SSブログ

クリクリのいた夏( LES ENFANS DU MARAIS)  1999 [か行の映画]

クリクリのいた夏.jpg シュザンヌ・フロンのお導き♪ ( ´艸`)

ほんとうに、しあわせ。

ジャンル ドラマ/ファミリー
製作国 フランス 
時間  115分

LES ENFANS DU MARAIS → 沼地の子供たち

----------------------------------------------------------------------------------------------
1930年代初頭のフランス。とあるマレの畔に、クリクリの一家が住んでいた。
彼らは豊かな自然にめぐまれたこの地で、スズランの花をブーケにしたり、
カエルやエスカルゴをとったりして自給自足の優雅な生活を送っていた。
そんな平穏な日々も束の間、クリクリの父リトンのヘマのせいで、大変な事件が一家を襲う。
彼らはこの窮地を脱することが出きるのか……。
現代ではすでに失われてしまった人間の本当の豊かさを
詩情あふれる鮮
やかな映像で描いたヒューマン・ドラマ。     (allcinema より)
----------------------------------------------------------------------------------------------
冒頭からナレーションを担当していた シュザンヌ・フロンですが・・・(透明感のある佳い声♪)
最後には “老年期のクリクリ” の役処でご登場…! 
グレイヘアも美しい、スレンダーな? おばあさん姿で、事の顛末を語って…  幕切れとなりました。
(沼地への入り口?のマリア像を背にして…  眼下に広がる かつての “沼地” を懐かしみながら…)

しかし、もう御一方…  d(≧∇≦)
“おばあさん” と言っても失礼でない? (苦笑)  老婦人がご出演でした。

ガリスとリトンに庭仕事をお願いする、メルシエ夫人役の “ジゼル・カサドシュ” ですが・・・
不思議と? どこかで見たかしらん? という気がする…? 優雅で素敵な女優さんなのでしたが…!?

彼女の家で繰り広げられる、どうと言う事もないような普通の出来事に、思わず感涙の自分でした。(爆)
(最近は涙腺がゆるんできたのか…?(汗) こんなんばっかり…?(:_;) でも、作品の質の良さもあります!)

例えば、こんなことが…  d(≧∇≦)
まず、ガリスとリトンに仕事を回してくれたのは、沼地に憩いを求めてやって来る趣味人のアメデ。

突然の雷雨に、夫人が「雨宿りを!」と庭の二人を呼び込むと・・・
ちょっと遅れて自転車のアメデも濡れ鼠で駆け込んでくる。

夫人は、酒好きなリトンの為に、取って置きのワインを…! アメデには熱々のコーヒーを出して・・・
「皆さんがいらして良かったわ こんなお天気に独りでは気が滅入りますもの」
てな台詞を何気に口にするのですけれど、そのナチュラルな物言いにグッときたというわけです。(汗)

この “Gisèle Casadesus” という女優さんは、実は凄い方で…! まじ吃驚なのでしたが…!(;^_^A
allcinema では「サラの鍵 ELLE S'APPELAIT SARAH (2010)」のみ “ジゼル・カサデサス” の表記で。

もっと調べてみますと、“ジゼル・カサドゥジュ” の名で「真夜中まで(1949)」「華麗な関係(1976)」
の二作品がありました。(仏語読みでは “ジゼル・カサドシュ” あるいは “ジゼル・カサドシュス” ?)

「サラの鍵」は以前から気になっていた作品ですが、この機会に観てみようかと…? f^_^;  
大ベテランというか? “ご長寿” 女優の枯れた演技を是非とも拝見してみたい… と思います。

閑話休題? (汗) 前置き長過ぎ…! <(_ _)> 失礼致しました。

冒頭は、ガリス(ジャック・ガンブラン)と リトン(ジャック・ヴィルレ)の二人が森で “鈴蘭狩り” の図…!?

ガリスは、その場で手際よく花束にして、平たい籠に盛っていくが・・・
リトンはその間、木の根に寝転び、酒の盗み飲みを…!?  ( ̄ο ̄;

ガリスが沼の水で顔を洗う傍で、立ち小〇を平気でやってしまうリトン…!? (¬、¬;
非難の表情はするが、何も言わないガリス…?

