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昼下りの決斗(RIDE THE HIGH COUNTRY/GUNS IN THE AFTERNOON) 1962 [は行の映画]

昼下りの決斗.jpg サム・ペキンバー監督 初期の作品… ( ´艸`)

ジャンル 西部劇/ドラマ
製作国 アメリカ
時間  94分

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金山からの金塊輸送を引き受けた元保安官とその旧友。
途中で同行するようになった少女が原因で、やむなく鉱夫の荒くれ兄弟と対決する事になるが…。
もう若くはない主人公の一徹な生き様は、後のペキンパー作品の男たちに通じるものがあり、
密かに裏切りを企む旧友との友情も泣かせる。
西部劇スターとして名を馳せたR・スコットとJ・マクリーはこの作品を最後に引退したが、
それにふさわしい名編となった。                  (allcinema より)
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サム・ペキンバー監督作品はこれで、打ち止め… です。 
(外せないヒット作がまだあるじゃん? ( ´艸`) まぁまぁ そこは突っ込まないでくださいまし… w)

サム・ペキンパー 情熱と美学(2005)」を鑑賞後、本作は必見かな…? と思い、観てみました。
(主役の一人、ジョエル・マクリーにサム・ペキンバー監督の父親のイメージが投影されていた…!?)

楽しみに見始めますと・・・ ん? あれれ? またですか…?(汗)
ラスト近く・・・ 娘の父親の “後ろ姿” を見た瞬間に、あ~ これは見た見た…と。 (^_^ゝ

大分以前のTV鑑賞と思われますが、その時はどう感じていたのか? 我ながら興味深いです…? w
エルザ役の女優さんが気に入らなかったのは、今と変わらないのかな? なんて…!? (爆)

冒頭は、町の目抜き通り…。
制服警官が出て、“見物” に端に寄るよう指示を出している所へ、騎乗の老カウボーイが一人・・・。

スティーヴ・ジャッド(ジョエル・マクリー)は、自分が歓迎されていると思い、思わず会釈を…!?

ところが、それは駱駝 VS 馬たちの “賭け競争” で…!?
程なく、土煙を上げて…! 彼の一団が駆け抜けて行くのだった!?(ヘック騎乗?の駱駝が1位)

その日は町を上げてのお祭り騒ぎ…!?
一隅に、青空 “いかさま” 射的場を設けるギル(ランドルフ・スコット)は・・・
“舌先三寸” で客を呼び込んで、商売の真最中…。

そこへ、スティーヴがひょっこり顔を出す…!
二人は旧知の仲だった…!? 
(スティーヴが保安官の時、ギルは助手として6年程 一緒に仕事をしたことがあった…!?)

スティーヴは、ギルに問われるがままに、この町に来た理由と、“助手” を求めている旨を話す。

ギルと別れ、その足で銀行に向かったスティーヴは・・・
“カリフォルニアの鉱山(Coase Gold)で掘り出された金を町の銀行へ預けるための搬送人”
として雇われたのだった。

元保安官としての “信用” で、雇われることになったスティーヴ…
彼の冴えない風体に “足元を見られる” 瞬間があったが、毅然とした態度で辛うじて面目を保つ…!?

しかし、契約書を手にしても・・・
そのままトイレに持ち込み… 一人になって…! じっくりと老眼鏡で…!?
という、“老い” を意識せざるを得ない自分も、重々承知している スティーヴだった。

スティーヴが、中華レストランで食事中・・・
ギルが、若いヘック・ロングツリー(ロン・スター)を連れてやってきて、売り込みにかかるのだが…
“駱駝レースはいかさまだ” と、スティーヴが口にしたところ・・・
それを聴き付け…! 賭けに負けた連中がヘックを標的に、一騒動となる…!?

スティーヴとギルは、呆気に取られて “若いもんの暴走” を見守っていたのだが・・・
“多勢に無勢” でも、なかなか良い勝負をするヘックを見直し…! スティーヴは及第点を付ける。

こうして、スティーヴはギルとヘックという助手を得て、目的の鉱山へ向けて出発することに…!

途中、一晩の宿を借りるため、ある農場へ寄るのだが・・・

さて・・・?

