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さすらいのカウボーイ(THE HIRED HAND) 1971 [さ行の映画]

さすらいのカウボーイ.jpg ピーター・フォンダ…  というよりは、ウォーレン・オーツ♪

さすらいの果て-夕陽は男の肩に沈む
《イージー・ライダー》の悲痛な青春が 大西部を風のようにさまよう!

ジャンル 西部劇ドラマ
時間 91分

THE HIRED HAND → (農場の助っ人の)雇い人,従業員

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カウボーイのハリーは、7年もの放浪生活を終えて、妻子の待つ故郷に帰ってきた。
しかし、平穏な生活を望んだ彼に、親友の危機の報せがもたらされる。
ハリーは友を救うため、無法者との対決を余儀なくされるが……。

アメリカン・ニューシネマの代名詞とも言えるP・フォンダ監督・主演による
新感覚ウェスタンの傑作。
2002年8月、
デジタルリマスタープリント、ディレクターズカット版(91分)としてリバイバル上映。
                                (allcinema より)
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「イージー・ライダー(1969)」は気になるおじさま? デニス・ホッパーの初監督作品なので
いつかは観てみなくちゃ! と思いつつも、未だに気持ちが向かないままなのですが…?(汗)
そんな中、ウォーレン・オーツの名に惹かれて…!? ( ´艸`) こちらをお先に拝見です。

おっと!
わらの犬(1971)」のスーザン・ジョージに導かれ… ピーター・フォンダ主演の
ダーティ・メリー クレイジー・ラリー (1974)」は鑑賞済みでございまする…。 f^_^;

閑話休題

冒頭は、バンジョーらしき?響きの、長閑なるメロディ…♪

煌めく川面・・・
泳ぐ男
釣りをする男  
等々の、重層的 且つ 幻想的?な映像が… 結構長く続く。w

「ヘイ ハリー!」と叫ぶのは、ウォーレン・オーツ 演ずるところの アーチ。

・・・水辺に寛ぐ三人の男たちの、簡素な食事風景…。(近くには馬が…!)

若手のダン(ロバート・プラット)は、“西海岸へ行こう” と楽し気に話すのだが
アーチは「カリフォルニアに是非行ってみたい」と応じるものの…
ハリーは左程乗り気でなさそうな風情…?

・・・三人は馬で広い河を渡り、奇怪な山の麓にある小さな町(村?)に辿り着く。

町の酒場で安酒を飲みながら・・・
ハリー(ピーター・フォンダ)は「西海岸へは行かない… 家に行く」と決意を口にする。

突然のことに、若いダンが気色ばむ場面もあったが
アーチが西海岸へ興味を示し、彼と同行することで落ち着く…!?

西への憧れを熱く語る若いダンに、ハリーは…
「お前は行け…  3、4年後にはこの酒場で後悔しながら安酒を飲んでいるだろう…!」と。 

最後の夜… いつものように野宿する三人だったが・・・
酒が切れたというのでダンが町に買いに行くことに…!

ダンを待ちながら…
アーチは「海が見たいから西に行く」と言い…  「家まで何日だ?」と尋ねる。

ハリーが「1週間くらいかな」と答えるとっ
アーチは「家族に迎え入れてもらえるのか? 再婚しているかもしれないぞ…?」

不安は過るが…?  「どうかな」と言葉を濁すハリー。

アーチは「…後から西に来いよ」とさりげなく…。

・・・ダンが遅いので、二人して酒場に向かう。

二発の銃声の後、あられもない下着姿のダンが撃たれて、酒場に転がり込む…!?
ダンは、“Mother” と断末魔の声を上げて絶命。

その直後に、妻だというメキシコ人(?)の女を連れた白人男(サム)がやってきて…!
“妻に手出ししたので撃った” と。

疑念を抱いたハリーとアーチだったが、その場では “今夜埋葬する” と言って引き下がる。

ダンの馬を狙った上での “謀” と見抜いた二人は、朝一でその男の家を急襲!?
寝ている男の足先に銃弾を見舞い、ダンの馬を連れ戻すとっ
早々に、ハリーの妻の家へと向けて馬を駆ることに…!

