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トリュフォーの思春期( L' ARGENT DE POCHE/ SMALL CHANGE) 1976 [た行の映画]

トリュフォーの思春期.jpg トリュフォーの子ども時代も…? ( ´艸`)

おとなじゃないし、子供じゃない そんな年頃をレモンエージと呼ぶのです! 
すっぱいよ。甘いよ。ちょっぴり危険だよ。でもレモンたちは幸福いきいき!

ジャンル 青春/ドラマ/コメディ
製作国フランス
時間  105分
映倫 PG12

L' ARGENT DE POCHE → 小遣い
SMALL CHANGE → 小銭

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フランス地方都市のとある小学校。
ある日、どこかワケありな印象の新入生ジュリアンがこの学校にやって来る。
思春期真っ只中のパトリックは、美容院を経営する友人の母のことで頭がいっぱい。
学校の先生のアパートでも、小さな子供たちが思いがけず突拍子なことをやってのけている。
外でも子供同士の出来事は絶えない。
そんな中、パトリックはついに一大決心し、恋焦がれる友人の母へ花束を渡した。
一方、ジュリアンは身体検査の時、傷だらけの体が露わになり、
親から虐待を受けていることが判明する…。
 
学校や家庭における子供たちの日常生活を、
F・トリュフォーがまるでスケッチするかのごとく点描した作品。
ストーリーらしきものは無いが、
その微笑ましい描写の数々は観ているだけで十分に楽しい。     (allcinema より)
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“ここがフランスのちょうど真ん中です”
・・・と書かれた土産物店から、一人の少女が絵はがきを手に出て来る。

店の前にある…  “ブリュエルアリシャン” の石の塔の所で・・・
少女は いとこの “ラウル” に宛てて、何やら絵はがきに書き込む。
「私はパパと旅行中です  いとこのマルチーヌより」
(クルマで待つパパは フランソワ・トリュフォー)

オープニング・クレジットは、大勢の子供たちが “ティエール市” の坂道を競い合いながら下って来る。
彼らは、手に手に大き目なカバンを持ったり、背負ったりしている。
やがて彼らは、学校へ…!

リシェ先生が授業で、“ブリュエルアリシャン” について、ラウルの絵はがきを掲げて説明を…!
「行ったことある人は?」に応えて、ローランが手をあげる。
「パパは理容師です… ここで理容師大会があって・・・」と、ちょっと照れ気味に…?
マチューは、手をあげたが、行ったことがあるわけでもなく…? 自分の住所を話し出したり…!?

そんな時に、リシェ先生のお腹の大きな奥さんが突然ノックして「鍵が無くて…!」と訴えて来る。
先生夫婦がお別れのキスをするのを、ドアの硝子越しに見ている子供たちは、クスクス笑い!?( ´艸`)

・・・歯切れ良く指導する女性教師の プチ先生
黒板に文字を書きながらも、遅刻して来た “フージュリー” の名を当てる…!?

モリエールの『守銭奴』を、課題に出し “暗唱” させるのだが・・・
昨日はお休みした…?というパトリック・デムソー(ジョリー・デムソー)は、その場で本を渡された。

個性あふれる彼らは、時には子供らしく? 時には、やる気なさそうに? それぞれなのだったが・・・

そんな時、リシェ先生に連れられて新入生のジュリアン(フィリップ・ゴールドマン)が入って来た。
ジュリアンは、着古したものを着、使い古しの鞄を持った… 一風変わった少年だった。
(後に校長先生が、内密に小声で言うには “問題児” !?  ( ̄ο ̄;)

一番 プチ先生に抵抗をみせていた少年(ルイヤール?)は、先生たちが居なくなると…?
「アルパゴンを演じてみせよう」
と、人気役者の声色で達者な “芸” を披露して、子どもたちの喝采を浴びる。

・・・新入生に興味を持ったパトリックは、密かに?ジュリアンを付けていく!?
ジュリアンの家は、町外れの工場地帯の一角にある… あばら家だった。

パトリックは、店に寄ってパン等を買ってから帰宅するのだが・・・
家には、車椅子生活の父が居て、一日を読書して過ごしているらしかった。
(パトリックは、父との暮らしに不満は無さそうで…  自然にサポートしている感じ…?)

小柄なリシャールが重そうに鞄を持って帰宅すると、お隣では・・・
リシェ先生とお腹の大きな奥さんが、せっせと室内装飾?をしているところだった。
先生は引っ越したばかり…? 床はゴミだらけの状態だった!?

・・・というような塩梅で…
沢山の生徒がいる中で、さりげなく一人一人にスポットを当てていく感じでしたね…!?

色々と “面白エピソード” が続きますが、そんな中で、私めが印象に残ったものを一つ。

親からもらった散髪代をカツアゲされて、その子たちにヘアカットされてしまった子が居て・・・
(それはリシャールなのですが…) 父親は怒って、理髪店に怒鳴り込みます…!? (爆)

理髪店の主人は、いわれがないものの、プロとしてのプライドが許さず無料で散髪を…!
当の本人は、鏡の前で… 涙を流すしかなかった…!? (:_;) 

金髪やら茶髪やら、柔らかそうなヘアの可愛い子だらけなのですが…  この子の涙は別格だったかも?

