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終電車 ( LE DERNIER METRO /THE LAST METRO[米]) 1980 [さ行の映画]

終電車.jpg “最大の世間的成功を収めた一本” ( ´艸`)

ジャンル ドラマ/ロマンス
製作国 フランス
時間  131分

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1942年、独軍占領下のパリ。モンマルトル地区を拠点とする女優マリオン率いる小劇団が、
検閲、反ユダヤ主義、物資不足に抵抗しながら上演を継続し、文化の灯を絶やすまいと奮闘する
姿を描きつつ、ヒロインを中心とする三角関係の物語をもサスペンスフルに綴っていく。
占領下のパリを舞台とする映画を撮ることは、トリュフォーにとって長年の念願だった。
セザール賞10部門(最優秀作品賞と最優秀監督賞を含む)で受賞し、
フランスのみならず米国でもヒットした。
トリュフォーがフランス映画界を代表する正統派作家として認められたことを印象づけた作品。
強い意志を持つヒロインのマリオン役は、ドヌーヴを想定して書かれた。
    (生誕90周年上映 フランソワ・トリュフォーの冒険 official website Program より)
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生誕90周年記念の “フランソワ・トリュフォーの冒険” 全12作品のラストとなりました。
劇場鑑賞出来たのは3作品のみでしたけれど、本当に良い切っ掛けを頂けたな~ と思っています。
(折角なので、他のトリュフォー作品もおいおいに…! と思っておりますが… w)

本作も当然レンタルなのですが・・・
何と嬉しい事に♪  “特典映像” が充実していて超ラッキー♪ w
中でも、華やかなセザール賞の授賞式の模様は凄過ぎて目がテンでしたっ

プレゼンターに思いがけない方々がお出ましになり…!? 吃驚するやら嬉しいやら…?( ´艸`)
自然に拍手を送ってしまったり…。ポリポリ。

因みに… ミシェル・ピッコリ  ジャン・マレー  キム・ノヴァク  クロード・ブラッスール
そして、イヴ・モンタン ロミー・シュナイダー等です♪  (^_-)-☆  ゴージャス♪

ノミネートされた方たちも綺羅星の如き人々…!(イザベル・ユペールの硬い表情が印象的…)

フランソワ・トリュフォー カトリーヌ・ドヌーヴ は真面目に?スピーチしていましたけれど…
ジェラール・ドパルデューは、はしゃぎ気味…? お茶目な雰囲気で嬉しそうでしたね~ ( ´艸`)
それにしても10部門とは素晴らしい事でしたね…!
(当時の私めは映画など眼中にない…!? という暮らし振りで? 全く存じ上げませんでしたけれど… (笑))

冒頭… ナレーション(トリュフォーの声…?)

「パリ 1942年9月
 2年来 独軍がフランスの北半分を占領
 占領区と非占領区が南北に分断された
 夜 11時以降は外出禁止
 終電車に乗り遅れたら大変だった・・・(後略)」

街中で…!
ベルナール(ジェラール・ドパルデュー)が、見初めた女性をしつこく口説くところから…。

毛皮のコートを着たアルレット(アンドレア・フェレオール)は、押しの強いこの男に困り果て…!
請われるままに? 電話番号を教えるのだが、それは “時報” の番号だった…!w 
彼女は “高笑い” で去って行く。

モンマルトル劇場の管理人の息子ジャコ(フランク・パスキエ)は、いつも路上で時間をつぶしている…!?
(この子は後に演出家のオファーを受けて、“エリック” 役に…! モデルはトリュフォー?)

