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突然炎のごとく(JULES ET JIM /JULES AND JIM) 1961 [た行の映画]

突然炎のごとく.jpg フランソワ・トリュフォー鑑賞 3作目 ( ´艸`)

むなしい祈りと知りつゝ、すべてを与え尽くす真実の愛!

ジャンル ドラマ/ロマンス
製作国 フランス
時間  107分

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ルビッチ映画を愛したトリュフォー描く恋愛もまた三角関係が多かったが、
後に撮る女2対男1の「恋のエチュード」と並んで、この、一人の女を二人の男が、
三人での友情と育みながらも争う本篇がその白眉だろう。
奇しくも原作者は同じH・P・ロシェ。トリュフォーは彼の熱烈な愛読者だったのだ。

モンパルナスで出会ったジムとジュール。
文学青年同士の二人はやがて無二の親友となり、
美しい娘カトリーヌと知りあった時も共に彼女に惹かれてしまう。
だが熱烈にアタックしたのはジュールであった。
彼はカトリーヌと結婚し、祖国に連れ帰る。
だが、第一次大戦後、久方ぶりにライン河畔の夫妻の家を訪ねたジムは、
ジュールからカトリーヌと一緒になって欲しいと請われるのだが……。
ややクラシカルな設定にいささかの懐古趣味も匂わせず、
奔放なモローの魅力に引きずられるように躍動するカメラ、音楽……。
心からの自由=愛を希求し、謳歌する三人の姿は正直、眩しすぎる。(allcinema より)
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フランソワ・トリュフォー監督作品は、気になってはいても何故かスルーしてきた自分です。
という枕詞?も、そろそろ打ち止めにしないとな~ と思いつつ…。(^_^ゝ

劇場で購入したパンフレット『François Truffaut』の影響も大きかったと思うのですが…!? (汗)
トリュフォーを何とかものにしたい…! と思う気持ちは下火にならず? そこそこ持続中です…?w

ところでっ
本作を劇場鑑賞した際には、ジャンヌ・モロー演ずるカトリーヌの奔放さに戸惑い…!?(¬、¬;
誰の気持ちにも寄り添う事が叶わぬまま…!? 衝撃のラストに “突入” してしまった感アリなのですが…
はたして、今回のDVD鑑賞ではどんな感想を持つのか…? f^_^; 楽しみでもありました…?w

突然 余談ですが…?
なんと! ここで  “エルンスト・ルビッチ” に突き当たってしまいましたっ (笑)
(トリュフォーが “ルビッチ映画を愛した” とは…!?  私めは初耳かも…?)

調べて見ますとっ
ルビッチ監督の作品群の中に、ガルボ見たさに購入した「ニノチカ(1939)」が…! (^_-)-☆
思わず食いつく私… (笑) またもや、引っ張り出して見入ってしまいましたっ  まじで面白い♪

もう一つ、これもまた本作には関係ないのですが… 「ウィンダミア夫人の扇(1925)」も発見…!
これって、以前に観たスカーレット・ヨハンソンの「理想の女(ひと)(2004)」と同原作なのです。
大好きだったので、是非ルビッチ監督作も拝見せねばっ ( ´艸`) 

・・・と、だいぶ横道に逸れてしまいましたが… w 
何故こんなにも前置きが長くなってしまうのかと申しますと…?
本作のラストが、あまりにも後味の良くない? 暗い印象のものだから…!?  かも…?(大汗)

後先でナンですが、ラストシーンの “ジュールの気持ち” を記しておきたいと思います。
(男声のナレーションですが…)

“ジュールは重荷を下ろした気持ちだった
 ジュールとジムの友情は絶対だった
 つまらぬことに喜び
 お互いの違いを認め合った
 ドン・キホーテとサンチョ・パンサのように”

“混ぜて一つにしてやりたかった”
“灰は風に撒いて欲しい という彼女の願いは許可されなかった”

冒頭…
カトリーヌ役のジャンヌ・モローの声で、強い感じのナレーションが…!

「愛している  と男は言った
 待って と女は言った
 抱いて と女は言いかけた
 うるさい と男は言った」

オープニング・クレジットは、予想外に賑々しい音楽…♪
(コメディタッチ?(爆) 映像にもそんな動きが…!?)

