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ムーラン・ルージュ赤い風車 (MOULIN ROUGE) 1952 [ま行の映画]

ムーランルージュ.jpg シュザンヌ・フロンのお導き… ( ´艸`)

ジャンル ドラマ/伝記
製作国 イギリス/アメリカ
時間  120分

シュザンヌ・フロンの銀幕デビュー作…?

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1860年代パリ。
ある一人の青年が、その店の猥雑な雰囲気にすっかり惹かれ、そして愛するようになった。
毎晩のように通い詰め、踊り子や酔客の狂態を、思いつくまま、情熱のままに、
ナプキンやテーブルクロスに書き殴った。
その若い画家・ロートレックはある夜、娼婦・マリーと出会う…。
後期印象派を代表する画家・ロートレックの生涯のモチーフであったキャバレー
"ムーラン・ルージュ" を舞台に、その激動の人生を綴った悲劇映画。
監督は「黄金」「天地創造」のジョン・ヒューストン。
「シラノ・ド・ベルジュラック」のアカデミー賞俳優、ホセ・ファーラーが、
孤独と哀しみに満ちた画家・ロートレックを演じている。   (TSUTAYA DISCAS より)
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シュザンヌ・フロンは、実にカッコ良く♪  やはり素晴らしい女優さんだな と思いました♪ 
正直な話、あまり期待感は無かったのですけれど… (汗) 見事に裏切られた感じですね~ w

遅いデビューとしても? (理由は、一番下の “Wikipedia” から一部拝借したものにありますが…)
お若いのは当然として… 知的な美しさと凛とした佇まいは、本当に素敵でした。
“(デパートで)英語翻訳家として働き” というので、英語がお上手なわけですね…!

(パリの話なのに全員英語…! しかも歌姫は口パクですかね?(爆) 少々ズレがあったりして…!? w)

シュザンヌ・フロンは「悪の華(2003)」で知り、「石の微笑(2004)」でも、ちょこっと…!w
初見が…  何と言うのか?( ´艸`)  “皺シワお婆” 状態でしたけれども…!(爆)
それでも強く心惹かれる女優さんでしたので、もっと知りたい! と、デビュー作を拝見した次第です。

しかし本作は、予想以上!?  ( ̄ο ̄; というのか…?
作品自体の “不思議な魅力” に驚愕!なのでした。

いつかは観てみたい… と思っていた作品でしたが、シュザンヌ・フロンが切っ掛けで良かった♪

フィクションもあるのでしょうが…?  終始、好奇心と緊張に支配され続けたように思います。
哀しく切ない内容ではありますが…? 大好きなものの一つに加わりました。

思いがけずに、“ロートレック” の屈折する心に触れることが出来て…  感じ入ったり…!? (微笑) 
ものを知らないとはいえ… (汗) キャバレーの話? 等と思い込んでいた自分が、お恥ずかしいです。w

ついでに、余談…
ロートレックを演じたホセ・ファーラーは、下半身が異常に短いという設定なのですけれど…!?
(撮り方が工夫されているのはわかりましたが…!? なんとなく不自然さは感じました?(汗))
他の人と並んだ時に、背の高さがまちまち!? だったりするのは… 気のせい…?(苦笑)

オープニング・クレジットでは、見覚えのあるような? “ロートレックの作品” が次々と…!
(音楽はと言うと… ワザとなのか? 穏やかとは言い難い旋律なのでした…?w) 

冒頭は、いきなり…  熱気に包まれるキャバレー “ムーラン・ルージュ” の広いフロア・・・
カメラが “接写” する如く?踊り手たちにまとわり付く感じで… 弥が上にも “臨場感” が高まる…!?

柱寄り? のテーブルに陣取った特異な画家ロートレック(ホセ・ファーラー)は・・・
飲みながらも…  鋭い目で踊り手の一瞬を捉えて…  次から次へと手際よく描写する。

客種は様々だったが、画家たちの “たまり場” ともなっていて? 情報交換 等が行われていた…!?