ベルナールはモンマルトル劇場に着くと直ぐ中へ入ろうとするが、施錠されていたので裏道へ…。

管理人室を覗くと、管理人は息子のジャコ少年のシャンプー中だった…!?
彼女は「そこの楽屋口からどうぞ」と気楽に言う。

楽屋口へ回ると、たまたま外にいた守衛?のレイモン(モーリス・リッシュ)は・・・
ベルナールのことをよく承知していて、早速 劇場内へ招き入れるのだった。

道すがら、ベルナールがレイモンに “座長” の事を問うと…? 
「独軍の手先のフランス人がやって来たので… シュタイナー氏は逃げた! 南米にな」と適当に…? w

事務所に案内される途中で理事とすれ違うと? 理事はベルナールを見て「知っているよ」と歓迎…!?
ベルナールは “怪奇劇” の舞台に出ていたが… 今回は格上の?この劇場に面接に来たのだった。

控室に通されたベルナールが物珍し気にキョロキョロしながら待っていると・・・
(ドアを開け放した)隣室から…! 
女座長となったマリオン・シュタイナー(カトリーヌ・ドヌーヴ)の話し声が…!?

「ユダヤ人は雇えないと言って 断って!」と。 
(廊下で面接を待っている男性が一人…!? (¬、¬;)

すると、ベルナールは…
「ここに出られるのは嬉しいが、ユダヤ人差別はごめんだ」と言って去ろうとするのだが・・・
演出家のジャン=ルー・コタンス(ジャン・ポワレ)が慌てて引き留めて、事情説明と説得を…!

マリオンも顔を出し、ベルナールと挨拶を交わすと… たちまち “契約” の話となって・・・
ベルナールは思いも新たに…? 契約書にサインするのだった。
(契約書には “私はユダヤ人ではありません” という項目も…)

ジャン=ルーは帰り際… 急に思い出したように…?
マリオンに、「全世界」紙の評論家のダクシアとの “会食” を頼み込む…!?

“独軍の手先” のダクシア(ジャン=ルイ・リシャール)を、マリオンは嫌っていたが・・・
“芝居” の為なら止む無し? と、ジャン=ルーの顔を立てて? “挨拶と握手” のみ付き合って帰宅する。

・・・早速、新作『消えた女』のリハーサルが始まった。

舞台上で車座になって読み合わせをしている所へ、美術・衣装担当のアルレットがやって来た。

ベルナールは紹介される時に、アルレットから強烈な皮肉を言われてしまうのだが・・・
その後も、めげずに口説き続ける…?( ´艸`)

そして…
活きの良い若手女優にも、手相を見るような振りをして…!? ちょっかいを出すベルナールだった…。
(そんな様子を、マリオンは無表情で見つめる…?)

また一方では・・・
守衛?兼 雑用係のレイモンの “知り合い” という?マルチーヌがコッソリと忍び込む!?
彼女は “闇” の “生ハム” を持ち込んでいた…。

レイモンは、皆が帰った後… 7キロの “生ハム” をマリオンに買ってもらうのだった。
(マリオンは、チェロ・ケースに入った生ハムを楽屋のクローゼットに隠しておく…!?)

マリオンは劇場を閉めてから、定宿にしているホテル・ポンヌフに帰るのだが・・・
フロントで、不在の夫ルカ・シュタイナー宛のものを受け取ってくれるよう頼まれたりする。 

ある夜・・・
劇場の向かい側のカフェで、ベルナールは若い男と密談をしていた!?
(若い男はレジスタンス…?)

マリオンは、カフェの方を気にしながら劇場を施錠して帰路に就くのだが・・・
二人が居なくなるのを見計らったかのように? 舞い戻った彼女は… 
たちまち劇場の “暗闇” へと消える。

・・・ランプに灯を灯したマリオンは、慣れた風情で? 地下へ降りて行く…。

そこには…
逃亡したはずの夫ルカ・シュタイナー(ハインツ・ベンネント)が居て、隠遁生活を送っていた。

マリオンがやって来ると… ルカは、汚物入れを持って上に上がり・・・
シャワーを浴びたり・・・
その間にマリオンが用意した手料理を、一緒に食べたり・・・
と、二人だけの秘密の時間を過ごすのだった。

或る夜の事・・・
マリオンが「状況が悪くなったので今回も見送ることに…!」と告げると、ルカは荒れだす…!?