「空瓶は換金できるから捨てずに持って帰れ」と言うガリスの言葉に、アタフタするリトンだった。w

リトンは沼地に家族と共に暮らす、気ままな “のん兵衛” だが、独り者のガリスを頼り切っていた。
(リトンには2番目の妻との間に二男一女がいるが、末っ子が5歳の “クリクリ” (マルレーヌ・バフィエ))

ガリスは復員兵で… たまたま沼地を通り掛かったところ・・・
粗末な家の前に座る、余命いくばくもない?老人を見咎めて…!  しばし介抱し・・・
結果的には、最期を看取る事となった。

弱った老人がベッドで「池に釣り糸を仕掛けたので観て来てくれ」と言い… ガリスが「場所は?」
すると「犬が案内する… さぁ行け」という老人の声で、黒犬が動く…!  
成果は大ウナギだった! (老人は、「リトンにも分けてやって…」と…)

老人は更に言う。
「沼地の自然は豊かだ 住む者を養ってくれる… わしは幸せに生きた  誰にも仕えず 自由に!」
(その後は黒犬の姿も見ないので、亡くなった  ということか… 何だか切ない (¬、¬;)

老人の希望通り、ガリスはそのまま小屋に住みつき・・・ 沼からの恩恵を受け乍ら…!
リトンの家族や、時々羽を伸ばしにやって来るアメデ(アンドレ・デュソリエ)等との交流を楽しんだ。
(ガリスは、機知に富み、素朴で温厚だったが、こと戦争の話となると強い拒否反応?を示した…?)

・・・沼地の人々は、かつて老人が言ったように “(身も心も)自由” だった。

後に、エスカルゴ狩りに誘われて、初めて “黒い森” を訪れた趣味人のアメデは・・・
モノの本の一節を朗読して、ガリスとリトンに聴かせる ということがあった。
「自由とは好きなように時間を使う事だ 何をし 何をしないか 自分で選び 決めることである」
(因みに、アメデは自分自身の事を “無為徒食” と表現する)

ある夜、アメデも誘って・・・
“玄関先で歌を歌う” という恒例のパフォーマンスをやろう!と、皆で街に繰り出す。
“五月の歌” は金になるし、現物支給という場合もあり…? いずれにせよ “稼ぎ時” だった…!?
ところが、今夜やる場所はアメデの屋敷の近所…! と聞くと、アメデは辞退する事に…!w

ガリスとリトンは、何曲か歌ってから、施錠がされていない? とあるお屋敷に辿り着く…。
不審に思い…! 勝手に入り込んだ二人は、その家のメイドに見つかり、慌てて事情説明を…!

そのメイド(イザベル・カレ)は若くて可愛い子だったのだが・・・ 
ガリスは恋に落ちた! らしい?  (後にリトンが気を利かせて、名を “マリー” と聞き出した)
いつも飄々としている?ガリスには珍しい事なので…! リトンは嬉々として冷やかしたりする…!? w

そんなある日、ガリスは街で鈴蘭のブーケを売っていたのだが・・・
リトンは というと…?
酒場?で… 男たち相手に愚痴りながら…  逃げた女房に未練たらたら? の酩酊状態…!!

自分を捨てて行ったパメラだと勘違いして? ある若い女性に、しつこくまとわりついてしまう…!?

その女性の “連れ” は・・・
夜にはタイトル防衛戦を控えている という、人気ボクサー “ジョー・サルディ” だった。

酔っ払いの無鉄砲さに怒った “ボクサー” は大暴れ!! 
やって来た警官たちを相手に…!?  店中を破壊するような…? 乱闘騒ぎとなってしまった。

その結果、ジョー・サルディ(エリック・カントナ)は留置所送りとなる。

・・・酔いから醒めたリトンの “ビクビク” は止まらない…!? (爆)
(獄中の ジョー・サルディは “破滅の原因” を作ったリトンへの逆恨みを益々つのらせる…!)

そんな頃…?
沼地出身で… 一代で財を成したリシャール氏(ミシェル・セロー)が、孫のピエロと沼地を訪れた。
孫の為に手作りした船の模型の進水式を! という目的だったが、沼地を嫌う “娘” には内緒に…!!

小綺麗な “余所行き” スーツ姿のピエロだったが、すぐに沼地の子どもたちに受け入れられた…!
特にクリクリとは大の仲良しに…♪  (シュザンヌ・フロンの声で「一目惚れ♪」と… ( ´艸`))

その間… リシャール氏は、ガリスの所で寛ぎ、懐かしそうに身の上話をするのだった。

さて・・・?

この映画の心地良さの一つは、誰も一人にしない… という所でしょうか?
乱暴者のレッテルを貼られたボクシングチャンピオンも、同部屋になった囚人が付き添う感じで…!?

