SSブログ

ル・アーヴルの靴みがき( LE HAVRE) 2011 [ら行の映画]

ルアーブルの靴磨き.jpg アキ・カウリスマキ監督作品 ( ´艸`)

心をみがけば、奇跡はおこる。

ジャンル ドラマ/コメディ
製作国 フィンランド/フランス/ドイツ
時間  93分

-----------------------------------------------------------------------------------------------
「過去のない男」「街のあかり」の名匠アキ・カウリスマキ監督が、北フランスの小さな港町
ル・アーヴルの裏通りを舞台に贈る心温まる人情ドラマ。
ひょんなことから不法移民のアフリカ人少年と出会った平凡な老人が、
彼を救うべく近所の人々と力を合わせて奔走する姿を、ペーソスを織り交ぜ優しい眼差しで綴る。
主演は「仕立て屋の恋」「ラヴィ・ド・ボエーム」のアンドレ・ウィルム、
共演に「マッチ工場の少女」のカティ・オウティネン。         (allcinema より)
-----------------------------------------------------------------------------------------------
主演のアンドレ・ウィルムはアキ・カウリスマキ監督作品では御馴染みさん?のようですね?(汗)
ラヴィ・ド・ボエーム(1992)」は… ここに来て、ようやく観る事が出来ました。(^_^)y
(本作は「ラヴィ…」に続いて2本目のフランス語映画だそうです…)

私めは「仕立て屋の恋(1989)」と「メグレと若い女の死(2022)」の2本を観ていましたが・・・
「メグレ…」は既に忘却の彼方… orz   と言うか? アンドレ・ウィルムって誰?状態だったかも…?w

ところで、ヒロインと言えるのか…?(爆) …の、カティ・オウティネン(妻の役)ですが・・・(大汗)
老いた姿は存じてはいても… 今回は “病身” という設定なので、気の毒な程のやつれ方…!? (ウ^_^ソ) 

それでも… 毅然とした!彼女の “表情” を余すところなく映そう!という意気込み?は伝わりました。

監督さんから余程愛されている女優さんなのだなぁ と思ったりしたのですが…!?  ( ´艸`)  
改めて、彼女のお若い頃の代表作が見たくなりました。

冒頭は、北フランスの港町ル・アーヴル…  の鉄道の駅構内…
客待ちをする、老靴磨きのマルセル(アンドレ・ウィルム)と、若いベトナム移民のチャング・・・

素通りが多い中… マフィア風?黒服の男(イルッカ・コイヴラ) は、マルセルに靴を磨かせてくれた。
ところが、急に不穏な空気が漂い…? (¬、¬; ひと悶着!?  あった模様…。(画面の外で… (爆))

マルセルは、夜の裏通りを歩きながら・・・ 馴染みのパン屋の灯りを見つけ… 
イヴェット(イヴリーヌ・ディディ)の店からフランスパンを1本くすねるが、直ぐに見つかってしまう。
理屈に合わない言い訳を口にするマルセルに? イヴェットは “仕様がないなぁ” と、まじで困り顔!!

雑貨屋の親父さんは、マルセルの姿を見咎めると、そそくさとシャッターを下ろしてしまった。

帰宅したマルセルは、愛犬ライカに声掛けすると、妻のアルレッティの後ろ姿を暫し眺める。

アルレッティ(カティ・オウティネン)は、少し微笑むと?「今日も頑張ったわね」と夫を労い・・・
彼がもたらした一日の “稼ぎ” を大事そうに空き缶に仕舞いながら、1枚の札をマルセルに渡す…!
そして「夕飯の支度をするわ… それまで食前酒でも飲んできたら?」と送り出すのだった。

マルセルが “クレールの店” に行き一人で飲んでいると、クレール(エリナ・サロ)が話し掛けてくる。
彼女はアルレッティのことを褒めて… マルセルが “当然だ!” と言わんばかりに応じると…?

「外国の女性は私達フランス人よりロマンチックな目でホームレスを見ているのかしら?」と突っ込む。
マルセルは「今日はずいぶんと皮肉るねぇ」と苦笑する。

マルセルは… かつてパリでボヘミアン生活をしていた事を…!? 
また、アルレッティは暴力亭主と別れて? 自分と再婚した… というような事を打ち明けるのだった。

夕飯はマルセル一人が食べて、アルレッティは食べなかった。(お昼に沢山食べたから… と?)
マルセルが眠ってしまうと、アルレッティはズボンのアイロン掛けや靴磨きに精を出す…!?

