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海を飛ぶ夢( MAR ADENTRO /THE SEA INSIDE)  2004 [あ行の映画]

海を飛ぶ夢.jpg スペイン女優ベレン・ルエダの映画デビュー作… ( ´艸`)

約束しよう。
自由になった魂で、
きっとあなたを抱きしめる。

ジャンル ドラマ
製作国 スペイン
時間  125分
映倫 PG-12

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事故で四肢麻痺となった主人公が、法律では認められていない尊厳死を求めて闘いを
繰り広げる姿を通して、生とは何かを問いかけていくヒューマン・ドラマ。
尊厳死を望んだ実在の人物ラモン・サンペドロの手記を基に
「アザーズ」のアレハンドロ・アメナーバル監督が映画化。
主演は「夜になるまえに」のハビエル・バルデム。
アカデミー賞外国語映画賞をはじめ数々の映画賞を受賞。     (allcinema より)
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ベレン・ルエダ(Belen Rueda)は・・・(Wikipedia や “特典” のプロフィールによりますと…)
モデルとして活躍後、TV番組司会者からスタート…!?
シリーズもののTVドラマを経て、舞台女優へと活躍の場を広げ…!?
39歳?本作で映画デビューとなったようです。(1965年3月16日 “西班牙” マドリード生まれ)

そして、アレハンドロ・アメナーバル監督ですが・・・
「オープン・ユア・アイズ(1997)」「バニラ・スカイ(2001)(原案)」「アザーズ(2001)」と…
観た記憶があるのですが、なんと記録はナシ…!? orz  備忘録なのに~ orz

ってことで、気分も新たに?鑑賞致しましたが… f^_^; 監督の “解説(字幕で)” 付きも拝見…!
重いテーマの “実話” をどう描くのか…  非常に興味をそそられました。

監督が、ラモン・サンペドロを知る切っ掛けとなったのは、TVの “ドキュメンタリー番組” …
それを見て彼に興味を持ち、「手記」を読むに至ったそうです。

映画化に当たり… そのままを描いても “ドキュメンタリー” になってしまう というので…!? (苦笑)
数人いたラモンの “恋人” を一人の “フリア” に集約してみたり…  とか?
また、家族一人一人の気持ちを描写することで、厚みを増す効果を狙ったり…  とか…?

ラモンの物語を忠実に描くにせよ、事実と脚色を綯い交ぜにすることになるわけですが・・・
その点、遺族の反応は好意的だった… とか 何とか…。(;^_^A

因みに、皆に好かれるラモンには医師の友人も居たそうで・・・
もっと楽に逝ける方法も有ったが、友への “とばっちり” を危惧して “青酸カリ” にした…  とか…!?
・・・というような、ネタバレ以前の無粋な “余談” はこれくらいにして…!と。(^^ゞ

冒頭は、暗闇から… 四角い枠が出現…!?  
その中は眩い海と白い砂浜に…! (女声のナレーションに誘われる感じ…? 少年期の追憶か?)

やがて、窓に広がるのは… 荒れ模様の… 二月のガリシア地方の景色となる。
そこはラモン(ハビエル・バルデム) が一日中過ごす部屋。(ワケ有って車椅子は使わない主義…!?)

“尊厳死を支援する団体” から来ているジェネは、ラモンの “洒落た” 会話に付き合った後に退室…。
(彼女は急いで、海までクルマを走らせる。)

オープニング・クレジット & タイトルコール

波止場には、ラモンを支援するという弁護士事務所からやって来た二人の弁護士が待っていた。
最初に挨拶したマルクは “記録担当” として、フリア(ベレン・ルエダ)に同行したのだと言う。

車中で、ジェネはフリアに “秘密厳守” と釘を刺し・・・
フリアは「最善を尽くすわ… 信じて…! 私はラモンを理解してる」と。

その時、脚の悪そうなフリアは「この案件は私にも大きな意味があるの…」と意味深な発言を…。

(初対面のジェネとマルクは、その後恋愛に発展…!?  目出度く結ばれて、子まで生すことになります… )

・・・20数年前に起きた不幸な事故で四肢麻痺となったラモンが横たわる、古びた石造りの家…。

そこには兄のホセ、その妻のマヌエラ、一人息子のハビ…
そして、老いたりと言えども?まだまだ身体の利く… 父のホアキンが暮らし・・・
家族で協力し合って、ラモンを支えながら… “ラモン中心” の毎日を送っていた。
(母亡き後は、義姉のマヌエラが献身的に彼の身の回りのお世話を…)

(尊厳死を認めてもらうための…) ラモンの裁判に向けて、彼の事を詳しく知りたいと言うフリアは
暫くの間、泊めてもらうことになっていた。(フリアからマヌエラに金一封が…!マヌエラは恐縮… )

フリア達は、家族の気持ちを確かめようと、ラモンの兄ホセに質問をぶつけてみるのだが・・・
ホセは「他人の意見は知らんが… 弟の考えは間違っていると思う…!」と、苦々しげに…?