厳格な父親の監視の目をうるさく感じている、世間知らずの一人娘エルザ(マリエット・ハートレイ)。

以前から恋人だと思い、婚約していると思い込んでいる “鉱山” のビリーの元へ行きたくて…!?
こっそりと抜け出して、三人の後を追ってやってくる・・・ というのがミソですね~ (;^_^A

私的には、パッとしない女優だな という印象が強くて、彼女の良さを見ようとしていなかったかも…?
改めて観てみますと… 
けだものの様な男たちに翻弄され…!? 恐怖と嫌悪の表情を露わにする等、なかなかの演技派でした。
(本作がデビューのようですが…? そう思うと、よくやった…! と褒めるべきなのかな…? w)

“けだもの” の一人が ハモンド兄弟の ウォーレン・オーツというわけですけれど… ( ´艸`)
さすがにお若いですが… ナチュラルな? “ウォーレン・オーツ” で…  異彩を放っておりましたっ w
(肩に、ホンモノのカラスを止まらせてご登場でした… ( ´艸`) 監督のご指示だそうです…!? w)
 
エルザは、亡き母のウェディングドレスを着て、式場となる “娼館” へと、馬を連ねて行進します…。
でも、表情は冴えない…? 当たり前…! (¬、¬; (5人の兄弟たちはスーツ姿で大合唱♪)

すべてが怪しげな雰囲気の中で、“良識派” はトリヴァー判事のみだったような…?
しかし、残念なことに彼は、アル中気味なお方なのでしたっ (爆)
エドガー・ブキャナンが、味のある? いい感じの崩れ方で…!? 不思議な存在感を示しておりました。

そして、存在感と言えば? もう一人・・・
鉱山を抜け出したところでの撃ち合いで、やられてしまうハモンド兄弟の一人・・・
シルバス役のL・Q・ジョーンズが、特別に “見せ場” を与えられていたことに一寸吃驚しました。
やはり、その頃から監督のお気に入り  ってことなのですね~ (;^_^A
(彼は、“特典映像” 等の常連さんで…! サム・ペキンバー像の 語りべとなっておりますね。 (;^_^A)

ってことで・・・
“昼下りの決斗” はエルザの家の敷地内で行われるわけですが…  (ネタバレ?)
地味ながらも、とてもリアルな撃ち合いで…!? 興味深く観てしまいました。 (汗)

老優?二人の “引退の花道” となったわけですけれども・・・
リアリティがあるのでしょうが…? 案外さらりとしたお膳立てで、拍子抜け…!?  (ウ^_^ソ) 

最初から “金” の持ち逃げを頭に描いてスティーヴにすり寄ったギルは、最後には改心…!?
そうさせてしまう “力” がスティーヴには有り、それは取りも直さずジョエル・マクリーの演技力…!?
さりげなくも渋めな演技でしたけれどね…?f^_^;  揺るぎない信念が感じられました。

ところでっ
DVD特典の “インタビュー” は 「ペキンパーとその家族」と題して、
監督の妹…  ファーン・リア・ピーター FERN LEA PETER さんの一人語り…!?
「サム・ペキンパー 情熱と美学(2005) 」にもご出演でしたが、少々老けたかな…?(爆)

父方の祖父は、フレズノの近くの “ペキンパー山” に移住し、製材所を始め、事業が成功後…
シスコでイザベル・トーナーと結婚…! 大分年下のアイルランド系の赤毛娘だった。
祖母は樵しかいない山奥でもいとわずに暮らした。 勇気のいることだと思う…。

母方のチャーチ家は始めは貧しかった… 祖父デンバーは再臨派の説教師
眼が不自由だったが、妻の助けを借りて勉学に励み… 医学の後、法学を学び弁護士になった
その後は下院議員としても活動…。

父のデイヴィッドは、母と結婚しても単なる “カウボーイ” で…!?  お行儀がなってなかった…?
長男のデニーが誕生してから、父は弁護士になるために法律学校へ通い・・・
母は、実家のチャーチ家で家事をして暮らした (長男の育児は祖父母が…?)
 
(私たち兄妹は)子供の頃から、感情を見せてはいけないと教えられて育ったので
泣いたり痛がったりすることは許されなかった (馬から)落ちたら乗るだけ…?

