SSブログ

戦争のはらわた(CROSS OF IRON/STEINER - DAS EISERNE KREUZ) 1977 [さ行の映画]

戦争のはらわた.jpg サム・ペキンバー監督作品… 邦題にドキリ…! (¬、¬;

ジャンル ドラマ戦争
製作国 西ドイツ/イギリス
時間 133分

CROSS OF IRON(鉄十字) 原題でも良かったのに…? w

-----------------------------------------------------------------------------------------------
第二次大戦中、ドイツの敗色が見え始めた1943年、ロシア戦線。
ドイツ軍の一中隊を舞台に、人間味ある伍長と冷徹な中隊長との確執、
最高の名誉とされた“鉄十字章”をめぐるドロドロの人間模様を、
ペキンパーが大迫力で撮り上げた大作。
砲弾の飛び交う中、泥と血にまみれた人間たちが激しく殺し合う様は、
歴代の戦争映画の中でも異彩を放っている。
ラストの“笑い声”が強烈なインパクトを残す。   (allcinema より)
-----------------------------------------------------------------------------------------------
邦題にビビり気味な私めでしたが、やはりこの作品は外せない…!? と、心しての鑑賞でございます。

遠い昔「ブルー・マックス(1966)」というのを観たことがあるのですが、それは勲章は勲章でも…
第一次世界大戦時のドイツ空軍の栄えある勲章の話で、ジョージ・ペパードがご活躍… ダッタカナ??
(勲章の形は似ていても、もっと豪華で美しかったように覚えています…? w)

今チラッと調べましたら、ジェームズ・メイソンもご出演とあり…! 吃驚… ( ´艸`) 
本作でも? 物腰柔らかな上官役で盤石の存在感でしたけれど…!?
そんな彼に、主人公のシュタイナー伍長(ジェームズ・コバーン)が歯向かう場面があり…!
私めは “豹変” するシュタイナーの心理を理解出来ず、少なからぬ衝撃を受けました。

白状致しますとっ 
初見では、敵味方の姿が判然とせず…? 意味深?な台詞も難しく感じ…!?
何が何やら? ?(・_・?) ハテ? 状態で終わった感があったのですけれど・・・(爆)
“深そう” な台詞を理解しようと何度も観る内に、どっぷりとハマってしまった と言う…!? w
“ペキンパー マジック” でしょうかね?(汗) 
(まさか自分がこんなにも戦争ものにハマるとはねぇ  f^_^;  ニャハハ)

それにしても、ジェームズ・コバーンの Cool なこと…!
ブレない男はカッコイイ♪  (^_-)-☆
(これまで何度となく観てきたジェームズ・コバーンですが、初めて ゾクッと来たかも…? w)

ところでっ
これまで、耳に馴染んだ日本の童謡「ちょうちょう(蝶々)」と認識しておりましたが…?
外国産だったのですね~(汗) ドイツの童謡か…?

子供たちが歌うテーマ曲が流れる中・・・
オープニング・クレジットは生々しい実写映像で…!?
悲惨な戦地や、ドイツ国民の表情や、元気そうなヒットラー 等々
やがて、カラー映像となり…?  ジェームズ・コバーンの顔が…!? 

【ロシア タマニ半島 1943年 THE RETREAT (退却)】

冒頭…
“シュタイナー” “シュタイナー”  “聞こえるか?” と無線で呼び掛ける声…!?
(声の主は、キーゼル大尉(デヴィッド・ワーナー)なのですが、切羽詰まった感アリ…? w)

“シュタイナー” と呼ばれる伍長が、小隊を指揮して森を駆け抜ける…。

鮮やかにミッションをクリア!?
シュタイナーは部下にさりげなく… 
「Good kill (良く殺った)」
(まさにプロの殺し屋集団…  阿吽の呼吸で…! お見事っ ( ´艸`))

すると、部下が一人のロシア人少年兵を引き立ててくる!?

“ロシアの捕虜は取らない” という決まりの中… シュタイナーがふと逡巡を見せた時…?
少年兵は、ポケットをモゾモゾ!? 

一瞬、緊張が走ったがっ
取り出したのは小さいハーモニカ♪

“~ヴォルガ~の流れ~?” と有名なロシア民謡を吹き始めた。(ステンカラージン?)
・・・視線はシュタイナーに向けて…!

少年兵は、シュタイナーの一存で、彼らの掩蔽壕(えんぺいごう)にて匿われることに…。

一方、本部には、シュトランスキー大尉(マクシミリアン・シェル)が着任の挨拶に訪れる。
ブラント大佐(ジェームズ・メイソン)が、キーゼル大尉と共に歓迎し…!? 乾杯を…。

「健康に!」と、慣習的に杯を上げる二人を尻目に…?
「健康を願ってもしょうがない… 戦争の終わりに…」と気怠そうに応えるキーゼル大尉だった。

この前線には、“鉄十字” 勲章が欲しくて 志願した…! と言うシュトランスキー大尉…。
前任地フランスでは上官に “くそたれ英雄” と親しみを込めて(?) 言われた… と自負している…?
また、“貴族出身” を鼻に掛けている風の彼は「ここには有能な男が必要だ」と、うそぶく。

・・・連戦で疲弊気味のブラント大佐が、やや気色ばんで? 