甥っ子のハビは、唯一の  “若い感覚” と、頼られており…!? (PCや、もの創りが得意…!?)
大好きな叔父 “ラモン” のために文字通り “手足となり!”、より良い “環境造り” の手助けを…!

(マヌエラはフリアから訊かれて… 「彼は死を望んでいる…  大事なのは彼の願い」と答えている)

・・・ラモンの父ホアキンの案内で… 
フリアたちは、20数年前の事故現場となった磯を訪れてみる…。

“1968年8月23日、25歳の彼は岩場から引き潮の海へダイブした際に海底で頭部を強打、
 首から下が完全に麻痺してしまう。”              (allcinema より)

老父は…
「誰であっても神がお望みになる限り “生” を全うせねば…」と言い、“尊厳死” は聞いていない と。

一方・・・
食品加工場?に務める、シングルマザー(二人目の子は私生児…?) のロサは・・・  
TVで偶然見かけた…!? ドキュメンタリー番組の “ラモン・サンペドロ” に衝撃を受けていた…!

“使命感” のようなものを感じた?ロサは…
自転車で探し…!?  わざわざ家を訪ねて、ラモンとの面会を求めるのだった。

さて・・・?

強引に押し掛けた! 感の有るロサでしたが・・・
週2は “ラジオ ボイロ” の (素人) DJ をやっている と言うと…
ラモンは、聴いている…  と言って、二人はイイ感じになりかけた…!?
 
までは良かったのですが・・・
ロサから批判めいた言葉が出ると、ラモンは急に態度を硬化…!
彼女も気付いていないような “心理” をズバズバと指摘して!? 追い返すような事態に…。
(しかし、運命の出会いとなった事は間違いない…!(汗))

ラモンは、気の遠くなるような長い時間(28年間)をベッドに釘付け状態でしたが・・・ 
自由になる首から上はフル活動…!? (あくまで映画の中で調子の良い時に見られる事ですけれど…)

気分良く喋らせたら…? 気の利いたユーモアを交えて…♪ 
怒らせたら…?  (誰に対しても) 理路整然と反撃…! という感じで、能弁な印象でしたね。
(説教しにやって来た、同じ境遇のフランシスコ神父にも “痛烈な教会批判” を繰り出して! 快哉♪)

そして… 邦題のように…? 
空想の世界では “窓から飛び出して飛行する” ことも…!?(その迫力と爽快感?は言わずもがな?w)

窓外に目をやって空想の世界へ入って行く時のラモンの表情が何とも言えません。(微笑)
いつの間にか手指が動いていき、身体が自由になる!? 一連の動作は感動的ともいえる… かも? (汗)

はたまた、口でくわえたペンで詩等を記述することもありました…。
(以前からマヌエラが保管していたラモンの “書き物” を、フリアに見せると…  出来栄えに驚嘆…!)

いつもは、クラシック等を聴きながら、豊かな時間を過ごしている様に見受けられましたが…。
(何故 “尊厳死” に行き着くのか…? 沢山のラモンの台詞を聞いても、理解するには至らぬ私めでした…)

ところで…
ラモンの家に滞在中に、発作を起こして倒れたフリアなのですが・・・
持病の “脳血管性痴呆症” が徐々に進行…!? 
ジェネには「“尊厳死の会” に入るわ」と言う程に…。

初対面の時から、フリアに何かを感じていたラモンは、彼女を愛の対象として見ていた以外に…?
“同志” としての存在として、特別な思いを抱いていたようなのですが・・・

2回目の さて・・・? (ウ^_^ソ)

その後…
押し掛け女房のように?ラモンの元を訪ねては世話を焼きたがるロサとマヌエラとの “バトル” !?
等々 ありながら・・・(笑)

ラモンは、屈辱的な思いを強いられる と、嫌っていた “車椅子” に乗って裁判所へ行くことに…!
(車椅子の改造シーンでは、祖父と孫とが活き活きと作業する姿が描かれ、和みのひと時でした…)

結果的には “却下” されたものの… ラモンは何故か余裕の表情…!? 
要は、ラモンの決意は固く…!  ということでしょうか?

・・・フリアの尽力で、ラモンの本(詩集)が上梓される事となり…!

