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ベルファスト(BELFAST) 2021 [は行の映画]

ベルファスト.jpg ケネス・ブラナー監督  自伝的ドラマ… ( ´艸`)

明日に向かって
笑え!

ジャンル ドラマ
製作国 イギリス
時間  98分

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「から騒ぎ」「オリエント急行殺人事件」のケネス・ブラナー監督が故郷ベルファストを舞台に、
自身の幼少期を投影して描いた自伝的ドラマ。
分断による暴力の嵐が吹き荒れる中、
それでも変わらぬ家族の愛に包まれて暮らす9歳の少年の目を通して、激動のベルファストと家族の絆を
ペーソスとユーモアを織り交ぜ郷愁あふれるモノクロ映像で描き出していく。
主人公の少年役は本作が映画デビューとなる新星ジュード・ヒル。
共演にカトリーナ・バルフ、ジュディ・デンチ、ジェイミー・ドーナン、キアラン・ハインズ。
                                   (allcinema より)
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2021年アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の脚本賞をダブル受賞♪
だから観ましたっ …ということでもないのですが? (;^_^A 実は “タイトル” に惹かれて…!? w

ベルファスト とは、都市の名だと、これを見るまで知りませんでしたっ (汗)  無知すぎて面目ない。

つい最近観た「イニシェリン島の精霊(2022)」にも “内戦に揺れる本土” という言葉が出て来て…!
アイルランドづいている?私なのですが…  理解が追い付いてないなぁ と自覚しておりまする。(苦笑)

1969年8月15日 北アイルランドの首都ベルファスト

冒頭から、観光名所巡りのような雰囲気で…! (^_-)-☆
タイタニックの造船所跡?の “タイタニック・ホテル” を始めとして…!
歴史的建造物 やユニークなオブジェ等々 素晴らしい景観に興味津々♪

予想外のことに? 期待感も高まる?というものですが・・・
カラフルな落書きの “壁” を越えると、そのままケネス・ブラナーの幼少期に突入し、モノクロームに。
(その後、カラーになるのは、スクリーンだったり、演劇の舞台だったり…!?  バディの “夢の世界” のみ)

そして…
9歳の少年バディの “地域に密着した” 和やかな暮らしぶりが楽し気に描かれていく中・・・

いきなり…? 地域住民たちの “反目” し合う姿が目に飛び込んできて…!? ( ̄ο ̄;
やがて、バディや家族を巻き込んでの大騒動となる…!!
(“暴動” を目の当たりにして、バディが感じたような “恐怖” を疑似体験することに…?(汗))

・・・街の各所にバリケードが設置され、プロテスタントの有志?が検問所を設けたりする。
(バディの親族は、昔馴染みの “転身ぶり” に、こぞってシニカルな見方を…!)

バディの家はプロテスタント。 
子どもたちは教会に行くように習慣づけられていて・・・
教会では、見るからに迫力ある牧師さんから “地獄” の話を滔々と聞かされる…!!

余談ですが・・・ 
監督の解説付きで観た時に…  日曜の教会での説教の “記憶” として、興味深い話がありました。

バディは子供心に? カソリックの方が楽そうに思える と。
(監督自らの “素直な思い” って事なのでしょうね…!? )

プロテスタントでは、常に “地獄の苦しみが待っている” と牧師が力説…!
(確かに!怪演でした! 監督は俳優ターロック・コンヴェリーの熱演を褒めていましたね… w)

「僕らに “神への畏れ” を文字通り植え付けた」と、ケネス・ブラナーは語る。

また…
「カトリックや他宗教の信者は面白がるかもね…?」
…と少し自嘲気味な物言いになったりしながらも…

「罪悪感や死後に起こる事への恐れで、若者が正しい行いをするよう仕向けているんだ
 同時に献金も ちゃっかり取ってる…! その両方がまかり通ってた」 …と続けます。( ´艸`)

そして…
「教会の教えは絶対的で恐ろしいものだけど… 神聖な教えにはお金も必要」
「その皮肉は子供にも わかった」…と。
(兄が、お金を入れていました! 私は監督の一連の言葉に、何となく腑に落ちた気が…?w)

教会のステンドグラスにはアーサー王が描かれ… “愛するものに永遠の眠りを” の文字が…!

閑話休題?

バディの… じいちゃん、ばあちゃんは、近所で暮らしていて・・・
バディや、兄ウィルの成長を、彼らなりの接し方で? ずっと見守ってきた…。

キアラン・ハインズ、ジュディ・デンチ それぞれ絶妙な “老け” 加減で…!? 魅せてくれますが…♪
キアラン・ハインズが鼻歌のように歌を歌い… ジュディ・デンチと組んでダンスする姿も…♪ ( ´艸`)

バディの母は、留守がちな夫の分まで頑張る!?
“ベルファストの労働者階級に属する母親” で… “よく笑い、すぐカッとなる、愛情あふれる” 人物。  
地元への愛も深く、誇りに思っている…!?
(“” 内は official website CAST & CHARACTER から一部を拝借 (汗))
母を演じるのはカトリーナ・バルフ・・・
お初の女優さんですが、夫婦喧嘩や…!?  夫と踊り狂う?シーン等 溌溂とした演技が魅力でしたね。 

監督曰く
「軍が派遣されるような状態になっても、ユーモアを忘れないのがベルファストの人々…!
 “楽しみ、楽しませる心意気”  …それを強調したかった。」
「シェイクスピアの台詞にある “死神を前にして馬鹿笑い”
 平和な生活が危険にさらされていても、機会が有れば逃さず楽しむ♪」

また…
バディの親族の女性(ヴァイオレット伯母さん)がバディの母との雑談で漏らした台詞が面白いです…!
「アイルランド人に必要なのは “電話とギネスと『ダニーボーイ』(の楽譜)”」

閑話休題?