1912年頃… 
外国人のジュール(オスカー・ウェルナー)は、パリでジム(アンリ・セール)と知り合った。

たちまち親しくなり…! お互いの国語と文学を教え合い、自作の詩を翻訳し合った。
二人は金銭に無頓着だったが… お互いに真剣に話し合い、熱心に聞いた。

街へ出た二人は、テレーズ(マリー・デュボワ)という風変わりで可笑しげな娘と知り合い・・・
「今晩泊めて」と言われて、ジュールがその子を家に連れて帰ることに…。

ジムはと言うと、恋人のジルベルト(ヴァンナ・ウルビーノ)に会いに行くものの… 
ジムは “僕の主義” ということで? ジルベルトにせがまれても、泊まらずに帰宅する…!?

テレーズと連れ立って、三人でカフェに行くことがあった折・・・
男二人で熱心に話し込んでいるうちに、彼女は新しい “男” を見つけてそのまま居なくなる。

「女は沢山いる」とジムが慰めると… 「パリでは女に恵まれない…」とジュール。

そんなジュールの案内で、アルベール(ボリス・バシアク)という “仲間” の家を訪ねてみる…。

アルベールは、女性と一緒に暮らして居て… 二人が行くと “幻燈” を準備して、見せてくれた。
彼が撮り溜めた “石像のコレクション” だった。

その中の “静かにほほ笑む” 女神像に、ジュールとジムは二人して心を奪われた!?
アルベールが言うには 「これは大好きだ 唇が美しい… 傲慢な感じで… 目も非常に美しい」

アドリア海の島に在るという、その女神像に会うために、二人は旅をした。
実際の彫像は期待以上の素晴らしさだった。

「こんな微笑に出会ったことがない… 出会ったら付いていくだけだ!」
“啓示に満たされ”  二人はパリに戻った。

・・・スポーツクラブで汗を流すジュールとジム

ジムは、自伝的な小説を書いている と言う。(内容は、女遍歴を “おとぎ話” 風に書いたもの…?)
ジュールはその一節を読み聞かせてもらうと…
「僕の手でドイツ語に翻訳したい」 と言うのだった。

その後ジュールは・・・
「従兄からの手紙では、ミュンヘンから三人の娘がやって来る…」 と、言い出した。
「ドイツ娘、オランダ娘、フランス娘が明日 僕の家に食事に来る… 君も来てくれるね?」と。

フランス娘のカトリーヌ(ジャンヌ・モロー)の目鼻立ちは、そのまま “祭礼の女神の化身” だった!?

ジュールは夢のようで…! 知らず知らずのうちに “幸福な微笑” が浮かんでしまうのだった。
それから一月の間… ジュールはカトリーヌと会っていた。

体育館で久々にジムと再会したジュールは、「カトリーヌに会いに来てくれ」と言いながら・・・
「手は出すなよ」とも言う…!

さて・・・?

長いスパンで起こった出来事を、サクサクと展開させていくので・・・
どうしても取り付く島もない感じになる…? 受け取る側としては…! (>_<)
分かる人にはわかる映画なのかなぁ (´0`) 私のような盆暗ちゃんには無理でも…! なんてね。w

そう思っていたのですけれども…!
何度か観ているうちに、これもまた愛着が沸いてきて…!?  f^_^; 手放し難くなってきました。w

好ましく思えなかった “カトリーヌの奔放さ” の裏にあるものが気になって来たりしました。
それも、取りも直さず、ジャンヌ・モローの熱演に魅了されてしまったからに他なりませぬ。
なんか… 素晴らしい♪ としか言葉が出ない感じ…!? (汗) 魂で演じているのか!? 凄過ぎ…!

若くて綺麗だし、スレンダーでカッコ良いし♪
なにより、凛としているし…  “迫力” がまた佳し♪

閑話休題?

・・・第一次世界大戦中は、敵と味方に分かれて戦った二人…。

戦後、ジムはジュールの山荘へ招待される。

ジュールとカトリーヌ そして6歳になる娘のサビーヌが暮らしていたが・・・
ジムが観たところ、カトリーヌは以前より落ち着いた印象だった…!?

