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ガスパール/君と過ごした季節(とき)( GASPARD ET ROBINSON) 1990 [か行の映画]

ガスパール.jpg シュザンヌ・フロンのお導き ( ´艸`)

別題 海辺のレストラン/ガスパール&ロバンソン (ビデオ)

ジャンル ドラマ
製作国 フランス
時間  93分

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社会からはみ出してしまった不器用な人間たちを描いた、ハートフルな物語。
南仏プロヴァンス、少年のような友情で結ばれている二人の男。
ガスパールは妻が家出して以来、家族の絆にはうんざりしていた。
一方のロバンソンは、幼い頃に母親に捨てられたことから、哀れな人々を放っておけない性分。
失業中の二人の夢は、浜辺の廃屋を修理して軽食堂を開くことだった。
そんなある日、ロバンソンは置き去りにされていた老婆を連れて来て、
ガスパールはしぶしぶ一緒に住むことにする。
二人の目下の仕事は、昼間は廃屋を修繕、夜は金持ちの家に忍び込んで食糧泥棒。
三人の生活にも馴れ、開店が近づいた頃、
ロバンソンは生活に困った子連れの未亡人にひと目惚してしまう……。
南仏の美しい風景とルグランの哀愁あふれる音楽にのって、
温かくて、せつなくて、いとおしいドラマ。              (allcinema より)
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DVDの “INTRODUCTION” には・・・
「本作品には、自身がロマ(ジプシー)出身であるガトリフ監督の
 弱き者への優しい眼差しと 愛情が込められている」 …とありました。

冒頭 「彼女の母親に捧ぐ」と。

オープニング・クレジットでは、海鳥の鳴き声、風の音など聴覚からの刺激が強烈…!

明けて、海辺のシーンでは・・・
簡易椅子に寝込んでしまった老婆を残し…? テキパキと椅子やテーブルを持ち去る人々!?
やがて男はペンを持ち、紙に「名はジャンヌ 無一文 よろしく」と書いてから老婆の胸に貼り付ける。
男が「睡眠薬で眠っているよ」と言うと、女は老婆の額にキスをして… クルマで去って行く。

覚醒した老婆(シュザンヌ・フロン)は、取り残されたことに気付き… 「ミシェール」と、叫ぶ。
しかし直ぐに気を取り直して…? 傍らの荷物を持ち、歩き始めるのだった。
(荷物を持って歩く → 『審判』を思い出してしまいます?(汗))

様々な場所を彷徨い? 暮れて来ると・・・ 道路脇のオンボロ物置?にて就寝…。
翌日… 海辺沿いの道路を歩いている時に… 廃品(椅子?)を載せた赤いオープンカーが通り掛かる。

「この辺りは何も無いよ」と声掛けした ロバンソン(ヴァンサン・ランドン)は・・・
老婆の張り紙を見て… 全てを了解…?  二人して安堵の? 優しい笑顔になる。
(ロバンソンは、一つ癖が有り… 何か心に強く感じると、意味もなく頭をフリフリ!? w)

ロバンソンは “家” に老婆のジャンヌを連れ帰り、早速彼女の為にベッドを用意するのだった。
ジャンヌは「お水を!」と言ってグラスいっぱいの水をもらい、まさかの一気飲み…!(´0`)

・・・事情を訊いても「さぁ?」という答えしかしないジャンヌ…。

「いても良い?」と、しおらしく訊ねて・・・
「もちろんさ 自由に…!」とロバンソンが答えると…!
持ち前の元気が出て?( ´艸`) 「バスタを… バターで!」と、しっかりと自己主張を!?w
(待っている間… 食卓に突っ伏して「ミシェル… お役人が差し押さえに…」と寝言を言ってみたり…)

ロバンソンの相棒、ガスパール(ジェラール・ダルモン)が帰宅した時には・・・
ベッドで、ぐっすりとお昼寝中のジャンヌだったのだが…!

ガスパールがロバンソンを問い質しに行って、二人で戻ってみると…?
なんとジャンヌは、TVで犯罪映画?を観戦中!?(爆)
夢中で観ながら、悪党がやられる毎にメモ帳に “×” 印を記す! という塩梅だった。 (¬、¬;

食事時には・・・
「ワインは?」と訊いて… 「ビールしかない」に… クシャっと、しかめっ面をするジャンヌ…。

ジャンヌを置いてやりたい! と思うロバンソンは、何かとガスパールに気を遣うのだが・・・
早く追い出したいガスパールは、終始不機嫌…!? 何故ならこれが初めてではなかったから…!? (笑)

しかし、すったもんだの末に…? ジャンヌは一緒に暮らすようになる。

ロバンソンが言うには… 自分たちは錠前屋で働いていたが、そこが倒産して失業してしまった と。
自分はまだいいが、ガスパールはもっと悲惨! それが原因で妻も家もクルマもすべて失くした という。

ガスパールは、出て行った妻のことが今でも忘れられず…?
酔っぱらうと、海に向って「ジーナ」と叫んだりするが…   “家族” というものには拒否反応を…!?