一番人気!?  “フレンチカンカン” で場が一気に盛り上がると…!
客たちは満足し… 潮が引くように帰って行くのだった。

ロートレックは・・・
閉店して… 掃除が始まる頃ようやく席を立ち、帰宅の途につく。
(彼は、酔いながら… 昔の出来事を思い出したりする… 下半身に起こった不幸や家族の事 等々)

そんな彼に、暗がりから突然! 身をすり寄せて来た娼婦風の若い女・・・
マリー・シャルレーは口裏を合わせてくれるようロートレックに頼み…!? 追って来た警官をはぐらかす。

ひょんなことから知り合うこととなった “押しの強い” マリー・・・
つい惹かれてしまった?ロートレックは、マリーを自宅アパートに連れて帰ることに…。

甘えたり、ワガママ放題に振る舞ったり…?
マリーはロートレックを翻弄し、巧いこと金をせびるのだった…!?

ロートレックはマリーをモデルに次々と絵を描いていくが、マリーはジッとしてはいなかった…!?

彼女は出たり入ったりを繰り返したが結局 “泣き落し” が効かず?ロートレックに締め出される事に…。

ロートレックは、いつになく傷心した…!?
(“押し車” が有れば一生食える! と言ったマリーに、それを贈るよう “警官” に頼む所が泣かせます…)

酒浸りの彼を心配して、お世話係のルーベ夫人が御邸に知らせ、母上がやって来る。
母上の考えに従い… ロートレックはマリーを探しに下町へと出向くことに…!

ところが、“色男” から愛想尽かしをされたマリーも、酒浸りの日々を送っていた!?
酔った挙句に、ロートレック(彼女は “トゥールーズ” と呼ぶ)に酷い悪態をつき、更に彼を傷付ける。

部屋に戻ったロートレックは、マリーがモデルの絵に囲まれて… ガス栓を開く…!
(“灯り” がガスで点くというのが何だか新鮮に映りました…?(汗))

彼は、真剣に自殺を図ったつもりだったのだが・・・
ふと “ムーラン・ルージュ” の下書きに目が留まると、夢中で絵筆を走らせることになる…!?

彼は “ポスター” の原画を持参して、久々に 「ムーラン・ルージュ」を訪れる。

すると、店を挙げての大歓迎…!!
支配人は “絵” を甚く気に入り…!
ロートレックは… これで飲み代が一年タダになる! とご満悦♪

ロートレックは早速、印刷屋に入り浸りで…? 積極的にポスターの製作を手伝うのだった。
刷り上がった斬新な “宣伝ポスター” は街中に貼られ、思わぬ人気を博すことに…!?

“ムーラン・ルージュ” は、益々盛況となる…。

ところが、かつての俗っぽさ?が無くなり、上品な客が出入りする様な店となってしまい…?
馴染み客はもとより…? 支配人すら昔を懐かしむような有様に…!?(爆)

・・・ポスターで名を挙げたロートレックは、絵が高値で売れる画家になっていた。
(ロートレック伯爵である父が、息子に苦言を呈しに来る場面がありましたが…  二役でしたね… w)

10年が経過 (1900年)
ある明け方、ロートレックが馬車でセーヌ川に掛かる橋を過ぎようとした時・・・
一人で佇む “思いつめた” ような風情の貴婦人が妙に気になった彼は、思い切って声を掛けてみる…。

すると彼女は「これを捨てに来たのよ」と、立派なカギを取り出し、川に放り投げるのだった。
(馬車で送る と誘うロートレックに、彼女は「Good morning  Monsieur」と言って去る…!)

その後、ミリアム(シュザンヌ・フロン)とは、偶然再会する事となるのだが・・・
ミリアムは名の通った? 服飾デザイナーだった。

かつては “ムーラン・ルージュ” の歌姫で鳴らしたジャーヌ・アヴリル(ザ・ザ・ガボール)が・・・
今や、人気のスター歌手となり…! その劇場公演の衣装をミリアムが手掛けていた。

ワンマンショー?で着用するドレスの下見に…  ロートレックを伴ってやって来たアヴリル嬢。
ドレスは製作者のミリアム本人がモデルとなってお披露目されることに…!?

・・・ミリアムは、ロートレックの事をよく覚えていた…!?
(彼女は蚤の市でロートレック作の “マリー” の肖像画を手に入れていて、彼のファンでもあった…!?)

アヴリル嬢が二人の仲を取り持つような形で…?
“初日にはミリアムをエスコートして観に来てね!”  と、ロートレックに求めるのだった。
(しかし彼女は  “ミリアムは男の好意を受け入れない…!? 自立した変人!” と彼に耳打ちする…?w)

これを機に、二人の距離は近づき…!?
その後も、様々な社交場 等でデートを重ねていく。

さて・・・?