・・・バディの父は、建設業に携わっている。(official website には 建具工 字幕には大工と…!)

仕事場はロンドン。 (腕の良さを高く評価されている趣旨の台詞がありました…)
たまに帰宅しては、バディたちを連れて映画を見に行ったり…  家族サービスを楽しみにしている♪

しかし、父には故郷を離れて居るからこそ強く感じる? “危機感” があった…!?
彼は或る時、子どもたちに向けて「近所からの頼まれごとは受けるな…  用心しろ!」と言う。

子供心に、生活が変わって行くのを感じたが・・・
バディや兄のウィルは… 周りに流されるように? 色んな “失敗” をしてしまうことになる…!? (爆)

・・・そんな中、じいちゃんが入院中に亡くなってしまう…!(穏やかで思慮深い祖父…)

ここで驚きなのが…!
葬儀の後に… 場所をライヴハウスのような店に移しての “賑やかパーティー” !?
父(ジェイミー・ドーナン)はスタンドマイクを握り、『Everlasting Love』を熱唱♪
母は… それに合わせてセクシーめなダンスを♪

閑話休題? 

老齢で足が不自由そうな祖母は一人になってしまうが・・・

父は仕事があるロンドンへの移住を真剣に考え…!
“故郷どっぷり” の母をどうにか説き伏せて…  “ベルファスト脱出” の方向に舵を切ることに…。
(バディ自身は、ベルファストを出るなんて絶対イヤ!! と泣いて抵抗…)

さて・・・?

「労働者階級のコミュニティは団結力がある…! 失うには大きすぎる」と監督…。

母は、捨てがたい故郷でも、お腹の子のために… 安心して暮らせる場所へ!と思ったようです。

映画「真昼の決闘(1952)」を見ながら、バディは “父と母の関係に似ている” と思ったり…!?
(監督の解説では、バディはフィクションを通して現実の問題を見ている…??w)

テックス・リッター(Tex Ritter) の歌う『ハイヌーン』が何度か流れます。
(その他、“チキチキバンバン” とか? 映画好きな少年の “ワクワク” 感が伝わるシーンがいくつも… ♪)

まぁ、騒然とした世の中ではあるものの・・・
バディ目線なので、それ程殺伐としたものにはならず…? ということで。

いよいよ、お別れ…! という時に、バディは憧れの?クラスメイトの女の子に挨拶に行きます。
プレゼント交換し、バイバイして… 悲しい気持ちになっているバディは父に訊ねます。

「僕はあの子といつか結婚できるかな? キャサリンはカソリックだけど…」

父は…
「できるさ」
「あの子がどんな宗教でも… 親切で公平で お互いを尊重するなら…
 あの子もその家族もいつだって大歓迎だ…」

それから… 冗談ぽく「俺たち “告解” しなくちゃな」と。

(“誰もが平等だ” と監督の声が…!?  “実現するのは難しいが100万回でも言う価値がある”  確かに!) 

ところでっ 
父さん役のジェイミー・ドーナンですが・・・
「マリー・アントワネット(2006)」や「フィフティ・シェイズ」シリーズも漏れなく観ていますが…
お初の俳優さんかな? なんて…? ヾ(- -;) ポリポリ。 (男優さんの顔も忘れがちな自分です…(爆))

official website CAST & CHARACTER によりますとっ
“有名ブランドで活躍する人気モデル” …上がり?と書かれていまして、改めて “吃驚”…!? (苦笑)

私めは今回… 彼の事を、ユニークな存在感だなぁ と思いつつ… も? 
何故か “シックリ” 来ないままで終始した感じがあり…?  一寸残念だったかな…  と。(汗)
ま、北アイルランド出身ということで “それらしさ” は見る人が見れば分かるのでしょうけれど…?w

ラスト・・・
“残った者たちと 去って行った者たちへ そして命を落とした者たちへ捧ぐ”

(ベルファストに生きた人々に敬意を表する  by ケネス・ブラナー監督)

殊更ケネス・ブラナーが好き というワケでもない私ですが、やはり観て良かったな と思います。
お蔭さまで…?
当時の空気を肌感覚で感じられたように思えますし、“紛争” が少し見えて来た… かも? (ウ^_^ソ) 

カトリーナ・バルフ(母さん)
ジュディ・デンチ(ばあちゃん)
ジェイミー・ドーナン(父さん) 建設業(建具工) 出稼ぎ
キアラン・ハインズ(じいちゃん) 炭鉱員だったためか? 老いて肺を病んでいる
コリン・モーガン(ビリー) プロテスタントの暴徒?の急先鋒
ジュード・ヒル(バディ) 9歳の主人公
ルイス・マカスキー(ウィル) バディの兄
ターロック・コンヴェリー(牧師さん)
ララ・マクドネル(モイラ) バディを悪の道に引きずり込もうとする悪ガキ!?( ´艸`) いとこ
オリーヴ・テナント(キャサリン) 憧れのクラスメイト カソリックの家庭の子
ジェラード・ホラン(マッキー伯父さん) 父の姉さんの連れ合い
ジョシー・ウォーカー(ヴァイオレット伯母さん) 父の姉さん

監督・脚本・製作 ケネス・ブラナー

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