そんな頃、港では…? 
夜間の警備員がコンテナをコンと叩くと、中から子どもの鳴き声が…!?  ( ̄ο ̄; エッ

翌朝になると、港は物々しい様相を呈し!? 小銃を持った警官も複数配備された…。

一同が固唾を呑んで見守る中、コンテナのドアが開けられると・・・
はたして中には、アフリカからの密航者が、少なからぬ人数… 潜んでいた!?

早速、赤十字の担当者が入って行って「マダム お加減は?」と話し掛けながら調査を開始する・・・
すると突然、一人の黒人少年が駆け出した…!

立ち会っていたモネ警視(ジャン=ピエール・ダルッサン)は、咄嗟に “銃撃” を阻止する…!
「まだ子どもだぞ!」と。

・・・警察に追い詰められたイドリッサ少年(ブロンダン・ミゲル)は、仕方なく海に浸る事になる…?

新聞が大々的に取り上げて…! 仕事中のマルセルも客の新聞で “事件” を知ることに…。

一仕事終えたマルセルが、海を見ながらランチにしよう と、堤の階段を降りて行くと・・・
太い橋げたの陰から、半身水浸しの黒人少年が姿を現し… 「ロンドンは?」と尋ねて来た!?

マルセルは驚きながらも…「ここはノルマンディーのル・アーヴル」「ロンドンは海の向こうだ」
そして、手にしたサンドウィッチを「食べるか?」と、優しく言うのだが・・・

その時、上から掛け声(モネ警視の) が聞こえ…? 慌てて取り繕うマルセルだった。

その夜…
少年のために、水とサンドウィッチを買ったマルセルは、昼間の場所に置いて…  お金も入れてやる。

一方、妻のアルレッティは、体調を崩し…!?
心細い思いで? マルセルの帰りを待っていた。

驚いたマルセルは、電話を借りようとパン屋のイヴェットの所に走るのだが・・・
休んでいたイヴェットは「(救急車を待つより)私がクルマを出すわ」と言ってくれて! 三人で病院へ。

アルレッティは、そのまま入院する事になってしまうのだが・・・

さて・・・?

“靴磨き” は、夜行列車の客の方が仕事になる… というのが不思議な気がしましたけれど…?w
心底 誇りをもって仕事をし、妻との慎ましい暮らしを大切に思っているマルセルは幸せ者かと…!?

アルレッティは、マルセルの気性を思い遣って…! 医師に “今は告知はしないで!” と頼みます。
医師は、それを受け入れて… 「治療を頑張りましょう」と、アルレッティを励ましますが・・・
彼女自身も? 鑑賞者も? 今度はダメかも…? と、悲観的な気分になっていたように思われます? (爆)

そんな中、マルセルは?
医師から何と言い包められたのか? ともかく、妻の病気に関しては “安堵” の態で…? (汗) 
イドリッサ少年の願いである “母の待つロンドン” へ彼を行かせてやるために、奔走致します…!

まずは、はぐれてしまった… 少年の祖父マハマット・サレの所在を求めて!?
更に、地道に?骨身を惜しまず…? 時にはハッタリを効かせたりして?  奔走…!( ´艸`)

そして最後には・・・
ロンドンまでの “ヤミ” の渡航費用を捻出するために、ロックバンドのライブを企画 & 実行!?

・・・周囲の人たちの善意が結集する形で…! 
少年の “願い” が現実のものとなりました。(めでたし♪)

イドリッサ少年と、マルセルの愛犬ライカとの絡みも沢山見られて楽しかったのですけれど・・・
マルセルの後を付けて…! 彼の家まで辿り着いた少年が、犬小屋でワンと一緒に一夜を明かす…!?
ん? どこかで見た光景かな? と思いましたが… ( ´艸`)  何度見ても? 和むものですね。w 

ところで… ここで気になったのが・・・
一見冷徹! とも映る? アンリ・モネ警視(ジャン=ピエール・ダルッサン)の動向でした。

仕事最優先的な? “堅物” は、密航者の群から少年が飛び出した折には、反射的に銃撃を阻止…!

その後、街でマルセルを見掛けると、差しで… 「友人として忠告」と前置きしてから…
「私は警察官だ… 税務署とか移民局の者じゃない… わかるな?」と謎の言葉を…!? 

