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映画に愛をこめて アメリカの夜 特別版(LA NUIT AMERICAINE/ DAY FOR NIGHT) 1973 [あ行の映画]

アメリカの夜.jpg トリュフォーは自ら監督役… ( ´艸`)

映画を愛するファンのために限りない情熱を-- 
名匠トリュフォーがつづる映像芸術の極致!

ジャンル ドラマ
製作国 フランス/イタリア
時間  117分

LA NUIT AMERICAINE → アメリカンナイト (PC翻訳)

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フェラン監督(F・トリュフォー)による映画が、ニースで撮影される。
ノイローゼ気味のハリウッド女優や気難しい男優、妊娠がバレた新人など、
問題あるスタッフをかかえて、監督の撮影もなかなかはかどらない……。
映画撮影の風景というシチュエーションだけで、特にストーリーらしいストーリーも無いが、
映画好きの人ならば良い気持ちになれる不思議な作品。
タイトルの“アメリカの夜”とは、夜のシーンを昼間に撮るため、
カメラにフィルターをつける撮影の技法のこと。            (allcinema より)
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アカデミー外国語映画賞 受賞作品でございます。
内容は概ね ↑ の通りかと思われますが、自分が感じたことや覚書を記しておきたいと思います。

私的には… 若い頃のジャクリーン・ビセットに会える という楽しみが有りました。
お化粧も薄めで…? 綺麗♪ そしてカッコイイ♪
自然な?というか? 素人っぽい立ち居振舞いが、かえって新鮮に映りましたけれど・・・
DVD特典のインタビュー映像では、そこそこお歳を召した彼女が撮影時の感想を述べていました。

英国から出て来て6年目…? スター俳優の相手役にも物足りなさを感じていたところ…?
トリュフォー作品に出られるとあって、喜んで受けた… というようなことで…!? 
他にも、興味深い話を色々されていましたが、“ぶらない” 気さくなお人柄が忍ばれて、好印象でした。
(ロケ中、近くに米国のロケ隊も居て! “こっちはトリュフォー作品よ” という誇らしさを感じた とか?)

また、お若い頃と言えばっ 御贔屓女優の一人  ナタリー・バイもご出演でした。
(「エステサロン ヴィーナス・ビューティ(1999)」で初めて意識した渋い?女優さんです…)

しかも、トリュフォー作品には欠かせない… 脚本や助監督をこなす…!?
シュザンヌ・シフマンがモデル?らしき?ジョエルという “スプリクト・ガール” 役・・・
(彼女は時に眼鏡女史に…! ( ´艸`) トリュフォーのお勧め…) というので、とても楽しみでした。

DVD特典のインタビュー映像にもご出演で! 彼女も気さくな受答えで、好い感じなのでしたが…♪
デビュー間もない頃で…? トリュフォー監督の流儀に慣れるまでは、戸惑うことも有った とか?
質問が変わっても “未熟だった” という言葉が何度も出てくるのは謙虚なお人柄 故でしょうか? w

『未知との遭遇(1977)』にはトリュフォー監督と共にご出演とあって・・・ 
スピルバーグとトリュフォーの関係について…  という質問で興味深い事が聴けたのですけれど…!?

“(ふたりは)映画好きという点で繋がっている…!
 プロとして、根っからの情熱を感じるが、それと同時に無邪気な子供のようでもある
 二人とも映画の虜になっているようだった” (字にしてみるとフツー? (^_^ゝ)

まずは… 「リリアン&ドロシー・ギッシュに捧ぐ」(という献辞が…)

これまで “リリアン・ギッシュ” と聞くと?淀川長治先生の “声” でしか認識していなかった私ですが
本作で初めて、その姿(静止画)を拝むことが出来まして…! あまりの若さ? に吃驚!?  ( ̄ο ̄;
(と言いつつ、彼女たちの事をどう捉えて良いのか ?(・_・?) ハテ?状態なのですけれど…?(爆)) 

冒頭は… 街を行き交う数多の人々・・・
(“疑似トリュフォー” ?の…) ジャン=ピエール・レオが、地下道から上がって来る。

そして・・・
歩道を行く父親役のジャン=ピエール・オーモンを見つけると、いきなり平手打ちを…!? ( ̄ο ̄;

彼らの動きに合わせて、複数の? カメラが、それぞれを捉えるが・・・
フェラン監督(トリュフォー)の 「カット」の声が掛かると…!
俳優も、エキストラも、言われるがままに…  集合したり、再び元の位置に戻ったりする…。

・・・リハーサルは何度となく繰り返される…?

さて・・・?

という感じで撮影は続いていくわけですが・・・
その間、俳優はもとより、小道具係やメイクさん等々の何気ないエピソードも一緒に描かれて参ります。

そして、ロケ隊の一行は、ニースのホテル “アトランティック” に陣取って…! 
“人間ドラマ” はホテルの中でも進行する…!?( ´艸`)

そうこうしている内に・・・
主演女優のジュリー・ベーカー(ジャクリーン・ビセット)がハリウッドから、遅れてやって参ります。
彼女は、精神的に辛い時期があったようで? その時お世話になった主治医と後に結婚したそうですが… 
夫君のマイケル・ネルソン氏は、お忍び?で付いてきて、ちゃっかり記者席に紛れ込んだり…!? (微笑)

・・・撮影中の映画のタイトルは『パメラを紹介します』

“夫” ジャン=ピエール・レオの “妻” で英国人のジャクリーン・ビセットが、初めて夫の実家を訪れる。
すると “舅” のジャン=ピエール・オーモンと “嫁” との間に “許されぬ恋” が…!? ( ̄ο ̄;
さて、夫と、姑のヴァレンティナ・コルテーゼは…?

