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青いカフタンの仕立て屋(LE BLEU DU CAFTAN /THE BLUE CAFTAN) 2022 [あ行の映画]

青いカフタンの仕立て屋.jpg 魅惑の “青” ( ´艸`)

あなたの人生は
素晴らしい

ジャンル ドラマ
製作国 フランス/モロッコ/ベルギー/デンマーク
時間  122分

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「モロッコ、彼女たちの朝」のマリヤム・トゥザニ監督が、モロッコの伝統衣装“カフタン”の
仕立て屋を営む夫婦を主人公に、戒律の厳しいモロッコ社会で秘密を抱える夫婦の
愛と決断の物語を描いた人間ドラマ。
主演は「灼熱の魂」「モロッコ、彼女たちの朝」のルブナ・アザバルと
「迷子の警察音楽隊」のサレ・バクリ。共演にアイユーブ・ミシウィ。  (allcinema より)
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予告編を見た時から “青いカフタン” の響きに魅了されて♪ とても楽しみに観賞した本作ですが…
いち早くご覧になった つぅさまの “愛は人類共通” という感慨深いお言葉に甚く “共感” の自分です。
(私めの方がドライなのか? f^_^; つぅさまの仰る程には “余韻” に浸れなかったかも?ですが… w)

淡々と日常を描くだけなのに、登場人物の心情が痛い程伝わる… という渋めな佳品と思われました。

とは言え、これは流石にご縁が無い… すべて “お初” と思い込んでいたのですけれど・・・
ヒロインのミナ役の女優さん ルブナ・アザバル は、「英雄の証明(2011)」で見てました…!? w
今となっては、全く記憶にない! という感じではあるのですが…  美形のお顔には見覚えが…?(汗)

最初から、夫役の俳優さんが若く見える程…? 老けた? というか… やつれた印象なのでしたが…!?
(「私からプロポーズしたのよ」という台詞から… 年上女房では? と勝手に思う私… (^_^ゝ)

ミナの病は末期のガンで…
症状が進むにつれて、どんどん “痩身” に拍車が掛かる感じが “壮絶” でしたね!?(爆)

しかも、リアルなのか CG処理されたのか分かりませんが…?(汗)
終盤には、夫に初めて?裸身を晒し、乳がんの手術痕に夫の掌を…! という衝撃的な場面もありました。
その痩せ方といい、すべて曝け出すという…  女優魂? (シャルロット・Gの時にも感じましたが…!)
ともかく、肝の据わった彼女の演技には心底 感服いたしました。

ここで気になったのが、監督のマリヤム・トゥザニ。(この手の繊細さと大胆さは女性だな?(^_-)-☆)
“Maryam Touzani” はモロッコの監督・女優…
1980年生まれで、今や30代半ば? 益々のご活躍が期待される方ですが… 知的な美女でもある…。
女性監督万歳♪ \(^_^)/

閑話休題?

また… 
そんな “強い妻” を、心より慕い、慈しむ…? “不思議な関係” の夫を演じたサレ・バクリが 超 Nice…♪
淡いグレーの瞳が誠実さを如実に表現! と、初見で確信してしまう程? 真摯な生き様で魅せる感じ…!?

一針一針の手元は実際の職人さんのものなのかもしれませぬが…?
ハリムの仕事ぶりは、見るものの心を豊かにしてくれるような安定感と魅力がありました。
(主に金糸のブレードを縫い付ける という工程ですが…  徐々に完成形に近づいていく様が快感に…!? w)

ハリムは、仕立て屋の仕事を父親から仕込まれて一人前になった と語っていました。
元々無口で照れ屋な人というのは知れましたが、時にはミナと冗談口を利いたりする、茶目っ気も…!?

そんなハリムは、一人で公衆浴場(ハマム)に行き、欲望のはけ口を求めたりする。(相手は男性です)
それは、彼にとっては自然なことなのかも…?