やがて、1冊の立派な装丁の本がラモンの元に届けられるのですけれど・・・
それに挟み込まれていたものを読んだラモンは酷く落胆致します。
(フリアからの手紙に何が書かれていたのかは明らかにされず仕舞いでしたが…)

再度、ロサが姿を見せた時・・・
ラモンは心を決めた…!
(“本当に愛してくれる人は僕を死なせてくれる人” というラモンの言葉を理解した とロサは言う…)

その後、ラモンは海辺の街… ボイロに移り、ロサの介護を受けながら5か月を過ごすことに…。

“決行の瞬間” は、結構リアルな表現で… 衝撃的ではありましたね…。(大汗)
(当時35歳というハビエル・バルデムが55歳の役を演じたわけですが…  ともかく演技巧過ぎでしたっ)

幕切れは…
趣がガラリと変わり… 明るい海の風景が美しかったのですが・・・

総じて…
“生と死” の物語を、様々なシチュエーションを示して…!? 優しさで纏めた? 感じでしょうか?(爆)
と、安易に纏めてみましたっ ヾ(- -;) “尊厳死” を理解できないもので…!

死を望む人も居れば・・・
フリアのように?死を望んでも “自然死” を余儀なくされる病状の人も居る…!?
そして、砂浜ではマルクとジェネの間に生まれた子がすくすくと育っている…!

ラスト 海が映し出され・・・
ハビエル・バルデムの声でラモンの詩の一節が朗読されます。 『裡なる海へ』

ベレン・ルエダは、太陽光に年輪が露になっても…!? (爆)  美しさは変わらず…!(^_-)-☆
最後には、病に支配されて…! 記憶も曖昧になってしまう女性を、儚げな風情で好演していました♪

キーパーソンとなるロサ役のロラ・ドゥエニャスですが・・・
貧しく薄幸な若い母親を、熱く? 魅力的に演じて好感が持てましたね。

しかし、何より心惹かれたのは…!
地味ながら凛とした佇まいのマヌエラを演じた マベル・リベラの “渋い演技” でしょうか?
只の田舎のおばちゃん と侮ることなかれ…! f^_^;
 
神父様をバサッと切り捨てた時の小気味よさ♪
「・・・ひとつだけわかる! あなたはやかましいわ」
予想外の彼女の “お言葉” に… \(^_^)/ やったね!と。

神父様はTVで「家族に愛がない」と侮辱し・・・
マヌエラは本人相手に、見事に言い返して…! 立派でした。

最後に…
印象的な台詞や文言を記しておきたいと思うのですが…。

ジェネは言う「私たちは “自由” を守るの」「生きる自由 死ぬ自由 この二つは違う」

病床のフリアに宛てたラモンの手紙・・・
「依存する生き方はプライバシーを犠牲にする…
 でも何とか うまく対処し 僕の “王国” を守るよ」

父ホアキンの本音「息子に死なれるだけでも辛いのに… 本人が死を望むとは…」

(まだまだ限りなくありそうですが、すでに長くなり過ぎたので、このへんで… (^_^ゝ)

チャプター(参考までに)
1.思い描いた場所
2.“なぜ死を選ぶの?”
3.“黒い影”
4.自信家
5.人生を変えた日
6.海を飛ぶ夢
7.フリアの病
8.大事な話
9.フランシスコ神父
10.最高のプレゼント
11.フリアの想い
12.法廷
13.小包
14.旅立ち
15.尊厳ある死
16.裡(うち)なる海へ

ハビエル・バルデム(ラモン・サンペドロ) 四肢麻痺 元船乗り
ベレン・ルエダ(フリア) 弁護士 ラモンに賛同し無料で裁判を請け負う 徐々に難病を発症
ロラ・ドゥエニャス(ロサ) ラモンの支援者? シングルマザー 素人ラジオDJ で工員から介護士に
クララ・セグラ(ジェネ) 尊厳死を支援する団体に所属 弁護士のマルクと結ばれる
マベル・リベラ(マヌエラ) ラモンの義姉 長年ラモンのお世話をしている
セルソ・ブガーリョ(ホセ) ラモンの兄 元漁師で今は農夫 尊厳死には反対の立場
タマル・ノバス(ハビ) ラモンの甥 ホセとマヌエラの一人息子
ジョアン・ダルマウ(ホアキン) 老爺 ラモンの父
フランセスク・ガリード(マルク) 弁護士 ラモンについての記録を担当 ジェネと結婚
Jose Maria Pou(フランシスコ神父) 尊厳死は認めない 生きる努力を! と言う自身も車椅子の人

監督・脚本・製作・音楽・編集 アレハンドロ・アメナーバル

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