おちゃらけ?ばかりではない…! というのが凄いな と思うところなのですが・・・
終盤になって、リシェ先生の身重の妻が、いよいよお産…! となります。
周辺の人々のあたたかなフォローも心和むことなのでしたが・・・

出産に立ち会ったリシェ先生は、カメラを構えたけれど…!  感激でそれどころじゃない!?(微笑)

その “感激” が基になり…?
また、その後に起こった “ジュリアン” の問題!? …にも心を動かされたリシェ先生が・・・
これから夏休みに入る という子どもたちに向って熱く語る! という場面がありました。

これが… 意外性もあって…? 思いがけずの “胸熱” となってしまったのですけれど…。(汗)

「ジュリアン程ではないが 先生も不幸だった…」「早く大人になりたくて仕方なかった!」
「子どもには自由がない」「・・・」
「子どもは不幸を親や大人のせいには出来ない」「・・・」
「実は先生は学校が大嫌いだった… だから学校が好きになれる仕事を選んだんだ 教師の仕事を」
「生きることは苦しい」「・・・」
「子ども時代に苦しんだものほど 生命力に恵まれる 幸福にも恵まれる」
「生きるのは辛いが 人生は美しい」
「生きている歓びは 健康な時にはわかりにくい」
「身体が動かなくなった時に 初めてわかる」
「夏休みを有意義に…!」
「(様々な人生経験を経て) 子供を愛する親になれ! 子供を愛する親は 子供にも愛されるはずだ」

フランソワ・トリュフォーご自身の “魂の叫び” なのかな? と。

その後は、サマースクール(男女共学の林間学校)の楽しい雰囲気に…♪
これまで男女別々だった子供たちだが、9月からは上級に、また春からは共学になるという…。

サマースクールは思春期の前哨戦? ( ´艸`)

年上のご婦人(同級生ローランの母)への恋心があっけなく “無” に帰してしまったパトリックは
冒頭の女の子マルチーヌとアイコンタクトを…!?

やがて、食堂内の皆が大注目の中…!?  
(実際は人気のない階段で…!) 二人は、好い感じでキス♪

ラストは、子どもたちが笑顔で大集合!?\(^_^)/
(うごめく?様子は、彼らの底知れぬパワーを感じさせるようで?脅威だったり… (ウ^_^ソ) )

“問題児” ? 新入生のジュリアンが、一手に “ダーク” な部分を担っていた感じが致しますが…?
綺麗ごとだけじゃ済まない…  ところも “苦労人” の監督らしいな と思ったりしました。

ともかく…
すっかり忘れていた “子どもアルアル?” を沢山見られましたし…!?
楽しい映画であることは間違いないです♪ (^_-)-☆ “思春期” ではなかったですが…?(爆)

チャプター(参考までに)
1.絵はがき
2.授業
3.新入生
4.休み時間
5.いたずらっ子
6.退屈な日曜日
7.「おなかがすいた!」
8.映画館潜入
9.教師の悩み
10.いんちき理容師
11.「女の子を誘おう」
12.赤ちゃん誕生
13.ジュリアンの秘密
14.不当な仕打ち
15.初めてのキス
16.エンド・クレジット

ジョリー・デムソー(パトリック・デムソー) 父は車椅子生活 ローランの母に恋心? 最後にキス?
フィリップ・ゴールドマン(ジュリアン・ルクルー) 新入生 工場地帯(ミュロー)のあばら家に住む
リシャール・ゴルフィエ お隣にリシェ先生が引っ越して来た オートバイに詳しい?
シルヴィー・グレゼル 「おなかすいた!」女の子 警察署長の娘
パスカル・ブリュション(マルチーヌ) いとこのラウルに絵はがきを書く子 パトリックとキスを

フランク・ドリュカ(クローディオ) 
ローラン・ドヴラマンク 理髪店の子?
ブリュノ・スターブ 身体も大きいが、心も “ませた” 少年?
コリンヌ・ブーカール 映画館でダブルデートした、大人びた?女の子 
セバスチャン・マルク 口笛吹きの赤ちゃん?
グレゴリー坊や 10階から落下して無傷という奇跡の坊や「ドシンしちゃった(ブン)」の名台詞

ジャン=フランソワ・ステヴナン(リシェ先生) 妻が身重
シャンタル・メルシエ(プチ先生) 女性教師
マルセル・ベルベール(校長先生)

エヴァ・トリュフォー(パトリシア) パトリックが誘われて映画のダブルデートをした時の女の子の一人
ローラ・トリュフォー(マドレーヌ・ドワネル) 人気芸人 “口笛吹のオスカル” の母役?
(お二人ともトリュフォー監督のお嬢さんだそう…!)

脚本 シュザンヌ・シフマン
監督・脚本・製作 フランソワ・トリュフォー

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