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天上の花 2022 [た行の映画]

天上の花.jpg 萩原朔太郎の末妹がヒロイン…?( ´艸`)

あなたがどんな詩を書いたって、
日本は戦争に負ける…

ジャンル ドラマ
製作国 日本
時間  125分

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萩原朔太郎の娘である萩原葉子の小説『天上の花 ―三好達治抄―』を
東出昌大と入山法子の主演で映画化した愛憎ドラマ。
共演は浦沢直樹、有森也実、吹越満。
監督は「アジアの純真」「いぬむこいり」の片嶋一貴。

詩人の三好達治は師と仰ぐ萩原朔太郎の妹・慶子に心奪われ、
一度は婚約するもすぐに破談となり、その後16年にわたって思い続けた末、
慶子が夫と死別したのを機に自分も妻子と離縁し、ついに一緒になる。
そんな三好が結局は奔放な慶子に翻弄されてしまう愛憎の行方を、
戦争という時代との関りとともに描き出す。     (allcinema より)
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萩原朔太郎については、お名前だけは… という程度の私・・・ 作品も未読(多分?)です。
と言いつつ、俳句にはちゃっかりお名前を拝借したりして、お世話になっておりまする。w
(個人的にうっすらと接点も? というのは別の機会に記す事と致しまして…  ( ´艸`))

本作は、萩原朔太郎もですが、あの時代の文壇の… 後に名を遺す方々のお名前が綺羅星のごとく…!?
という感じで出て来るので、何だかワクワクしてしまいましたね。(作品を知っていれば尚の事…?w)

残念ながら、三好達治も “お名前だけは…” の口でしたので… (^_^ゝ
東出昌大が演ずるって!?  …と、ミーハーな興味で見てしまった訳ですが・・・
う~むむ 濃厚と言うのか? こんなエグイものとはっ  と、心乱される思いに驚く程でしたっ

舌足らずな?甘い物言いと、鋭い眼光の面構えとのギャップ・・・
それは素なのか? それとも考え抜いての役作り? ?(・_・?) ハテ?
いずれにしましても、彼なりの三好達治像を強烈に印象付けた事は間違いない…!

そして、それ以上の誉れ?は… 彼に愛されてしまった “美貌の女” を演じた入山法子でしょうか…!?
入山法子って、モデルさんかな?  それこそ “お顔だけは…” という程度の私でしたが…。ポリポリ。

(TVドラマは基本 見ないので… (汗) 例外は “青天を衝け” と “鎌倉殿” … “どうする” は中途で挫折 orz) 

閑話休題?

「新たな境地を切り拓く」と  “official website” にもありましたけれど・・・
入山法子と、この役との出会いは必然だったのでは…? と思われる程シックリくるものでしたね。

ところで…
小説については、こちら「天上の花」に詳細が載っておりまして、成程!と合点がいったのですが…。

“「天上の花」とは、一般的に仏教用語で曼珠沙華、彼岸花のことをさすが、
  三好達治は、その詩のなかで、辛夷の花にその名をつけている。”  (official website より)

本作は…
原作者が幼少より親しく接し、恩義も感じていた “詩人” 三好達治の為人を静謐なタッチで描くと共に…
妻(叔母)から見た “詩人” の、男としての?一面(例えばDV)を赤裸々に…! というものでした。

時間軸が前後することもあり…  何故?と理解し難かった事も…?
終盤になって、畳み掛けるように…  懇切丁寧な描写で詳らかにされたりして… 大いに納得…!
また、その一方で… ちょっと回りくどかったかな?と思わぬでもなかったり…?(苦笑)

冒頭は、越前三国の駅… 
鄙(ひな)には場違いな風情の慶子(入山法子)が降り立つ。
東京に空襲が迫りくる中で… この地に別荘を借りた三好達治(東出昌大)が、彼女を招いたのだった。

迎えに来た三好達治と共に、長い道のりを歩いて、“二人の新居” に着いた慶子は・・・
まず、家の荒れ様に驚き…! 不思議な言い訳をする三好達治にも少なからぬ不信感を抱いた…!?

しかし、何も出来ないはずの三好達治が、漁師が持参した獲れたての魚を捌いたりして、食事を作り…
慶子を “下にも置かない” 様子を見てからは、ここに落ち着く覚悟も出来た…!?

近くには、三好達治の信奉者?の夫婦も居たりして、慶子は気軽な話し相手も見つかるのだった。

さて・・・?

