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ボーダー 二つの世界(GRANS/ BORDER) 2018 [は行の映画]

ボーダー 二つの世界.jpg お初の アリ・アッパシ監督作品… ( ´艸`)

わたしは心を嗅ぎ分ける

ジャンル サスペンス/ドラマ/ファンタジー
製作国 スウェーデン/デンマーク
時間  110分
映倫 R18+

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「ぼくのエリ 200歳の少女」の原作者ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの同名短編小説を
映画化したスウェーデン/デンマーク合作のダークファンタジー・スリラー。
醜い容貌ゆえに孤独な人生を送りながらも、特殊な嗅覚を活かして税関業務で働くヒロインが辿る
衝撃の運命を、予測不能の展開でミステリアスに描き出す。
主演はスウェーデンの実力派女優エヴァ・メランデル。
共演にエーロ・ミロノフ。
監督は本作が長編2作目となるイラン系デンマーク人の新鋭アリ・アッバシ。
カンヌ国際映画祭<ある視点部門>グランプリ受賞やアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞
ノミネートなど世界的に高い評価を受けた。             (allcinema より)
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ハッチング―孵化―-(2022)」の official website に次のような一文が…!

“『ぼくのエリ 200歳の少女』『ボーダー 二つの世界』に次ぐ、北欧発の新たな傑作ホラー”

…ということでっ 興味を惹かれた… アリ・アッパシ監督作品を拝見。
(イラン系というので一瞬 驚いたものの…? “北欧発” の魅力には変わりはありませんでしたっ w)

そして、観てみようと思ってから実行に移すまでに珍しく?葛藤が有った作品でもありました。(爆)
(劇場公開時は、ポスターの印象で…? 即スルーを決め込んだ私です… (苦笑))

ところでっ
超ユニークなヒロイン? ティーナを演じたエヴァ・メランデルですが・・・
ヒプノティスト-催眠-(2012)」にご出演…!
その時は普通に綺麗な人だったような…?(汗)
今回は、こってりと特殊メイクで “変身” でしたね。(^_-)-☆ (ネタバレ “トロール” に変身♪)

これが、予想に反して? と言っては大変失礼ですが… (;^_^A  
凄~い魅力的と申しましょうか!?
私めにとって、ティーナから目が離せない…! 魅惑の♪ ( ´艸`) 2時間弱となりました。
(とは言え、グロ丸出しのシーンもあったりして… 万人にお勧め という類いの映画ではございませぬ w)

オープニングは黒一色の中…
様々な “物音” に交じって、微かに海鳥の啼き声が聞こえて来る…。

港に停泊する巨大な貨物船(フェリー?)が映ると、そこには背を向けて佇むズングリ体形の人物が…! 
彼女は少し屈んで、雑草に付く “虫” を摘まみ上げると、またそっと元に戻すのだった。

ティーナ(エヴァ・メランデル)は、スウェーデンの税関職員の制服で業務に臨む。

今日も男性職員と組んで、下船して来た人たちを注意深く観察し、“嗅ぎ分ける” 。
(同僚たちは彼女の特異な容姿は気に掛けず、その “仕事ぶり” を尊重している様子だった…)

タイトルコール

暫しのドライブの後、郊外のスコーグスネース(群島の方?)にある我が家に着くと・・・
庭隅に設置された犬舎?の大型犬たちは彼女に向かって(敵意剥き出しで…!) 吠え続ける…。

同棲相手?のローランド(ヨルゲン・トゥーソン)は、変わり者?の愛犬家(ブリーダー)。
(今は、母子の大型犬3頭の世話をしており、時々はドッグショーへも出場させたりしている)

ティーナは「散歩してくる…」と言い残し、裸足になって森の中へ…。
深呼吸し… 徐々に心を解き放っていく。(彼女は自然界の生物と意思の疎通が出来た…)

夕食時、ローランドに「今日は何をしたの?」と尋ねてみるが、ハッキリとした返事は無かった。
ティーナは、食が進まない…?

相変わらず職場では、様々な人たちが通り過ぎていくが、ティーナの “嗅覚” に狂いはなく…!
ある時には、携帯電話の内部に仕込んだもの(メモリーカード)まで嗅ぎ取ってしまうのだった。
焦った持ち主が隙を見て、それを飲み込もうとしたが、取り押さえられて吐き出すことに…!w
(ティーナは、羞恥や罪悪感や怒り 等を嗅ぎ分けることが出来た…)

ある日…
いつものように鋭い嗅覚を働かせて仕事中のティーナは、不思議な男と出会う。
その時は彼女一人で業務を行っていたのだが・・・
生まれて初めての?何とも奇妙な感覚を味わう事となった…!?

明らかに “同族” と思われるような風貌のその男は、怪しげな “虫の孵化器” を所持していた…。
男は「虫は好き?」と、からかうようにティーナに問いかける。

ティーナは、押され気味な態勢で…? ヴォーレ(エーロ・ミロノフ)を無罪放免にするのだった。
(ティーナ自身は “染色体異常” と思い込み、これまでに受けた “いじめ” で自己評価が低かった…!)

忙しい仕事の合間を縫って、ティーナは・・・
スーパーマーケットに寄ったついでに煙草を一つ買い、父の居る療養施設を訪れる…。

老いた父は “普通の人” だったが、近頃は記憶が曖昧になってきているようだった…?
ティーナは車椅子の父を外へ連れ出し… テラスで煙草を差し出して、火を付けてやる。

「あの つまらん男にいい様に利用されるなよ お前の家なんだぞ!」と父が言うと…
ティーナは「誰かに一緒に居て欲しいだけ」と。

後日・・・
ティーナは父に、かねてから気になっていた “傷痕” のワケを尋ねてみるが・・・
父は、ティーナが3歳頃に転んだ拍子に…!? とかいう?納得のいかない答えしか口にしなかった。

・・・ある時、ティーナは警察に呼ばれて協力を求められることに…!

