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預言者(UN PROPHETE) 2009 [や行の映画]

預言者.jpg タハール・ラヒムの出世作。 ^^;

いつか必ず光は差す

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「リード・マイ・リップス」「真夜中のピアニスト」のジャック・オーディアール監督が、
非情な刑務所の中で生き残るために様々なことを学びながらのし上がっていく青年の姿を描き、
カンヌ国際映画祭グランプリをはじめ数々の映画賞に輝いたフィルム・ノワール。
主演は、本作の演技が高い評価を受けたフランス期待の新星、タハール・ラヒム。
共演にニエル・アレストリュプ。
 
19歳のアラブ系青年マリクは6年の刑に服して中央刑務所に送られる。
そこでは、様々な勢力が入り交じり、互いに牽制し合いながら冷酷な弱肉強食の世界を築いていた。
身よりもなく、仲間さえもいない孤独なマリクは、さっそく最大勢力のコルシカ・マフィアに目を付けられ、
ボスのセザールから殺しを強要される。
自分が生き残るために、やむなく初めての殺人に手を染めたマリク。
こうしてセザールの保護下に入った彼は、
読み書きとともに生き残るためのすべてをこの刑務所で学んでいくのだが…。(allcinema より)

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硬派というか、男の映画? を撮ることで定評のある ジャック・オーディアール監督作品。

本作は刑務所もの というので、ちょいと敬遠していた節があるのですけれども (汗)
やはり、タハール・ラヒムを知ってしまった以上、いつかは観ないとナ と思ってました。
(・・・と言っても、彼にゾッコンなワケではございませぬ! w “ゾッコン” も すでに死語? w)

冒頭は、真っ暗な中、男の怒号が響く・・・
そして、不安そうな面持ちのタハール・ラヒムのUPから・・・。

彼(役名 マリク)は、いつもと変わらぬ佇まいで、飄々?という感じで存在するのですが・・・
初っ端は、刑務所の入所時の身体検査etc で、束の間?素の顔を見せたように思えました。w

(節目ごとにタイトルが付けられておりました。以下太字で表記することに致します) 

・・・数週間、様子を見てから部屋を決める と言われ、
小遣いも要るだろうと、稼ぐために? まずは縫製工場へ。
初めてのミシンにお手上げの風情のマリク・・・。

セザール と言う、コルシカ勢のリーダー格が、一人で居るマリクに目を付ける!?

・・・アラブ人のレイェブと言う男は、シャバのボスから “暗殺” 命令が出ているので
新入りのマリクに奴を殺らせて!? その仕事ぶりを見るつもり・・・?

セザールの子分の特訓で、両刃の剃刀の扱い方を会得する?マリク・・・
観るも痛々しげな血みどろの特訓にも、NO と言えない、切羽詰まったマリクだった。

男色のアラブ人? レイェブを・・・
話に乗ったとみせかけて油断したところを、首尾よく殺害!
そして自殺と見せかける偽装工作を! (初めての殺しだった!)

セザールに認めて貰い、コルシカ勢の下働きをするようになっても
“アラブ野郎” と呼ばれ、小バカにされたようで、疎外感は付きまとう。
 
・・・レイェブは後に、亡霊となってマリクの傍らに出てくる・・・ マリクにとっての預言者?

マリクに転機が訪れる!?
孤児で、施設を転々としたマリクは文盲だったが・・・
刑務所内で読み書きetcを習うことに・・・! 
そこでは、リアドと言うアラブ人の親友も出来た。 

やがて、優勢を誇っていたコルシカ勢も、子分どもがどんどん出所して行き、
今やマリクは、少数派となったセザールの第一の子分となっていた!?

セザールの身の回りの世話を焼きつつ・・・
彼の “目と耳となって” 情報を集めながら、自らの立ち位置も確かなものにしつつあった!?

この頃には、フランス語はもとより、セザールたちが話している “コルシカ” の言葉も習得!?

“ヤクの売人” ジプシーのジョルディ とも知り合いになり、秘密裏に組むことに・・・!?

そうこうするうちに、マリクは刑期の半分の3年が経過、外出申請も可能となった!?
セザールの手回しで、難無く外出許可が下りたが・・・
その期を利用して、セザールの “外の仕事” にも加担することとなる!?
(すべてシャバに居るセザールの弁護士の手配で事が進む!?)

外出許可は7時から19時まで。 
時間通り帰り着き、「マリク・エル・ジェベナ 35114T」 とインターフォンに告げる。
そうすれば御咎めなし! また普通のムショ暮らしが待っている。

“亡霊” のレイェブは不意に現れるのだが?
煙草を吸うと、マリクに切り裂かれた首の傷口から煙が漏れ出る!? (笑)

初めての外出日に、どうにかセザールの仕事をこなしたマリクだったが・・・
それだけでは済まさず!? (というところがマリクの凄いところです?(ニヤリ))

その後、ジプシーのジョルディの話通りに!?
公衆便所の天井裏に隠してあった! “横取り” ハッシッシ の大包みをGet !
それを、すでにシャバに出ていた親友のリアドに預ける! というトリッキーさ♪

経済学」 というタイトルでは、突然若いおねーさんが出で参ります! 
・・・受刑者でも、電化製品はおろか、娼婦まで買える!? (苦笑)

ハッサン は、アラブ・グループのリーダー格だが・・・
セザールの差し金で、看守たちから突発的に身体検査を受けたりする・・・!?
(セザールの・・・ と言っても、入れ知恵したのはマリクの方だった!w)

今後、セザールの傘下に入るかどうか? 身の振り方を思案するが、
その橋渡し役としてマリクが幅を利かせることになる!?