旅支度もし! 脱出を心待ちにしていたルカは… 恨みつらみを一気に吐き出すのだが…!
手に負えなくなったマリオンは、つい流れで夫を殴打してしまう!?  ( ̄ο ̄;

ルカを介抱しながら・・・
マリオンは彼の気を取り成すように…?
「絨毯を入れて… もっと住みやすくしましょう」と切なげに…。

(新聞の見出しには “独軍 国境線を越える” と。 “非占領区も侵略” の報は誰にも衝撃的だった…!?)

“ユダヤ人一掃” に加担するフランス人…!? 「全世界」紙の評論家ダクシアは・・・
モンマルトル劇場に異常な執着を見せる…?

さて・・・?

トリュフォーの “白い御本” には、三一致の法則 と言うのも出てきますが、深追いは止めときます。w

ところで…
“野心的な若手女優” サビーヌを演じるサビーヌ・オードパンですが・・・
突然炎の如く(1961)」では子役 “サビーヌ” として出ていた…! と “白い御本” に。
あの時も愛らしく、元気が良かったと思いますが、今回も可愛さと活きの良さで魅せてくれましたね。

そして、これも余談になりますが…?
コメンタリーで、ジェラール・ドパルデューの興味深い言葉がありましたので、載せたいと思います。

「(兼ねてから?) トリュフォー監督に偏見を持っていて…?
 (その後、彼は個々の作品について色々と語りますが敢て省略…)
 初対面の時に “ブルジョア的だ” と本人に言ったら  “ああ そう” と…」

「撮影後の印象は・・・ やっぱり本物の悪党だったね
 彼こそ本当に愛を理解した人だ…
 難しい事を言わない
 会った途端に親密に話し合えた」

「悪党と言ったのは…
 何においても エレガンスと軽妙さがあるからです」

これを受けて、トリュフォー監督は…? 
「ドパルデューは女性に脅威を感じさせない男だ」 と言ったそうです。

ドパルデューは・・・
「(自分は)女優より女性的な面があるけどね…」

「男優より男性的な女優もたくさんいる
 女優は大胆なのに 男優の方がビクビクしてる
 トリュフォーは そんな男優に安心感を与える監督だった…」

この後も、とても興味深い、耳より情報が続きましたが、これくらいで…。(汗)

また…
コメンタリーでも、何方の弁か判然としないのもあるのですけれど…?(汗)
気になったので記しておきたいと思います。

「(戦時下の市井の人々の複雑な思い…?) “対立感情(ambivalence)” をうまく表現した
 (トリュフォーは) 60年後に 教訓もたれずに 見事に描いた」

まぁ、何をさておいても…?
やはり眼目はカトリーヌ・ドヌーヴでしょうね…。
「暗くなるまでこの恋を (1969)」でカトリーヌ・ドヌーヴの魅力を引き出しきれなかった…!
と悔やむ気持ちがお有りだったというトリュフォーの、入魂の一作であることには間違いない!

大人の女の色香を表現するのに、多種多様な手を使いながらも気品を保っているのは素晴らしい♪
黒いピンヒールを映すだけ…! あとは “ウィ ウィ” の連呼で…!? 濡れ場を想像させちゃうとか…!?
(カトリーヌ・ドヌーヴのスレンダーなおみ足も見事でしたが… ( ´艸`))

はたまた…?
豊かな金髪をゆったりと結い上げたり… と、毎回ヘアスタイルに変化を持たせて、超素敵でした♪
(下ろし髪も良いものですが、結い上げると優雅♪ ブロンド好きには堪らない感じです…? ( ´艸`))

・・・憂いを湛えた?カトリーヌ・ドヌーヴの色香は極上かも… と、改めて思ったり…?w
(他の女優さんを観ている時にも同じような事を言うかもしれませぬが…?( ´艸`)ププ) 

当時のエピソードを搔き集め? 隅々に配置して! 観る者の関心を誘う・・・ という態の本作ですが…
“占領下” アルアル?的な小ネタは不自然さもなくリアルで… その都度 興味深く拝見することに…!