慶子の前夫 佐藤惣之助は詩集の他に、『湖畔の宿』『通称:六甲颪』等の作詞も手掛けています。
(お蔭で彼女は何不自由ない、裕福な暮らしぶりだった…!? )

慶子は、大事にしてくれた前夫(死別)に思いを馳せて、流行歌『湖畔の宿』を何気なく口ずさむ。
すると、三好達治は嫉妬や、“俗” に対する嫌悪?で怒り狂い!? 慶子に手をあげるように…!?(爆)

そんな三好達治は・・・
突然 “別れ” を切り出して、一方的に離縁してしまった元妻や子に済まないという気持が強く…!?
金銭や?頂き物等々をせっせと先方へ送り続ける。(慶子に内緒で!)

慶子は毎度カツカツの生活に我慢できず・・・
三好達治への面当てに? 隠していたカビの生えた和菓子を大事そうに食べたりする… という場面も…!

その別れた妻というのは 佐藤春夫(演ずるのは浦沢直樹 因みに漫画家) の姪なのですが・・・
三好達治のコアなファン!?

初対面の時・・・ (彼女は絵にかいたような “眼鏡女子” ( ´艸`))

「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。」
と、すらすらと諳んじて、自分がどれだけ憧れていたか! を素直に表現するのですけれど・・・

それを聴いて、私めは…  あ~ あれの作者の人か~ と、一挙に親しみが湧いたものですが…? f^_^;
やはり、慶子に対する凄まじい暴力を見てしまうと、嫌悪感を抱かざるを得ませんでしたね。

そうなる気持ちは分らぬでもないのですが… って、決して肯定しているのではなく…!(大汗)
三好達治の愛は “献身” ではなく “束縛” の方だな? なんて一丁前に分析したりして…?( ´艸`)

喧嘩の仲裁に入った三好達治のお弟子さんたちも、流石に手を焼く始末…!といった場面もありました。

というように、三好達治と慶子の “衝撃” の愛憎劇が、北国の四季の中で描かれると共に・・・

三好達治を有名にした “戦意高揚詩?” は、どのような経緯で書くようになったのか? 等も…
さりげなく語られるような構成になっておりましたね。

ともかく、一気にあの時代に惹き込まれてしまう…!?  力のある作品に魅了されました。

嘘か誠か?
三好達治のリードに飽き足らず…?  “私が上に!”  …と言って拒否される慶子は超Nice~ ( ´艸`)
入山法子の演じた “慶子像” は、“美貌” や “奔放” 以上の不思議な魅力に溢れていたと思われまする。

余談ですが…? (汗)
後に、その “アンサー” のようなシーンがありました。(“闇市の女” で予想がつくかも…?w)

やはり、ミーハー的感想文で終始してしまいました。<(_ _)> 御斟酌いただければ幸いです。

東出昌大(三好達治)
入山法子(萩原慶子)
浦沢直樹(佐藤春夫)
萩原朔美(アルス社社長)
林家たこ蔵(按摩師)
鎌滝恵利(萩原稲子)
有森也実(闇市の女)
吹越満(萩原朔太郎)

原作 萩原葉子  『天上の花 ―三好達治抄―』

監督 片嶋一貴

覚書 (ボケボケの自分のために official website “物語” の全文を拝借させて頂きました。 伏字で…)
   ↓
昭和になってすぐのこと、萩原朔太郎を師と仰ぐ三好達治は、
朔太郎家に同居する美貌の末妹・慶子と運命的に出会う。
たちまち恋に落ちた達治は、結婚を認めてもらうため北原白秋の弟が経営する出版社に就職するが、
僅か二ヶ月であえなく倒産。再び寄る辺なき身となった達治は慶子の母に貧乏書生と侮られて
拒絶され、失意の中、佐藤春夫の姪と見合い結婚をする。
時は過ぎ、日本が戦争へとひた走る頃、達治の戦争を賛美する詩は多くの反響を呼び、
時代は彼を国民的詩人へと押し上げてゆく。
しかし、朔太郎とはその戦争詩をめぐって関係が悪化してしまう。
昭和一七年、朔太郎は病死。
そして四日後には慶子が夫・佐藤惣之助と死別する。
昭和一九年、朔太郎三回忌で再会した達治は、慶子に一六年四ヶ月の思いを伝え、
妻子と離縁し、慶子を家に迎える。
東京に空襲が迫りくる中で、身を隠すように越前三国にひっそり新居を構えた二人には、
雪深い冬の過酷な生活が待ち受けていた。
純粋な文学的志向と潔癖な人生観の持ち主である達治は、奔放な慶子に対する一途な愛とその裏返しの
憎しみが次第に心を蝕んでゆき、二人の愛憎劇は思いもよらぬ結末を迎える……。
「天上の花」とは、一般的に仏教用語で曼珠沙華、彼岸花のことをさすが、
三好達治は、その詩のなかで、辛夷の花にその名をつけている。
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