そして何より大きいのは…? 復員兵(よそ者)のガリスの愛情深い優しさかも…!?

特に、リトンに対しては、正論を投げ掛けて彼の気分を害した! と思った時には・・・
さりげない一言で、立つ瀬を保たせる…? という繊細な気の配り様でした。
もっとも、そんなガリスの懐の深さに慣れ切ったリトンは、有難味も感じていないのかも…?(爆)

また、貧富の差や、“学” の有無?についても、サラリと描いていまして… 感じ入りました。(汗)

クリクリが父(リトン)の事を思い出して言う事には…?
「父の唯一の本は古い歳時記で暗記するほど愛読していた」

かと思うと、町一番の資産家となったリシャール氏は、読み書きが出来ず、計算も苦手…!?
この映画の唯一の憎まれ役である “娘婿” が、その辺りをチクリチクリといびったり致しますが…!?
リシャール氏には、亡き妻や、かつての同僚のような “味方” がいつも寄り添って、彼を助けていた と。 

そして… 一番不思議で素敵なシーンなのですが・・・
美しく整った♪ メルシエ夫人の庭で… 久々に会えたクリクリとピエロが仲睦まじい所を見せた時…!
メルシエ夫人とアメデが声を合わせて! ある詩の一節を朗々と吟ずる…? という所がありました。

そこへ同席していた、ガリスとリシャール氏・・・
楽しそうで… それでいて、しみじみとした詩の朗読が終わると…!
ガリスは思わず小声で…?   “bravo~♪”  (´0`)  「美しい詩だ」と。

折角ですので、載せましょう。

アメデ「子供時代の愛の汚れなき楽園 はかない喜びに満ちた無垢な楽園」
メルシエ夫人「楽園はもはや遠い インドや中国よりも  今も思い出す 郷愁に浸り 切々と」
二人で…!「澄んだ声で楽園を懐かしむ はかない喜びに満ちた無垢な楽園・・・」

主演とも言えるガリス役のジャック・ガンブランも、とても良かったのですけれど・・・
やはり、やんちゃ というのか?(苦笑) リトン役のジャック・ヴィルレの芸達者振りには恐れ入りました。
また、アンドレ・デュソリエの… お育ちの良さそうな大らかさには心惹かれましたね。(ウ^_^ソ) 

ともかく、シュザンヌ・フロンのおかげで、佳い作品と巡り会えて嬉しい限りなのですが…
好きな作品だと、ついつい長くなってしまいますね…。f^_^; スミマセン。

チャプター(参考までに)
1.オープニング
2.復員
3.5月の歌
4.マリーとの出会い
5.乱闘
6.ペペの家
7.ピエロとクリクリ
8.エスカルゴ狩り
9.マリーとの再会
10.カエル狩り
11.友情
12.恋するガリス
13.1000フラン
14.ペペの死
15.思い出
16.エンドロール

ジャック・ガンブラン(ガリス) 復員兵 ふらりと沼地にやって来て住み着くこと12年…?
ジャック・ヴィルレ(アンリ・ピニョル 通称リトン) クリクリのお父さん 沼地の自由人
ジュリー・マルブーフ(エミリー) リトンの2番目の妻 リトンにイライラさせられキツイ性格に?
マルレーヌ・バフィエ(幼少期のクリクリ) 5歳 リトンの娘 ペペの孫息子ピエロに一目惚れ!?
イザベル・カレ(マリー) ガリスが心を寄せる…? ブルジョワ一家に仕えるメイド 薬屋と結婚?
アンドレ・デュソリエ(アメデ) 本や音楽が趣味の紳士  家族に問題アリ?  沼地の人々に憧れが…
ミシェル・セロー(イヤサント・リシャール 通称ペペ) リシャール鋳造所の所有者 蛙取りの名人
エリック・カントナ(ジョー・サルディ) ボクシングチャンピオン 乱暴者だが…?
ジゼル・カサドシュ Gisèle Casadesus(メルシエ夫人) ガリスとリトンに庭仕事を頼む未亡人
ジャック・デュフィーリョ 死ぬ前にガリスを沼地の自宅に迎え入れ、“家” と “舟” を託した老人
ジャック・ブーデ(ターヌ) “黒い森” の機関士
シュザンヌ・フロン(老年期のクリクリ) 終盤に登場して、その後の物語を語る…  ナレーションも!

監督 ジャン・ベッケル

nice!(20)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 20

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。