ある意味 “労作” と言えるかも…? (^_^ゝ なんつって… 私如きがおこがましいことでしたね。スミマセン。

“劇場は解放の日まで執念の上演を続け、ルカは800日ぶりに陽の光を浴びる……。”
                              (allcinema より)

正に813日間の隠遁生活!?
(これは実例が色々とありそうです…? とは言え “噂” の域を出ませんが?( ´艸`)) 

ネタバレで恐縮ですけれど・・・
ラストは、初演の芝居が終わっての、カーテンコールで…!
観客の誰かが、隠れるように観ていたルカ・シュタイナーの姿を見止めて…! 大騒ぎとなる…!?

共演のベルナールが手を差し伸べてルカ・シュタイナーを舞台上に引き上げると…!
マリオン、ベルナールと並んで、大喝采を浴びることに…。

マリオンは、ベルナールの手を解き!? 
自分が真ん中になるように移動してから、もう一度喝采を♪  
…で FIN となります。

カトリーヌ・ドヌーヴの誇らしげな? 幸福そうな? 表情が堪らない感じでしたね♪ (^_-)-☆

“allcinema” のジャンルは ドラマ/ロマンス となっておりますが・・・
“独軍占領下” ということで、時にはサスペンス色の濃厚なシーンもありました。

とは言え… それで全体の流れが “重く” なるわけでもない… という…?
誠に不思議な “逸品” を堪能することが出来… とても満足しています♪

改めまして、沢山の “セザール賞” 受賞… おめでとうございます。

シーンセレクション(チャプター 参考までに)
1.オープニング
2.プロローグ
3.あなたの魅力に
4.楽屋口
5.リハーサル
6.闇取引
7.ホテル・ポンヌフ
8.野心的な女優
9.劇場の秘密
10.ダクシアの脅迫
11.隠れ家
12.名優の誕生
13.長引く幽閉
14.換気口
15.裏の顔
16.脅し
17.影絵
18.ナイトクラブ
19.泥棒騒動
20.開演
21.大成功
22.「全世界」紙
23.名誉をかけた闘い
24.歓びであり苦しみ
25.裏工作
26.果たせぬ密会
27.捜索される劇場
28.愛は苦しい
29.戦争は続く
30.エピローグ
31.エンディング・クレジット

カトリーヌ・ドヌーヴ(マリオン・シュタイナー) モンマルトル劇場の女座長
ジェラール・ドパルデュー(ベルナール・グランジェ) 怪奇劇(グラン・ギニョル)から転向した人気俳優
ジャン・ポワレ(ジャン=ルー・コタンス) 演出家
アンドレア・フェレオール(アルレット・ギヨーム) 劇場の美術と衣装担当
ポーレット・デュボスト(ジェルメーヌ・ファーブル) モンマルトル劇場のマネージャー?
サビーヌ・オードパン(ナディーヌ・マルサク) 野心的な?若手女優
ジャン=ルイ・リシャール(ダクシア) 「全世界」紙の評論家
モーリス・リッシュ(レイモン) モンマルトル劇場の守衛?兼 裏方
ハインツ・ベンネント(ルカ・シュタイナー) ユダヤ人の座長で演出家 マリオンの夫
リシャール・ボーランジェ ゲシュタポ
フランク・パスキエ(ジャコ少年) モンマルトル劇場の管理人の息子  芝居では “エリック” 役
マルチーヌ・シモーヌ MARTINE SIMONET(マルチーヌ) 闇市の女
ジャン・ピエール・クレイン JEAN-PIERRE KLEIN レジスタンス
リアーナ LENATA クラブ歌手 『Bei Mir Bist Du Schön (素敵なあなた)』
マルセル・ベルベール MARCEL BERBERT 理事 支配人

セルジュ・ルソー ナレーション 

脚本 シュザンヌ・シフマン
監督・脚本・製作 フランソワ・トリュフォー

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青山実花

私の観たい映画が続いていますね^^
面白そうですね^^
by 青山実花 (2023-05-17 07:14) 

Labyrinth

青山実花 さん (^_^)ノ
トリュフォー作品は見始めると中毒になってしまいそうです…?(ウ^_^ソ)
ユーモアセンスが素敵で、程良い感じ♪ 青山実花さんも是非楽しまれてくまさい…!
by Labyrinth (2023-05-17 09:35) 

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