「西側の文化の為に戦ってはいない…
政府の為にも…! 鼻持ちならぬナチスの為にも…!
(我々は) 自分の命の為に戦っている」

そこに、シュタイナーが戻ってくる との一報が入る。

ブラント大佐 曰く…  「(彼は) 一流の軍人だ」
キーゼル大尉 曰く…  「シュタイナーは神話だ」
そして「我々の最後の頼みだ… (それ故に?) 真に危険な男だ」と意味深発言を…。

「へぇぇ…?」という風情のシュトランスキー大尉…。

そんな彼が、己の “心意気” を熱弁して去った後・・・

「(彼は)ドイツ国防軍の純潔の象徴! 敗北を目前にしても・・・」と評したキーゼル大尉はっ
やおら立ち上がり “ハイル ヒットラー” \(^_^) と自棄気味に…?

シュトランスキー大尉とシュタイナーの初顔合わせは、ロシア少年兵 “処遇” で火花を散らしたが!?
その後も、相容れない関係は続き、“火種” は沸々と・・・!?

さて・・・?

ネタバレしてしまいますが…? (;^_^A
戦闘場面の合間に、“女” が出てくる場面が 2カ所ありまして…
最初は、負傷して野戦病院?に担ぎ込まれたシュタイナーを献身的に看護する看護師エヴァ。

センタ・バーガーが、“安定” を望む女心を切なく演じて… グッとくるものがありましたが…!?

シュタイナーは というとっ 
仲間を見掛けるや…?「トラック 止めておけ!」と言い、そそくさと “出陣” の身支度を…!?
(しかも、未練たらたらのエヴァには無言を貫く…!  ( ̄ο ̄; エッ)

終盤には、ロシア軍兵士の女性陣を急襲!? という場面がありました。
ここでは、衝撃の展開もアリでしたが…!(爆)
シュタイナーの紳士的?な一面も窺い知ることとなり…!?  貴重なシーンだったかと…。f^_^;

しかしながら、
シュタイナーの台詞に「女は “時には必要”…」的なものがあり・・・(苦笑)
推して知るべし…! と思わずにはいられない感じが…?(笑)

余談ですけれどっ
「ワイルド・バンチ(1969)」の特典「THE WILD BUNCH  AN ALBUM IN MONTAGE」に
サム・ペキンバーが次のように語る部分が有りましたので、載せたいと思います…。

「6~7歳の頃、テニソンの詩を習った… “軽騎兵の突撃” だ… その頃から考えていた…!」
(これは「ワイルド…」の方かと思われますが?)

「11歳の頃、50人の子供が集まり、戦争ごっこをやった…!
ゴム製の銃と剣を持って…! (中略) それから病みつきさ」

最後の言葉がすべてを物語っているような気が致します…? (^_-)-☆

ともあれ、
本作にはサム・ペキンバー監督のあらゆる熱いメッセージが込められているのがわかり…!
興味深い事この上なし…! なのですけれどもっ  f^_^;
更に理解を深めるために、DVD欲しいかも…? というところまで来ておりまする。(笑)

臨場感たっぷりの戦闘場面の凄さもさることながら・・・
ドイツ人という事に限らず…? 
“戦争屋” 的な? 一兵士 の心象風景を探るという意味で、とても貴重で興味深い作品と思います。
(フィクションと分かってはいても…? ( ´艸`))

シュタイナーはもちろん、彼を支えて死んでいった部下や同僚等、脇役の好演もNiceなのですが…
対極にあるシュトランスキー大尉を演じたマクシミリアン・シェルの功績は大きいと思われまする。

しかし、私めが気になったのはキーゼル大尉のデヴィッド・ワーナー。
「トロン(1982)」が気になってしょうがないです。(ウ^_^ソ) 

ついでと言っては何ですけれど… (汗)
「西部戦線異状なし(1930)」も観てみるべき…? なんて思うようになりました? w

ジェームズ・コバーン(ロルフ・シュタイナー曹長)
マクシミリアン・シェル(シュトランスキー大尉)
センタ・バーガー(エヴァ) 従軍看護師
デヴィッド・ワーナー(キーゼル大尉)
ジェームズ・メイソン(ブラント大佐)
クラウス・レーヴィッチェ(クルーガー伍長)
アルトゥール(アーサー)・ブラウス(ツォル)
ブルクハルト・ドリースト
ヴァディム・グロウナ(ケアン)
ロジャー・フリッツ(トリービック中尉)
イゴール・ガロ(マイヤー中尉) シュタイナーの上官
ディエタ・シャイダー(アンセルン)
フレッド・スティルクラウス(シュヌルバルト伍長)
マイケル・ノーカ(ディーツ)
ロシア人の少年兵(スウィーニー・マッカーサー)

監督 サム・ペキンバー

ラストに ベルトルト・ブレヒト の意味深な?言葉の引用が有りましたので、載せておきます。

  ↓
Don't rejoice in his defeat, you men.
For though the world stood up and stopped the bastard,
The bitch that bore him is in heat again.
                      Bertolt Brecht

彼の敗北を喜ぶなかれ
世界がその畜生に立ち向かい阻んでも
そいつを産んだメス犬が又発情する     ベルトルト・ブレヒト
  ↑

nice!(31)  コメント(2) 
共通テーマ:映画

nice! 31

コメント 2

末尾ルコ(アルベール)

確かに「はらわた」と来ると、(『死霊の』か・・・)となりますよね(笑)。
それにしても今この瞬間、『戦争のはらわた』を、コバーンを、熱く語るLabyrinth様、す・て・き♪            RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2020-08-15 03:30) 

Labyrinth

末尾ルコ(アルベール)さん (^_^)ノ
タイトルって本当に悩ましいですよね~(汗)
危うくスルーしちゃうレベルでしたわ (;^_^A  しなくて良かったですけど…!
ジェームズ・コバーン もう少し攻めてみたくなりましたっ w
いつも、ありがとうございます。
by Labyrinth (2020-08-15 20:38)