砂漠を超え、豪雨を凌ぎ…? 旅を続けて辿り着いた家には・・・
妻ハンナ(ヴァーナ・ブルーム)が、7歳になる娘ジェイニーと二人きりで暮らしていた。

最初ハンナはハリーに気付かず…!?
思い出してからは、けんもほろろ? な態度を示していた…。

10歳の年の差… (出会ったときはハンナが30…? ハリーは20歳だった…)
1年9か月程の結婚生活、
そしてハリーが姿を消してからの7年間の空白・・・

ハリーが
「人生に疲れた… 使用人として働かせてくれ… 働きぶりを見て欲しいんだ…」
と真摯に訴えるとっ 

「娘が心配だわ… 父親は死んだと言ってあるの…」

「わかった(Sure)」とハリーが応えると、ハンナは無表情で? 家に入ってしまう…。

どうやら二人の間に “暗黙の了解” が成立したようで…!?
ハリーはアーチを促して馬を引き、宿舎となる納屋に向かうのだった。

さて・・・?

ネタバレをもう少し・・・ (;^_^A
農場にやって来て、最初の夕食の後…?

ハリーが先に席を立ち… アーチがハンナと二人きりになった時に
「なぜ犬を飼わないのですか?」と、軽い調子で口火を切るのですが…

「居たけど家出したの… また飼うのは面倒で…!」
ハンナはニコリともせず・・・ アーチはぐうの音も出ない… ( ´艸`)ククク

(一見無愛想なハンナの、特異なキャラクターが加わったことで、話に面白みが…!?)

その後、二人の働きぶりを見つめるハンナの表情に変化が見られますが・・・。

やはり “男手” の有難さと申しましょうか…? f^_^;
当時の農家の暮らし振りが窺い知れて、興味深くもあり…!? 
・・・という、“ドンパチ” の合間の貴重な “長閑さ” でもありましたね。

ところで、余談ですが… (汗)
ハリーの馬は、とても特徴的で…! 白地にこげ茶色の大柄な模様があります。
そして、盗まれた? ダンの馬は全体が茶色ながら、鼻筋から頬が白色&白ソックス君。
アーチのは、フツーというか (笑) 鼻筋に白ポイントがある、全身栗毛の馬でした。

馬の肌色も効果的に使って…!? 
よく練られた、凝った造りの作品だな と思いましたけれど…
少しぎこちないような印象の場面も無きにしも非ず…?(どこが?と聞かれると困りますが… w)
まぁ、あまり説明せず…? というのが “新感覚ウェスタン” なのかも知れませぬ…。(汗)

ピーター・フォンダは、佇んだ姿が “ハリー” そのもの!?  という感じでした。(笑)

しかしながら、
やはり… この映画は、脇役アーチのものかも…!? ( ´艸`) という気が致します。

ウォーレン・オーツ “良い男” 過ぎです♪  
(人柄の好さが滲み出てる… というのか…? w)

“西部劇” 特有のカントリー風(ダサく見える方の?)衣装!? (汗)
+ 人生にくたびれた感アリの中年男!? …のわりには? 何ともカッコイイのです♪ w

まあ、ともかく何だかんだで、ハリーも彼に心底惚れちゃっている風情なのですよね…?(笑)
そんな感想を持ってしまった映画でしたがっ f^_^;

全体的には、目くらましのような? 摩訶不思議な映像と、牧歌的、絵画的な映像が印象的… 
そして、その大自然の美しさの奥に、荒々しさも垣間見えるような…!? 
という、アート的な観点からも楽しめる作品となっておりました。 (褒め過ぎか…?)w

ところでっ
DVD特典の 「Production notes」より、勝手ながら要約転載させて頂きますとっ

“ピーター・フォンダはウォーレン・オーツを数年来慕っていたので
キャスティングしたいものの、出演料は決して安くはなく・・・
エージェントから5万ドルと提示された、フォンダとヘイワードは
自分たちのプロデューサー料から2万5千ドルずつを捻出することに…!”

