで…♪ (ケンカのシーン等もcute でした…)

で… デルフィーヌ・セイリグですが・・・
ベテランの貫録十分な? 彼女は、終盤になって長台詞を言うシーンがあります。
冒頭に出て来た『谷間の百合』の内容に引っ掛けてのものだったかと思うのですけれど・・・
私めには、回りくどい言い方のように思えてしまいまして…? いまいちピンときませんでした。
(バルザックの本も当然! 未読の自分ですが… (汗))

その前に…!
“ウィ マダム” と “ウィ ムッシュー” の意味合い? が分からなくて、戸惑いました。(¬、¬;
丁寧に説明されているのに全く理解不能! 的な…? (汗)  まじで盆暗な自分です~ (苦笑)

そのシーンは…
アントワーヌが社長宅に招かれて、居間で食後の飲み物を飲んでいる時に…  (社長は中座…)

暫しの沈黙の後・・・ 
「音楽はお好きかしら…?」と、社長夫人から突然訊かれて・・・
“ウィ マダム” と言うべきところを、つい慌てて “ムッシュー” と言ってしまった!?
と言うだけの話なのですけれどっ ( ´艸`)

アントワーヌは詫びの言葉一つ言えず…?  脱兎のごとく逃げ帰る!? ということに…。

アントワーヌは、探偵事務所に寄ってから自宅アパートに帰りますが・・・
玄関ドアの前には、手紙を添えた社長夫人からのプレゼントが…!  

この手紙の中身が難解なのです~(>_<)
長いですが折角なので? 引用しておきまする。 

“昔 学校で機転と礼儀の違いを習いました
 男の人が浴室に入ると既に 女の人が入浴中でした
 「失礼 マダム」と言って謝るのは礼儀です
 でも もしこう言ったら それは機転です
「失礼 ムッシュー」と
 あなたが逃げ出した理由もわかります”  (デルフィーヌ・セイリグの声で…)

これを受けて、アントワーヌは社長夫人ファビエンヌに手紙をしたためます。
(机の上にはプレゼントのネクタイが…!)

“お別れの手紙です・・・(中略)
 『谷間の百合』のフェリックスの モルソフ夫人への不可能の愛のように…
 さようなら”          (ジャン=ピエール・レオの声で…!)

ここで一つ覚えた言葉が… “気送便(プヌマチック)” 
文字通り? 郵便物を空気圧で送る装置でした。(パリ中を巡る感じ? 当時は斬新だったのかも!?)

翌朝… 
アントワーヌの部屋に、ふいに社長夫人が現れます。(8時 ( ´艸`))
「あなたの “気送便” で起こされて来たのよ」

それから結構 長々と彼女の台詞は続くのですけれど…!? (;^_^A
私めが理解できて… (爆)  良いな♪ と思ったお言葉を記しておきたいと思います。w

「私を特別な女と言ったそうね その通りよ
 どんな女も それぞれ特別なのよ
 男だって
 あなたも特別な男よ(中略)
 私達はそれぞれユニークな存在なのよ」

・・・その後の二人の行動は、言わずもがな。( ´艸`)

最後には、“クリスチーヌを追う影” の存在が正体を明かして…!? エエーッ ( ̄ο ̄; となりますが
アントワーヌとクリスチーヌの仲は、より親密に!?   FIN

ということでっ 全体的には…
アントワーヌを巡る人々の人物描写が、さりげなくも巧みで…!? とても楽しめました♪

事のついでに、ラストに流れるシャンソンの歌詞を記しておきたいと思います。(^_-)-☆
『残されし恋には』 唄 シャルル・トレネ

“色あせた幸福(しあわせ)
 風に乱れる髪
 盗まれた接吻(くちづけ)
 うつろう夢
 2人の恋の何が残ったのだろう
 いったい何が?
 小さな村
 古い鐘つき堂
 人目につかぬ風景
 雲間に浮かぶ
 過ぎし日の
 おもかげ”

索引(チャプター 参考までに)
1.オープニング
2.除隊
3.ホテルのフロント
4.私立探偵ドワネル
5.手品師を追う
6.靴屋の潜入調査
7.社長夫人
8.夫人への礼儀
9.クリスチーヌを追う影
10.プロポーズ
 
ジャン=ピエール・レオ(アントワーヌ・ドワネル) 20代前半
クロード・ジャド(クリスチーヌ・ダルボン) 音楽学校生 バイオリン専攻
クレール・デュアメル(ダルボン夫人) クリスチーヌの母
ダニエル・セカルディ(ダルボン氏) クリスチーヌの父
デルフィーヌ・セイリグ(ファビエンヌ・タバール) 靴店の社長夫人
ミシェル・ロンスダール(タバール氏) 靴店オーナー
アンドレ・ファルコン(ブラディ探偵社 社長)
アリ・マックス(アンリ氏) ベテラン探偵
マリー=フランス・ピジェ(コレット) パリの街で偶然にすれ違う 家族連れで…! 

脚本 クロード・ド・ジヴレー
   ベルナール・ルボン

監督・脚本 フランソワ・トリュフォー

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