酔って荒れるガスパールを、なだめて、抱きしめて、救うのはロバンソンの役目だった…!? ( ´艸`)
(ガスパールは、いつも思い出の曲をかけて♪ 幸せだった頃の自分に戻り…  踊ったりする…?(汗))

・・・二人の夢は “浜辺に軽食堂を開くこと” だった。

昼間は、食堂に使えそうな廃品の椅子やテーブル、はたまた廃屋の修繕の為の屋根瓦 等々を集め…!
深夜になると、“錠前屋” から持ち出した “合鍵の束” を使って…?  ん?(¬、¬;
親方や顧客の家々に、酒や食料を頂きに上がるのだった。 ( ̄ο ̄; はぁ~?

さて・・・?

ま、端的に言えば “窃盗” を働いているわけですが・・・(汗)
しかし、彼らは… というか、特にロバンソンは…?
しどけない姿で眠りこける “親方” や、顔なじみのお客さんたちが夫婦で眠るのを確認してニヤリとする。

12歳の時に、母親が男を作って消えた… という経験から、家族が欲しい! と思うロバンソン故か…。
(ロバンソンは、浮浪児だったようで?その時の心細さや恐怖 等々を語るシーンは胸を打たれました…)

何はともあれ…!
終始、気の合う男二人の楽し気なやり取りは、見ているこちら側も楽しい気分にしてくれました…!? w

ところが、おばあさんが加わっただけなら良かったのですが…?
物乞いをして日々の糧を得ている?若い母親と幼い娘が、ロバンソンの心を捉えてしまいますと…!?
ガスパールの心境にも少なからぬ変化が…?

二度目の さて・・・?(汗)

ということで…?
大ネタバレで失礼いたしますがっ (^_^ゝ
ラストは・・・
苦慮の末にガスパールが導き出した結論! 人知れず姿を消す… こと。
でも、一人じゃなかった?  道連れがちゃんと!( ´艸`)  
(モフモフの可愛い野良犬チャンでした w なんとガスパールと会話してから首をフリフリ♪ w)

当初から… 落し処は? と、大いに興味をそそられたものでしたが・・・
やはり、家族は増えたけれど、はぐれる者も出た…!?(爆) 
というのが、切ないなりに?得心もいく…  という所でしょうかね? (汗) 

ところで… 
普段は仲良しの二人ですが、喧嘩をする時もありまして・・・
ガスパールが、すねたロバンソンに向けて吐き出す台詞が良いので、記しておきたいと思います。

「ガキくさい “ごたく” はやめろ!
 家族の食卓が どれほど耐え難いか… (中略)
 風呂も毎日入れとくる
 ジプシーになりたかった ボロは着てても自由だ!
 礼儀だの 早起きだのと縛られて
 学校に追い立てられる 重い教科書を担いで ラバみたいに…
 お前の悲惨な過去なんか忘れちまえ!」

皮肉なことに… と言ったら良いのか?
自由を求め! 家族や家庭に拒否反応を示すガスパールの方が、女あしらいが上手い…?( ´艸`)
というのがミソでしょうか…?(爆)

ロバンソンが救ってあげる親子も、ガスパールの方を頼ってしまったりするので…!?
ロバンソンとしても、複雑な心境になってしまう というわけでした。w
(ガスパールの姿が無い事に気付いた時のロバンソンの必死の形相には、悲痛なものが有りました…)
  
盆暗頭の私めは、例によって…? (^_^ゝ
ロケーションの素晴らしさを挙げたくなるのですけれど・・・
様々に変化する海や砂浜の表情は、見ていて爽快感がありました…。 “自由” の象徴かも? (笑)

また… 
ミシェル・ルグランのメロディも素敵なのですが、印象的だったのは “ジプシー音楽” でしたね♪
特に、エンディングに流れる楽曲は、ガスパールの後ろ姿と重なって… 切ない余韻が…。

正直申しますと… 
初見では、お初の俳優さんたちを受け入れ難く…?(爆)
このユニークな世界に、すんなりと入れたわけではなかったのですけれど・・・
慣れるに従い…? 男たちの心情にも寄り添う事が出来たように思います。(ウ^_^ソ) 

・・・と、ここで一応調べてみましたら… 
なんと! ロバンソンのヴァンサン・ランドンは、お初ではなく… (^_^ゝ
小間使いの日記(2015)」「TITANE/チタン(2021)」で、印象に残ってた!?  ようです。w

まぁ、しかしながら…
シュザンヌ・フロンなしでは、これ程 魅力的な作品には なっていないのでは…? ( ´艸`) フフフ
本当に彼女は cuteな おばあさんで、演技とも思えない? 自然な振る舞いに魅了されてしまいました。

皴シワの小さな顔の中に、デビュー時の美しさを見出して! 彼女の “幸せな女優人生” を思いました。 

ジェラール・ダルモン(ガスパール) 縁起の良い?スーツ姿 妻に捨てられた…?
ヴァンサン・ランドン(ロバンソン) 着古した?ロングコート姿 母に捨てられた…!
シュザンヌ・フロン(ジャンヌ) “Mamie”
ベネディクト・ロワイアン(ローズ) エヴァの母親
シャルロット・ジロー(エヴァ EVE) ローズの娘
?(野良犬) 人の気持ちがわかる?芸達者なワンコ ガスパールの道連れとなる?

音楽 ミシェル・ルグラン

脚本 マリー=エレーヌ・リュデル

監督・脚本 トニー・ガトリフ

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