そして、最終的には職権乱用 !? ( ̄ο ̄; (船のデッキで、追って来た警察官と対峙!?)
「俺が確かめたのだから ここには居ない」と言い張る。 ネタバレ御免 (^人^;

役柄的にも、とてもクセのある…  と言うか? 面白味のある? おじさんなのでしたが…。w
私めは お初のジャン=ピエール・ダルッサンに俄然 興味が湧きました。
(否「ロング・エンゲージメント(2004)」にご出演でした! 記憶にも記録にもございませぬが… w)

そこでDVD特典のインタビュー映像なのですが…! これが興味深くて、お得感満載♪ という感じ。w
(マルセル役のアンドレ・ウィルムと、モネ警視役のジャン=ピエール・ダルッサンが交互に…)

(アキ)監督は、ロベール・ゲディギャン監督作品を見てオファーしてくれたようだ …とダルッサン。
(アキ)監督の作品に出演して役を作り上げるのは、私にとっては “奇妙な喜び” …とも?

矢で的を射るような感覚で演じている  テイクは1回きりだし!  …と。

そして、更に・・・
「台詞も独特で 役者たちの演技も どことなくぎこちない」
「作品全体に不思議な雰囲気が漂っている…」

それを壊さないように “引きの演技” を意識したよ
“演技し過ぎないでくれ” と言われているような気がした… そうです。

「彼の想像力を刺激するものは… 記憶の中にある」
「撮影方法や撮影機材にもノスタルジーが溢れていた」

強面?のモネ警視で傑作なのは? パイナップル のシーンなのでしたが…!? ( ´艸`)
ふとした思い付きで “パイナップルを買うのはどうか?” と提案したら、受け入れてくれたそう…!w
(モネ警視はパイナップルを持ってバーに入って行く… というのが、妙にウケました w)

方や… アンドレ・ウィルムですが・・・

アンドレ・ウィルムのインタビューで興味を惹かれたのは… “台詞” についてでした。
フィンランド語の台本をフランス語に訳したものを見た時に、堅いな という印象があり…?
少年に向って「どこへ行く?」と自分なりに自然に言ったつもりが、監督からダメ出しが…!?
結局「いずこへ行く?」と直される事に!? “文学的な印象を与える事になった” と納得したそう…。
(日本人の与り知らぬ所での一コマですが… (汗) 監督の繊細さと拘りが知れたエピソードかと?)

他には…? 何か特別な事をしているわけでもないのに? “皆を纏めるのが上手い” とも…。w
また… 監督の作品に見られる二面性… 「無限の希望」と「深い絶望」を指摘していましたね。

そして… 「私には友人がいない… 話し相手は木さ」と仰る監督の言葉に…?
アンドレ・ウィルムは、 木 = 映画 と解釈したようでした。
(この二人の俳優さんのインタビューは、私めにシックリ来て、腑に落ちたような気が致しました)

最後になりましたが・・・
本作にも、トリュフォー作品でお馴染みのジャン=ピエール・レオが “密告者” としてご出演…
「ラヴィ…(1992)」からは20年近く経っていますので、他のご出演者と同じく?老け顔でした。(爆)

初見は… 地味やなぁ と思い?  正直、取っ付きにくい印象も有ったのですけれど…!? (苦笑)
アレコレ見て行く内に、手放し難い思いがしてきたりして…? 困りました。(^_^ゝ

何はともあれ、見事なハッピーエンディング♪ (^_-)-☆ 

アンドレ・ウィルム(マルセル・マルクス)   ル・アーヴルに妻と二人で暮らす “靴磨き” 職人
カティ・オウティネン(アルレッティ) マルセルとは再婚?  気になる病が…!?
ジャン=ピエール・ダルッサン(アンリ・モネ警視) 一見強面の堅物に見えるが? 実は…?
ブロンダン・ミゲル(イドリッサ・サレ) アフリカからの密航者 母が居るロンドンを目指す少年
エリナ・サロ(クレール) バーのママ イヴェットの母?
イヴリーヌ・ディディ(イヴェット) パン屋
クォック=デュン・グエン(チャング) ベトナム移民の若き “靴磨き” 職人
フランソワ・モニエ(ジャン=ピエール) 雑貨屋
ロベルト・ピアッツァ(リトル・ボブ) ロベルト ロックバンドのヴォーカル 妻はマネージャー “ミミ”
ピエール・エテックス(ベッカー医師) アルレッティを診る医師
ジャン=ピエール・レオ(密告者)
LAIKA(Laika ライカ) マルセルの愛犬

監督・脚本・製作 アキ・カウリスマキ

nice!(22)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 22

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。