というような筋書きらしいのですが・・・
“現場主義” ?のフェラン監督は、流れを見ながら次の台詞を考え、俳優たちに渡したりする…!? (爆)

記録係のジョエル(ナタリー・バイ)は、新入りのリリアン(ダニ)を指導しながら、恙ないよう気を配る。
気ままなリリアンは、アルフォンス(ジャン=ピエール・レオ)と好い仲で? 所構わずイチャイチャ…!?

ところでっ 俳優さんたちが入り乱れる中…?
お~ ゴージャス♪ と思ったのは、イタリア女優役の?ヴァレンティナ・コルテーゼでしたね。

ジャクリーン・ビセットのインタビューに出てきたエピソードなのですが・・・
“低予算” なので衣装は自前でお願いできれば…?と言われ、若いジャクリーンは困ってしまい…?
それでも大奮発して3着ほど、トリュフォー監督のお気に召すようなものを購入したそうです。

たぶん他の女優さんたちも同様だったのでしょうね?
ヴァレンティナ・コルテーゼの持ち込んだ衣装にはカルチャーショックを受けた! と・・・
ジャクリーンは言ってました。(アレクサンドラ・スチュワルトのも素敵♪ と褒めてましたが…?w)

衣装ばかりでなく…?
ヴァレンティナ・コルテーゼの存在自体が華やかで♪  “往年の大女優” を思わせました。
私はお初の女優さんでしたが、お歳を召してはいても、正統派の美女という感じで、魅力的でしたね。

役柄的には、ちょいと老化現象が…!?  的なコミカルな演技で笑わせてくれましたが…?w
その裏には、最愛の息子さんが白血病で余命いくばくもない… というような事情を抱えている…?
と、スクリプターのジョエルがふと漏らしたり…!? と、心憎い演出…!
念の入った虚構の世界です… ( ´艸`)

もうひとり、私めが心惹かれた女優さんは…
メイク係なので、見た目は地味めでしたが、キュートな魅力で目を惹いた・・・
オディール役のニケ・アリギでした♪ 

役柄にしても… 小回りが利いて…? 色んな人との絡みがあったりするので、印象的でしたね…。
この方もお初かと思いきや…? なんと「離愁(1973)」にご出演でした。(^_^ゝ

更に…?( ´艸`)
“妊娠がバレた新人” という役を、アレクサンドラ・スチュワルトが演じていたのですけれど・・・
彼女の “お腹” の迫り出し加減で、撮影の “時間経過” を表現していた!? という抜け目のなさでした。

その他にも…?
所狭し?という感じで…? 映画撮影に纏わる小ネタを差し込んで来るので、ボーっとしてる暇ナシ…!w

ここで、大人になり切れない “甘ちゃん俳優” アルフォンス(ジャン=ピエール・レオ)に向けられた
三者三様の言葉(台詞)を、載せたいと思います。

「私と君のような者にとっては 幸福は仕事にしかない!」     by フェラン監督

「愛してる女を軽蔑することは 自分を軽蔑することよ」    by ジュリー・ベーカー

 “ジョエル 決心した 映画は廃業だ…!”  …と言い出したアルフォンスに対して・・・
「名案ね! そうなさい…」                  by ジョエル

上 ↑ の解説に…  “ストーリーらしいストーリーも無い” と書かれていますが…?

終盤になりますと・・・
ベテラン俳優の事故死…!  新米スタッフと英国人スタントマンとの駆け落ち騒動…!?
はたまた、傷心を癒してあげるつもりの “一夜の過ち”  etc etc
興味深い展開を見せて…! 全く飽きることはありませんでした。

しかし、何より!
活き活きと動き回るフランソワ・トリュフォー監督を拝める事が、一番の愉しさだったかも…?(微笑)

Wikipedia「アメリカの夜」には、 “こぼれ話” 的なネタバレが沢山載っていて興味深いです。

観るまでは… サラッと見てチャチャっと感想文めいたことが書けそう…!? (^_^ゝ
なんて不遜な思いが過りましたが、見れば見る程? 手放すのが惜しくなってしまいました。(大汗)

ジャクリーン・ビセット(ジュリー・ベーカー) 英国出身のハリウッド女優
ジャン=ピエール・レオ(アルフォンス) 若手俳優 
ジャン=ピエール・オーモン(アレキサンドル) ベテラン俳優
アレクサンドラ・スチュワルト(ステイシー) 女優 身重?
フランソワ・トリュフォー(フェラン) 映画監督 
ナタリー・バイ(ジョエル) “スプリクト・ガール” 記録係?
ヴァレンティナ・コルテーゼ(セブリーヌ) イタリア人のベテラン女優 物忘れが多くなってきた?
ジャン・シャンピオン(ベルトラン)
ダニ(リリアン) “インターン” 記録係の助手? 
ベルナール・メネズ(ベルナール) 小道具係
ニケ・アリギ(オディール) メイク係 兼 女優?
David Markham(マイケル・ネルソン博士) 精神科医 ジュリー・ベーカーの夫

脚本 ジャン=ルイ・リシャール
   シュザンヌ・シフマン

監督・脚本・製作 フランソワ・トリュフォー

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