・・・ラティフは、エジプト人
シャバの人間だが、リヤドを襲いヤクを奪った!?
そしてリヤドを誘拐し、身代金を要求しているという・・・!?

マリクは情報を集めた!
そして、ラティフの家族を襲うように、シャバの仲間に指示し・・・
自らは、刑務所内に居るラティフの義理の弟を襲って!
交換条件で、奪われたヤクとリヤドを取り返すことに成功した!

マリクが生意気になってきた と、セザールは突然、マリクに焼きを入れる!?
(普段物静かなボスが突如として残忍極まる行為に及ぶのは・・・ キキマスネ!w)

模範囚になって早く出所して、シャバで俺の手足となって働け! と。 
(セザールの子分たちは出所できたが、セザール自身は罪が重過ぎて叶わず・・・!? (爆))

・・・マリクは予兆を感じる!? それは鹿の幻想だった!?

マリクの外出日に向け、セザールがまた用事を・・・!
ブラヒム・ラトラッシュというアラブ人に会いに、マルセイユまで行かせるのだが・・・
マリクは生まれて初めてのフライトに、子どものような表情を見せる w

(可笑しいのは搭乗前の身体検査を受ける時・・・ いつもの流れでベロっと舌を出す!w)

ブラヒム・ラトラッシュは、マリクの予知能力を目の当たりにして驚嘆する!? 
・・・「お前は預言者か?」

セザールは、ブラヒム・ラトラッシュの件で、シャバのボス マルカージとの齟齬を感じる!?

片や、マリクは・・・
シャバのムサブ師へ大金を貢ぎ、刑務所内のアラブ勢をも見方につけようと画策する!?

クリスマスになると、セザールは大仕事をマリクに持ちかける。 
密通した?イタリア人と、セザールのボス マルカージ を消せ! と。

・・・親友のリヤドは、いよいよ病気が悪化し、余命いくばくもないと言い出す。
(自分の死後は、女房子供を頼む とまで。)

暗唱せよ」のタイトルは、奥が深すぎて? 理解不能でした・・・orz
(おおよそを記しておきませふ w) 

・・・亡霊のレイェブが語る 
ムハンマドが山で瞑想にふけっていると
大天使ジブリールが現れて、曰く 
“神の名を唱えよ” “お前の創造主なり” “無から創造せし者”
“お前に教えた啓示を唱えよ”

外出日に、リヤドと二人・・・
セザールに言われた通りに、マルカージの一行を襲う!?
しかし、マルカージの命は取らず・・・
殺しの依頼人であるセザールの名を明かすだけに留める!?

そして、 “7~19時” という外出時間を守らずに・・・
40日間の懲罰房” が待っていた!

懲罰房から出る頃には、刑務所内の空気が一変していた!?
コルシカの勢力は無になり、セザールは孤立・・・ 
もはやマリクを顎で使う事も出来ず、哀れを誘うばかり・・・。

マリクは地道な根回しが功を奏して!? 今ではアラブ、エジプト勢に護られる存在に・・・!?

やがて、刑期が満了し、マリクは晴れて自由の身となる。

刑務所のドアを出ると、門前には手下どもが車列を作って待っていたが
マリクは、後家さんとなったリヤドの妻と坊やの方に歩み寄り、一緒にバスで帰ることに・・・!

 
エンディング・クレジットに流れるスローテンポな “マック・ザ・ナイフ” が効いていましたね♪

150分と長尺でしたが、ダレることなく? ^^; 最後まで興味津々!? 面白く観られました。

やはり “亡霊” を出したり、予兆らしきものを幻想的に?映し出したりするせいでしょうか?
刑務所の寒々しさとのギャップが、妙に面白くて “緩む” ひとときになっていたりしましたね。

預言者1.jpg
   マリク(タハール・ラヒム) & セザール(ニエル・アレストリュプ)

今回の目玉は、ナンと言っても ^^;
セザールを渋く演じたニエル・アレストリュプに尽きますかね~ (^_-)-☆

これまでにもご出演作は何本か観ている!? とは言え、印象は皆無!? (爆)

この “渋おじさん” を観るために、また何本かDVD予約を入れようかと思っています。w
そして、今年秋ごろの「白い帽子の女(2015)」は是非劇場で拝見したいものです♪
(アンジェリーナ・ジョリー・ピット女史の監督3作目ですから・・・過去作は鑑賞叶わずorz)

タハール・ラヒム(マリク)
ニエル・アレストリュプ(セザール)
アデル・バンシェリフ(リヤド)
イシェーム・ヤクビ(レイェブ)
レイラ・ベクティ(ジャミラ)

監督・脚本 ジャック・オーディアール
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末尾ルコ(アルベール)

「リード・マイ・リップス」「真夜中のピアニスト」←この2本もおもしろかった。いい監督ですね。

                     RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2016-05-15 01:34) 

Labyrinth

末尾ルコ(アルベール) さん (^_^)ノ
“リード・マイ・リップス” は未見ですので、近々拝見できれば と思っています。
RUKOさまお墨付きの監督さん ってことで♪ (^_-)-☆
by Labyrinth (2016-05-15 15:43) 

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