ところが、弟子というか? 助手を雇った事で、ハリムの気持ちに変化が生じてしまう。
手先が器用で、やる気もある… 健康な若者ユーセフは魅力的な存在…! ハリムに愛が芽生える…!?
一度はその思いを態度に出してみたものの、気まずい雰囲気になったと…? 心に蓋をするのですが…。

紆余曲折を経て… 今度は若いユーセフから意思表示が…!?
またもや、紆余曲折!? (>_<) オイオイ

そして、ある時・・・
ハリムは… どうしても自分の心に抗えず…!?

「君に恥をかかせてしまった… 申し訳ない… 」と妻に謝る場面がありました。

ミナにとっては、そうなることは想定内の事だったのかも…? (苦笑)
ユーセフに対する態度に “キツイ” ところが散見されたのも、どうしようもない “嫉妬” から…!?

ネタバレ承知で言ってしまいますと… (汗)
私が思いがけずに深い所を突かれたのが、ハリムがユーセフにさりげなく言う台詞でした。

「母は私を産んで亡くなった… 父は私を憎んでいた! そんな私を救ってくれたのがミナだった」

・・・ミナは、店を切り盛りするだけでなく、ずっとハリムの心の支えに…!(T_T) 

ハリムの台詞に、二人の来し方が忍ばれ…!?  涙が溢れて仕方ない自分でした。(>_<)

ここで、official website Story から一部転載させていただこうかと…。

「父から受け継いだ仕立て屋で、極上のカフタンを制作する職人のハリム。
 昔ながらの手仕事にこだわる夫を支えるのは、接客担当の妻ミナだ。
 25年間連れ添った2人に子どもはいなかった。
 積み上がる注文をさばくために、2人はユーセフと名乗る若い男を助手に雇う。
 余命わずかなミナは、芸術家肌の夫を1人残すことが気がかりだったが、
 筋がよく、ハリムの美意識に共鳴するユーセフの登場に嫉妬心を抱いてしまう。
 湧き出る感情をなだめるように、ミナは夫に甘えるようになった。
 ミナ、ハリム、そしてユーセフ。
 3人の苦悩が語られるとき、真実の愛が芽生え、運命の糸で結ばれる。」

オープニング・クレジットは、青い布…!
(左側にアルファベット… 右側にはモロッコの文字が…)

波打つ青い布は、最初焦点が呆け気味でしたが、流れを辿って行きながら焦点が合って来て…!
やがて、職人さんの手仕事と分かるようになる…。 

(これが “青いカフタン” に仕上げられていくんだな とワクワクしました… ( ´艸`))

ミナの台詞に…
「こんな結婚衣装を着たかった… 式は挙げてないけど…」
というのがあり、私は “紺屋の白袴” 的な意味かな? とあまり重きを置いていなかったのですが・・・

終盤の展開には、本当に驚かされました。(敢えて記すことは致しませぬ…)

そう軽くない衝撃…!? 私めにとっては…!
映画的な壮観のシーンも… 
圧倒的なものを見せられて “たじろぐしかない” という思いを強くしました。(汗)

何なのでしょう? あの突き放された感…!? ( ̄ο ̄;
なので、“佳品” に “渋め” を付けたくなってしまった というわけでございます。

確かに、音楽も踊りも笑いもありの “人間ドラマ” ではありましたが・・・
それだけじゃない! 愛すべき “佳品” と思いました。 

ルブナ・アザバル(ミナ)
サレ・バクリ(ハリム)
アイユーブ・ミシウィ(ユーセフ) 助手 本作が映画デビュー

共同脚本 ナビール・アユーシュ

監督・脚本 マリヤム・トゥザニ

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つむじかぜ

ご覧になりましたね!
仰る通り、予定調和的に終わらない’愛すべき’作品でしたね^^
by つむじかぜ (2023-07-16 23:45) 

Labyrinth

つむじかぜ さん (^_^)ノ
劇場に掛ったら早く観に行け! って話ですが、暑さにビビって遅くなってしまいました。(汗)
でも観られて良かったです。今年は心に残る作品が多くて嬉しい限りです。
by Labyrinth (2023-07-17 01:04) 

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