・・・なかなか泣かせるエピソードですね。 ( ´艸`)

また、紅一点?
ハリーの妻 ハンナ役に相応しい女優を探し出す経緯も興味を惹かれましたけれど・・・。
(実際は女優繋がりでのご紹介… という平凡なものだったようですが…? (汗))

更に・・・
“フォンダは出演者全員に化粧を禁じた…” 

・・・という究極の “リアリズム” は、まじ凄いなぁ と感心してしまいました。w

無化粧のヴァーナ・ブルームは顔立ちの良さもさることながら…?
役柄の性格設定の奥深さもあり…!? ミステリアスな印象が強かったですね。
(男女の深層心理を切々と語るところ等々 グッときましたけど… (汗))

当時の “生活者”としての素朴な女性像を見事に体現していると思われましたが… 
もちろん、年相応の艶やかさも、美しさも感じられ、存在感は格別でしたね。
強がるばかりでなく…!?  時には本音も…! という所も、何とも切なかったり…。(微笑)

今の今まで、お初の女優さんかと思っていたのですけれど…
調べましたら「最後の誘惑 (1988)」では聖母マリア役でした。
(ウチにありますので確認済みですが…  ついつい1本観ちゃうので時間が掛かります…。w)

そこでは老母?という風情なので…(爆)
本作の若々しい? 女盛りの彼女を観ることが出来て本当に良かった♪ と思います。
だからと言って、他のご出演作も…! とならないのが惜しいところですがっ ( ´艸`) ホホホ

ともかく、長閑なようでいて…? どこか不穏な空気感が漂う不思議な映画でした。
こーゆーのも嫌いじゃないな と、改めて思った次第でございます。w

chapter(参考までに)
1.プロローグ
2.放浪の旅
3.報復
4.わが家
5.噂
6.使用人
7.アーチの出発
8.平穏な暮らし
9.突然の旅立ち
10.捕らわれの身
11.決闘
12.エンドクレジット

ピーター・フォンダ(ハリー・コリングス)
ウォーレン・オーツ(アーチ・ハリス)
ヴァーナ・ブルーム(ハンナ・コリングス)
ロバート・プラット(ダン)
セヴァン・ダーデン
アン・ドラン
テッド・マークランド

監督 ピーター・フォンダ

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【2020年8月9日(日)加筆】
ウォーレン・オーツ扮するアーチが、ハリーとハンナの家を出て行く時の情景は美しく描かれる。
牧歌的というのか?
その中で、幼い娘ジェイニーが馬上のアーチに一輪の花を手渡す…! というのがあるのですが…
このシチュエーションは西部劇アルアルなのかな? なんて思った次第です。f^_^;
誰か(あるいは作品)に向けたオマージュというか? リスペクト?
往年の “西部劇” を改めて鑑賞したことがないので、未だに “ルーツ” が判然と致しませぬ? w
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末尾ルコ(アルベール)

『さすらいのカウボーイ』は、ピーター・フォンダが監督してるんですね。へえ~。
『イージーライダー』は映画史上大書されている革命的作品ですが、けっこうクセはあります。
ピーター・フォンダは『悪魔の追跡』なんかも印象的ですが、子どもの頃観ただけなので今観てどうかは分かりません。
後年、村上龍監督の『だいじょうぶマイ・フレンド』にも出てますが、「お薦め」とは言い難いです(笑)。
主役とかではないですが、『ナディア』というモノクロのヴァンパイア物がありまして、わたしはこの映画を偏愛しております。  RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2020-08-06 03:26) 

Labyrinth

末尾ルコ(アルベール)さん (^_^)ノ
「ナディア」(^_-)-☆ すわっ レンタル~ と思ったものの
DVD化されてなくて、残念の巻でした。 一応 ( ..)φ メモメモ
いつも、ありがとうございます。
by Labyrinth (2020-08-06 15:40) 

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