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月 2023 [た行の映画]

月.jpg 石井裕也監督… 渾身の一作

ジャンル ドラマ
製作国 日本
時間   144分
映倫 PG12

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実際の障害者殺傷事件をモチーフにした辺見庸の同名小説を、
「舟を編む」「茜色に焼かれる」の石井裕也監督が映画化した社会派ドラマ。
森の中の障害者施設を舞台に、衝撃的な犯行へと至るまでの犯人の心の軌跡を
緊張感あふれる筆致で描き出していく。
出演は宮沢りえ、磯村勇斗、二階堂ふみ、オダギリジョー。 (allcinema より)
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石井裕也監督と言えば・・・
川の底からこんにちは(2009)」「茜色に焼かれる(2021)」の2作品のみ拝見。

今回は、相当手強そうだぞ! と覚悟の上での鑑賞でしたけれど・・・
自制も効いている…  と思われましたし、ともかく見応えは充分過ぎる作品で間違いなし!でした。
(私事ですが、宮沢りえちゃんの控えめなお言葉が心に引っ掛かり…!?  鑑賞に繋がりました。w)

シビアなテーマ、歯に衣着せぬメッセージ性の強い台詞の数々、厳選された演技者の熱演 等々…!?
グイグイと “攻めてくる” 映画でしたが…! 原作未読ながら… 石井裕也流の解釈に揺さぶられました。
(official website introduction に “原作を独自に再構成し” とありました)

冒頭は…
宮沢りえ? らしき人物が懐中電灯を手に、鉄道の線路上を慎重に歩いていく姿…!?
彼女が照らす足元は、得体の知れないもので溢れ…!? 尋常でない事態であることが示唆される。
(津波の跡…? それとも彼女の夢の世界…?) 

タイトルコールは、右下に出る小さい “三日月”
それがゆらゆらと弧を描いて中央に…! (これもハッとする様な伏線になっていましたね)

堂島洋子(宮沢りえ)はいつも食卓に、夫の昌平(オダギリジョー)と並んで座る。
向かい合って食べようとした昌平は、洋子の意を汲み、元の位置へと戻る。

心臓に先天性の障害を持ち、言葉を発することも無く亡くなった享年3歳の長男・・・
この静かな夫婦の悲しみは癒されることなく、尾を引いている… ようだった!?

昌平は、賞も取った作家の妻を “師匠” と呼び、愛すると共にリスペクトしている…!?
しかし、昌平自身は仕事を持たず…  自宅でストップモーションアニメ創りに没頭…!?

洋子は、あれ以来…? 小説を書くことが出来なくなり・・・
“これ以外に道はない” と、一念発起して…! 重度障害者施設へ職を求めることに…。

すると、夫の昌平も… マンションの管理人という仕事を見つけて来て、通い始めるのだが・・・

さて・・・?

またもや繰り出す得意技 …! (汗) official website Story 全文拝借です。

「深い森の奥にある重度障害者施設。
 ここで新しく働くことになった堂島洋子(宮沢りえ)は“書けなくなった”元・有名作家だ。
 彼女を「師匠」と呼ぶ夫の昌平(オダギリジョー)と、ふたりで慎ましい暮らしを営んでいる。
 洋子は他の職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにするが、
 それを訴えても聞き入れてはもらえない。
 そんな世の理不尽に誰よりも憤っているのは、さとくんだった。
 彼の中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていく――。」

原作未読で、歯痒い所なのですが… (汗)
自分なりに気になった所を記しておきたいと思います。(めちゃネタバレです)

冒頭の… 津波の跡を思わせる描写…?
(魚等が散見されて… 辺りに立ち込める臭いを思う… 御覚悟召されぃ! という事かな? と。(汗))

重度障害者施設で洋子が最初に知り合うこととなるスタッフの坪内陽子(二階堂ふみ)の “家族” …。

食事の前に、父が言葉を発し… それでは頂きましょう! と言う感じで食事が始まる…  という風景…
信心深い家族なのかな? と思わせて、実は… 父は浮気を? 母はそれを知りながら口を閉ざす…?
娘の陽子は、ワインを飲みながら、そんな両親を辛辣な言葉で攻撃…!? 
母親役の原日出子の佇まいが良い。悶々と過ごして来たというリアリティを感じさせる風貌でした。
(躾の厳しい家庭環境は時として鋭い “観察眼” を養う…!? 陽子は天真爛漫?に捩じ込むのが得意だ?)

“さとくん(磯村勇斗)” と呼ばれる若いスタッフは、聴覚障害者の “彼女” と一緒に暮らしている。

彼は仕事場である重度障害者施設で洋子(宮沢りえ)に「心のない障害者はヒトではない」と言い切る。

自宅に呼ばれ、洋子の夫の昌平が制作した “アニメ” を見せてもらった時には・・・
表情のない人形を甚く気に入り…!? それらが呆気なく排除される様を「昌平さんと同感!」と言い出す。
(昌平が、いやそこじゃない! 等と否定してみても、“さとくん” は思い込みが激しいタイプ…!? (汗))

“さとくん” 自身も壁に絵を描いたり、施設の入居者向けに紙芝居を作ったりする…。等々。

私めは邦画も連ドラもあまり見ない方なので、磯村勇斗の演技を観るのは初めてでしたが…!?
まぁともかく、巧いこと演じるものだな! と感心の態でした。(狂気とも言えない狂気?的な…?(汗))

衝撃が大きくて、なかなか上手く纏まらず…! こんな有様ですが、ご容赦願います。(苦笑)

ところで…
そんな昔の話を蒸し返すな! と言われそうですが… (汗)
「豪姫(1992)」の時の ガッカリ感を未だに覚えている私には…
好い感じに成長?し続ける宮沢りえちゃんに驚くばかりで…!
心よりの拍手を惜しまない感じです。(^_-)-☆

洋子の存在にホッと胸を撫で下ろす…? 感じのラストに心底救われる思いでした。まじ。

宮沢りえ(堂島洋子)
磯村勇斗(さとくん)
長井恵里
大塚ヒロタ
笠原秀幸
板谷由夏
モロ師岡
鶴見辰吾
原日出子
高畑淳子
二階堂ふみ(坪内陽子)
オダギリジョー(堂島昌平)

原作 辺見庸  『月』(角川文庫刊)

監督・脚本 石井裕也
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追記 台詞は… うろ覚えの、言葉足らずかもしれませぬ。
   また、早合点や、私の思い込みも入っている事をご承知おき下さると幸いです。
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末尾ルコ(アルベール)

磯村勇斗、いい映画への出演多いです。最注目若手の一人です。RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2023-11-12 03:01) 

Labyrinth

末尾ルコ(アルベール)さん (^_^)ノ
おぉ! RUKOさまのお墨付き♪
綺麗にし過ぎて没個性になっている?傾向がみられる昨今ですが…?
彼はコマーシャルで見かけても、ごくフツーの好青年の印象ですね。
そこが貴重なのかも…?w
by Labyrinth (2023-11-12 12:01) 

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