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アナーキスト 愛と革命の時代(LES ANARCHISTES / THE ANARCHISTS) 2015 [あ行の映画]

アナーキスト 愛と革命の時代.jpg Rさまご推薦 タハール・ラヒム出演作品。

欺く愛。



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「アデル、ブルーは熱い色」でパルムドールを受賞し、
世界的注目を集めた若手女優アデル・エグザルコプロスと、
「ある過去の行方」「預言者」のタハール・ラヒムが共演したフランス製恋愛ドラマ。
19世紀のパリを舞台に、無政府主義者のグループに潜入捜査することになった捜査官と、
グループの一員である女が禁断の恋に落ちていく姿を描く。 (映画.com より)
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エリー・ワジェマン(Elie Wajeman)監督は、フランスの30代の男性でした。^^;
(女性監督さんかな? と勘違い・・・(笑))

冒頭は・・・
アデル・エグザルコプロス演ずるところの若い女性が、インタビューに答えている場面。
彼女は、パリに出てくる前後の模様を、シッカリとした口調で話す。

12歳の時、兄と一緒に家出をしたが、その時には隣人のジャンヌも一緒だった。
ジャンヌは少し年上で、あらゆる知識を惜しみなく与えてくれたので・・・
自分も人に教える仕事・・・小学校の教師になりたいという希望を持った。
しかし現実は・・・ パリの御針子として働き、“搾取” という言葉も知ることに・・・!

その頃は、小さな部屋に兄とエリゼと一緒に住んでいたが、やがて兄が亡くなり・・・
今は、こうして “あなた” の家に(お世話になり)エリゼと共に暮らしている・・・。

“あなた” と呼ばれた女性は質問を続けて、何故アナーキストになった? と。
すると、ジュディットは、“憎しみ” と答えた後に、“愛の為” と言い直す。

1899年のパリ
しがない警察官(巡査)のジャン・アルベルティーニは、上司に呼ばれて、行ってみると・・・
作文が上手いと持ち上げられた後で、身上調査のようなことに・・・!?

孤児院の出で、父親は知らず・・・母親は他界した と答えると・・・

君の父親はコミューン参加者との記録がある としたうえで・・・!?
身の上を案じてくれる家族や恋人がいないのなら、重要な仕事を頼みたい と、上司は言う。
それは、アナーキストの情報収集、すなわち潜入捜査だったが・・・
ジャンは、好機と捉え! 受けることに。

早速、恋人のマルタに会いに行き、一方的に別れを告げてから・・・
目的の工場で、一工員として働きだす。

重労働に耐えながら、徐々に馴染んでいき
陽気で好色な?ビスキュイを通じて、ウジェーヌや、リーダー格のエリゼにも接近。

やがて、ある集会にも呼ばれるようになり、
そこでエリゼの恋人で、いかにも鼻っ柱の強そうな?ジュディットと出会うことに・・・。

そして、その集会に警察が踏み込んだ時・・・ (ジャンが手引きをしたわけですがw)
ジャンがエリゼを庇って無事に逃げ果せたことで、彼の信頼を得て!
“彼ら” の塒である、マリー・ルイーズの館に連れて行かれるのだった・・・。
 
さて・・・?

過激な思想のアナーキストたちは、運動資金を調達するために、あらゆることに手を染める。
ジャンは下っ端なので、他人の墓を暴くことからやらされる羽目に・・・!?

また、マリー・ルイーズの知己の留守宅に忍び込んでは盗みを働いたり・・・
はたまた、銀行に押し入ったり・・・ と、徐々にエスカレートしていくのだが・・・。

ジャンは、時々上司と会って、“情報” と交換に幾ばくかの金銭を手にした。
しかし、アナーキストと親交が深まるにつれて・・・
ジャンは自分の任務の必要性に疑問を感じ始める・・・!?

“芸術家” と呼ばれる?マリー・ルイーズの館に住むことを許されるようになると
いつしかジャンは、ジュディットと情交を交わすようになるのだが・・・。

彼女の恋人エリゼは時々激しい発作を起こしては、医者に “神経症” と言われていた!?

・・・二人の仲を、知ってか知らずか?
エリゼは “最期” に臨む直前に、意味深な言葉をジャンに託す・・・。 

という、エリゼ・マイヤーを、私めお初の スワン・アルローが不思議な魅力で演じておりまする。
実に個性的で濃いぃ面構えの中に有って、スッとしたというか?(笑) Cool な印象でしたね。
切れ者のアナーキストという風情で、“時代” をも体現していたような・・・!?(誉めすぎか?w)

心苦しく思いながらも、エリゼに嘘をつき通すことになる、ジャンのタハール・ラヒムは・・・
相変わらずの温和な笑顔で、人を惑わす?好青年を、これまた初々しくも新鮮に演じて魅せてくれます。 
ここでも “純朴” と “狡猾” をさりげなく表現して・・・ 盤石な印象です。(微笑)

アデル・エグザルコプロスは、未だにその名が覚えきれていない という・・・ポリポリ (・・*)ゞ
でも、「アデル、ブルーは熱い色 (2013)」の時ほどの違和感は覚えませんでした。(爆)

低めの野太い声も、そのまま受け入れられましたし・・・ ww
むしろ、演壇に立った時には、朗読の声音の力強さに魅力を感じたくらいです♪

“フランス製恋愛ドラマ” と言われてしまうくらいに? ^q^
二人のキス・シーンが多かったですけれど・・・
愛の枯渇を感じるのを恐れるあまりに、身体が欲してしまう? 
という女の情念みたいなものを、濃厚に感じさせて秀逸でしたね。

あの時代を必死で生きた一人の女性の姿・・・ というわけですが
色々有ったにせよ?(苦笑)
彼女の未来に光が差してきた? と思われるラストが救いでした。 

余談ですが
「エミール・アンリ という活動家が斬首刑になった後、
欲しがる人が居たために? 遺体は切り刻まれて・・・ 収集家に売り捌かれた!?」
という、おぞましいエピソードが衝撃的だったのですが(汗)
“エミール・アンリ” で検索を掛けると、料理関係(食器)しか出て来ませんね(笑) 

タハール・ラヒム(ジャン・アルベルティーニ)
アデル・エグザルコプロス(ジュディット) アナーキスト エリゼの恋人だったが・・・
スワン・アルロー(エリゼ・マイヤー) 過激なアナーキストのリーダー
ギヨーム・グイ(ウジェーヌ) アナーキスト
カリム・ルクルー(ビスキュイ) アナーキスト
セドリック・カーン(警察の上司)
エミリー・ドゥ・プレザック(クロチルド) ビスキュイの恋人
アウレリア・ポワリエ(マルタ) ジャンの元恋人

監督・脚本 エリー・ワジェマン


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末尾ルコ(アルベール)

この映画、時代の雰囲気の醸成が心地よかったです。タハール・ラヒムですが、『サンバ』という作品を観てなくて、最近鑑賞したのですが、とても軽い男を演じていました。シリアスなこの作品とはまったく異なるキャラクターもとても自然で、あらためて才能を感じましたよ。  RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2017-02-13 01:08) 

Labyrinth

末尾ルコ(アルベール) さん (^_^)ノ
タハール・ラヒムは本当に不思議な俳優さんと思いますね~ ^^;
いつみても素人っぽさが抜けてない?感じのクセに、巧いですね。w
“サンバ” ”φ(・ェ・o)~メモメモ いつか拝見致します。
いつもありがとうございます♪
by Labyrinth (2017-02-13 23:18) 

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