先日… 警察に突き出した男のメモリーカードの中身が “児童ポルノ” だった事が知らされて・・・
「所持罪で挙げたが、映像の製作者とも繋がっているはず…!」と、ティーナの能力に期待されたのだ。

“履歴” から… 「郊外のスヴァーネホルムと分かったが、絞り込めていない…」 ということだった。
ティーナは、捜査に協力することになった…。

さて・・・?

人間社会に溶け込んではいても、違和感を感じ続けていたティーナは・・・
ヴォーレという男の出現で、自身の出自やアイデンティティについて強く意識することに…!

その変化の過程を、特殊なメイクを施したエヴァ・メランデルが…!
もぉ~ “職人技” としか言えないような巧みな演技で魅せてくれました♪ (^_-)-☆

繊細なものを要求される “up” にも耐え…! 引きの画でも…!

ティーナの丸みを帯びたフォルムは、何とも言えない温かみを感じさせまして…!
一言で言えば、“可愛い” のですけれどもっ ( ´艸`) (そこまで言う? と驚かれたりして…!? (爆))

モフモフ系の生き物たちとの交流は、本当に心の底からの “癒し効果” が感じられました。

その反面…
ヴォーレに感化されて、野性が目覚める!?  じゃないですがっ  (;^_^A
彼女の奥底から湧き上がる…? “真情の発露” の激しさには、観ているこちらが、たじろぐ程でした。
振り幅の大きさがダイナミック過ぎ …!(汗)  そこが魅力でもある…♪

official website INTRODUCTION の一部をお借り致しますが・・・

「善悪、美醜、性別、貧富、国籍、宗教……
  誰がこの世界の境界線を引いたのか?」

という “BORDER” の意味を・・・
ティーナに促されて…! 考えてみるキッカケを得たように思ふ  σ(^_^; でございます。

脇の俳優さんたちの好演も見逃せませんが・・・
何より、“北欧の風景” に息を呑んでしまいましたね。

ある時は美しく… ある時は底なしに不気味…?  ( ̄ο ̄;
総じて、そんな印象の映画でした。
(不思議なもので、ティーナを好ましく思うと “グロ” にも目をつぶりたくなってしまったり…?(笑))


ここからは ★蛇足★
 
というか?まじネタバレしてますので、本編を楽しみたい方は読まずに飛ばして下さい。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【覚書】

ヴォーレの告白・・・

“ヒイシット” 意味は “未受精卵” …。 (ヴォーレは定期的にコレを産み落とす!?  ( ̄ο ̄;)
「“取り換えっ子(チェンジリング)” を知っているか?」 
「我々を苦しめた人間に復讐を…!」

ヴォーレの所業は “人間の心” を宿す? ティーナには理解出来かねることで…!? 
彼に対する怒りが徐々に収まると、彼女は思わず涙を流す…。

ヴォーレは、「二人で “種” を存続しよう…!」 と誘いますが・・・
ティーナは「残酷であることに意味を見出せない」「誰も傷つけたくない」と拒否。

それまで、ヴォーレに導かれて・・・
ありのままで美しい…! 特異なのは優れている証拠…! という事に改めて気付かされ・・・ 
“自己肯定” 出来た彼女でしたが、最後の一歩は踏み出せず仕舞い…!?

・・・ヴォーレは、フェリー上で逮捕されるが、振り払って海に飛び込み!? 行方知れずに…?

・・・ラストには、フィンランドから “不思議な荷物” がティーナの下に届けられました。
めでたし…? (微笑)

最後の最後に、余談ですけれども… 父(パパ)の打ち明け話を…!

私たち夫婦は娘が欲しかった。
当時、私はサンクトヨルゲンにある精神科病院の守衛をしていた。
ティーナの両親も、他の仲間と一緒に収容されていたが、皆そう長くは生きられなかった。
ティーナの両親に、「子供を任せてくれないか?」と申し出た。

・・・ティーナの両親が娘に付けた名は “レーヴァ” 

ティーナはその名を聞いた時 “きれい” と言い… 
話してくれたパパに対しては、これまでに感じた事の無かった憎悪の感情が湧いたようでした…。

亡くなった(トロールの)両親は、病院の裏にひっそりと埋葬されたそう…。
ティーナが墓地を訪れるシーンがありました。(広さと、墓標代わりの石の多さに驚愕…!)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

チャプター(参考までに)
1.匂い
2.捜査への協力
3.ヴォーレ
4.雷の傷
5.ビデオカメラ
6.解放
7.ウソ
8.怒りの矛先
9.人間の境界
10.腕の中

エヴァ・メランデル(ティーナ) 税関職員
エーロ・ミロノフ(ヴォーレ) 旅行者?
ステーン・リュングレン ティーナのパパ
ヨルゲン・トゥーソン(ローランド) ティーナの同居人 愛犬家?
アン・ペトレン(アグネータ) 児童ポルノ関係?の捜査官?

シェル・ウィレルムセン(ダニエル) 読みが難しいので全部載せです。(^_^ゝ 警察官
キェル・ウィルヘルムセン(ダニエル) (Wikipedia 日本語版より)
ケル・ヴィルヘルムセン(ダニエル) (Wikipedia スウェーデン版を翻訳)

原作・脚本 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト short story 『GRANS』

監督・脚本 アリ・アッバシ

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