我が家では男は強くあれ とされた 実際彼らはタフだった
そんな中 サムにだけは柔和で繊細な一面があった
そこが父や長兄のデニーと大きく違っていた
タフな男になれと育てられることは サムにしてみれば苦痛だった
自由に育っていれば、もっと感性を伸ばせたかも
サムはとにかく読書家だった…。

・・・と、新たな “サム・ペキンバー像” が見えてきたような気が致しますが…?
こうなると、やはり書物も読みたくなってしまう…? って、深入りし過ぎかな…? (汗)

音声解説もありましたので、楽しみに拝聴♪
いつものように…? ニック・レッドマンが司会進行で…?
ゲストが、ガーナー・シモンズ デイビッド・ウェドル ポール・セイダーの御三方。

セイダー談「サム曰く “本作は魂の救済と孤独の描写だ”」

そして、サムの女性観については、どなたの発言か失念しましたが… (汗)
“辛い目に遭っている女性を好奇の目で眺める感覚と 深い同情心が背中合わせになっている”

巧い表現だなぁ と感心してしまいましたので記してみました。

サムの父親像を確かめたくて… の鑑賞でしたけれど・・・
TV風の “殴り合い” ? 等に見られる或る種の “懐かしさ” も味わえて、良かったです。w

ランドルフ・スコット(ギル・ウェストラム) いかさま射的屋etc スティーヴとは旧知の仲
ジョエル・マクリー(スティーヴ・ジャッド) 元保安官
マリエット・ハートレイ(エルザ) 信心深い父を疎ましく思っている一人娘
ロン・スター(ヘック・ロングツリー) 街のチンピラ!?
エドガー・ブキャナン(トリヴァー判事) アル中!?
R・G・アームストロング(ジョシュア) エルザの父親
ウォーレン・オーツ(ヘンリー・ハモンド)
ジョン・アンダーソン(エルダー・ハモンド)
ジェームズ・ドルーリー(ビリー・ハモンド)
L・Q・ジョーンズ(シルバス・ハモンド)
ジョン・デイヴィス・チャンドラー(ジミー・ハモンド)
ジェニー・ジャクソン(ケイト) 娼館の女主人

脚本 N・B・ストーン・Jr
   ロバート・クレイトン・ウィリアムズ(クレジットなし)

監督・脚本 サム・ペキンバー

【覚書】妹さんの話の続きです…。 ↓ 伏字で…! (^_^ゝ

祖父母の家では “食物を得るだけの狩りしかしない” のがルールだった
マスを15匹程持ち帰ったサムは、それから一人でマス料理を食べ続けることに…!( ´艸`)
サムが士官学校に在学中、傾眠傾向がみられるようになり、甲状腺機能の異常と分かり薬を服用
サムが演劇に進むことは、父も兄も反対はしなかった 一緒に弁護士をしたかったようだが…?
サムは母の宝物だった
まず難産だった そして兄のデニーは祖父母が育てたので、(母は)サムと過ごす時間が多かった
母とサムは特別な絆で結ばれていたようだ
母の花壇はサムの美的感覚を養った
母の精神的な弱さも、サムの感性に影響したと思う
サムは “傷つく” という感情をよく理解していた
父は法曹界での仕事にとても満足していた
サムが芸術家肌なのは父の血でもあると思う
父の弁護振りは “劇的” そのものだった
(本作の)スティーヴと言う人物は父によく似ている “正義を守る実直な人間” というところ等…
信頼感や安心感を感じる
初期の頃の映画やTVの作品は、サムが最も得意とした、肌で知っている世界・・・
だから自信をもって脚本を書き、監督できたのだ と思う
父の死は衝撃だった もっと後年まで父が健在であれば、サムの生活も乱れなかったと思う
1984年の “ゴールデン・ブーツ賞” の時には、会場でサムが有名な事を知り、驚いた
サムは賞を受け取り、素晴らしいスピーチをしたけれど、その時にはすでに顔色が悪く…
半年後の12月に逝ってしまった

  ↑ ここまで 【覚書】でした。 長過ぎ…!(^_^ゝ

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