しかし、ジュールが告白するには・・・

「自分はもう不必要な男だ 彼女はいつもイライラしている
 彼女には恋人が3人いた (6ヶ月も家を空けた事もあった…?)
 今はアルベールだ…! (二人にカトリーヌと引き合わせる切っ掛けをもたらした人物…?)
 彼は、戦傷を負って、休養の為に隣の村に住んでいるのだが
 カトリーヌが彼を励まし、希望を与えた…
 アルベールは男らしく… “娘を引き取りカトリーヌと結婚したい” と明かしてくれた…」

ジュールは「僕は誰も恨まない…  諦めている」と。

「彼女は離れないさ  彼女には君が必要だ」とジムが率直に言うと…

「普段は優しいのに 自分が無視されると急に怒り狂い 恐ろしい女になる
 発作を起こして 極端から極端に走る…!」と、ジュールは口調を強めて言うのだった。

ジムは思う… カトリーヌは潔癖なのだ… と。
ジムは彼女を悪く思えなかった。

ジュールの…
「彼女を失うのが恐ろしい 彼女を愛しているなら結婚してくれ 遠慮はいらない」

と言う言葉を受けたジムは… (満を持して?) カトリーヌと結ばれることに…。
(“もはや彼には他の女は存在しなかった” とナレーションが…! (¬、¬;)

・・・と、こんなことから
谷間の村では山荘の三人を “三狂人” と揶揄した! …という “愛の暮らし” が始まるわけです。

4人で過ごすシーンは明るく、楽し気に描かれて… 観ているこちらも和みます。
全編モノクロームなのに、色彩に溢れているように感じてしまう…? 不思議さ♪

・・・幸福は知らぬ間にすり切れる (ナレーション)

ジムは、新聞の仕事が来て、パリへ戻ることに…!(山荘滞在1ヶ月)

パリに戻ったジムは、恋人のジルベルトのベッドの中で、彼女に別れを告げます。
(ジルベルトには非情な仕打ちなのに、ジムは その辺り… しれっと単刀直入に言っちゃうのですよね~)

・・・その後の紆余曲折は言わずもがな…?(汗)

最後に…
二人の男の本音が如実に表れているのでは…? と思われる “言葉” を記しておきたいと思います。

ジュールの言葉
「率直に言おう
 彼女は特に美しくない
 聡明でも 誠実でもない
 だが女そのものだ
 僕らが求める女
 全ての男が夢みる女だ
 そんな貴重な女が なぜ僕等に授けられたか?
 僕らが彼女を女王のように迎えたからだ」

ジムの言葉
「僕はパリに残ろうと思った
 友情も苦しい
 僕は君を嫉妬するが 僕を嫉妬しない君が憎い…」

何はともあれ… 一番の “衝撃” と “魅惑” はジャンヌ・モローでしたね。
終盤は、畳み掛けるように? カトリーヌの “見せ場” が続き、まじでドキドキが止まらない…!(¬、¬;

“その時しか愛せない” と言い切ってしまうカトリーヌは、女神像のように “傲慢” に映りました。
でも、“真実” とトリュフォーが言うのなら、そんな “愛の形” もアリなのでしょう…。

索引(チャプター 参考までに)
1.ジュールとジム
2.彫像によく似た女
3.カトリーヌの変装
4.結婚の約束
5.カトリーヌの抗議
6.世界大戦
7.戦後、友との再会
8.ジュールとカトリーヌの不和
9.“つむじ風”
10.ジムとカトリーヌ
11.完全な調和の時
12.揺れるカトリーヌ
13.別れ・手紙・すれ違い
14.再会
15.友情と愛情の結末

『つむじ風(Le Tourbillon)』は、撮影中にボリス・バシアクがモローのために遊びで作ったそう…!
                                  (Wikipedia 情報です)
バシアクのギターで、ジャンヌ・モローが得々と歌う姿は幸せそうでしたね。
なにせ自分に夢中な男三人に囲まれてましたから…!
愛娘も居ることですし…! 一番のピークだったのかも…?

ジャンヌ・モロー(カトリーヌ) ?
オスカー・ウェルナー(ジュール) 資産家?
アンリ・セール(ジム) 文筆家?
マリー・デュボワ(テレーズ) 風変わりな街娘 回顧録を執筆? 後に作家となる?
サビーヌ・オードパン(サビーヌ) カトリーヌとジュールの子?
ヴァンナ・ウルビーノ(ジルベルト) ジムの恋人
ボリス・バシアク(アルベール) カトリーヌの愛人 ギター弾き 歌手
ミシェル・シュボール ナレーション

原作 アンリ=ピエール・ロシェ 『Jules et Jim』

脚本 ジャン・グリュオー

監督・脚本 フランソワ・トリュフォー

蛇足ですが、トリュフォーの言葉も…! (official website Program より)
「『突然炎のごとく』は生と死への賛歌であり、カップル以外にはいかなる愛の組み合わせも
 不可能であることを歓びと哀しみを通じて表明した作品である」(トリュフォー)

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