シュザンヌ・フロンは、澄んだ低い声がチャームポイントで…! おや? と、直ぐにわかりました。
声って、本当に大事! と常々思いますが、この特徴のある声は一生の宝じゃないでしょうか…?(微笑)

閑話休題?

ミリアム「個展を楽しませて頂いたわ 3回も…」
アンリ 「絵はお好きですか?」
ミリアム「機知と気品と真実があれば…」
アンリ 「私は嬉しいが あなたには不幸だ」
ミリアム「何故?」
アンリ 「作家を尊敬するのは良いが 現実の作家は常に作品より劣る」
ミリアム「あなたの場合も?」
アンリ 「特に激しい…!」

そんな会話の後で、アンリが自虐的な… 冗談とも取れないようなことを言い出した時に…
ミリアムは「自分をけなすのが あなたのウイット?」と、いとも哀しげな表情を致します…?
アンリは… と言うと、全く響いていないという風情…!? (爆)

ところで…
ミリアムは愛する人を(数年前に?)失い・・・
そんな気持ちになれないのに…! 美しさ故か? 引く手あまたな感じで…!?
今も立派な紳士から求婚されていて、屋敷のカギまで渡されていたのに、それを川に捨てた! という…!?
(その立派な紳士役はピーター・カッシング 確かに若くてハンサムですが… ホラー顔…?(汗))

彼女が意を決して…! アンリに “私への愛は有るの?” 的な質問を遠回しにしてみるものの…?
屈折した心の持ち主の彼からは前向きの言葉などは聞かれなかった…!?

それどころか、むしろ…?
「冷たくした作戦が成功した訳か…  おめでとう! 大勝利だ」等と言い出して、彼女を怒らせる。
(ミリアムは “お断りした” と言っているのに…!)

「知りたいことが分かったわ… 私を愛していない事…」

と寂しそうに言い、彼に見切りをつけたミリアムは・・・ 
件の紳士と “愛のない結婚” へ…  という苦渋の決断をし、それをロートレックにも告げることになる。

彼女との最後の会話となるとも知らずに…? アンリは・・・
「忠実なサルに帽子を取ってくれたまえ」
とダメ押しの一言を発し、ミリアムを消沈させ、“決定的” にしてしまう…!?

後日、ミリアムからの手紙で、ようやく悟ったアンリは、彼女のアパートに駆け付けるも…?
転居先を明かさずに、引っ越してしまった後だった… という…  何とも切ない別れとなりました。

私的には、ミリアムは自立した女性で、偏見もなく、彼への愛も真実だと思ったのですけれど…!
酒浸りのロートレックには、その辺りの判断が・・・ と今更 何を言っても詮無い事ですが…。(汗)

ミリアムからの手紙の内容を載せておきましょう。

「マリー・シャルレ―に二人とも傷つけられたわ
 あなたを愛したけれどムダでした
 耐え切れないからマルセルと結婚します
 私が愛していないことを彼は知っています」

結局は、ミリアムに未練たらたらで・・・
場末のバーで、彼女の手紙を読み返しては飲んだくれてしまう というロートレックでした。

最後は、“悪夢再び” !? ( ̄ο ̄; 
ロートレックは下宿の階段を踏み外し…!? そのまま御邸に引き取られて行きます。

ベッドの脇で、父親のロートレック伯爵は・・・
「生存中の画家では初めて あなたの作品がルーブルに陳列されます」
というパリからの佳き知らせを伝えながら・・・
意識もうろうとする?息子のアンリに、改めて “謝罪” の言葉を口にします。

ロートレックは、人が居なくなった部屋に懐かしい “幻想” を観ているようでした。(The End)


パリの下町の佇まいも良かったのですが・・・
壮健な父のロートレック伯爵が、領地を馬で疾走する… 迫力ある “狩” のシーンや…
セーヌ川のロケーション等々 溜息ものの見所が多々ありました。

また、折に触れて、ロートレックの作品が引っ張り出されて参りまして…!? ( ´艸`) 
その都度、大いに贅沢気分を味わえて…! とても楽しめました。

中には娼館の女たちを描写したものもあり…!? 
数々のポーズや独特の表情 等々 興味は尽きない感じでしたね。

ま、何と言っても…!
主人公のロートレックを演じたホセ・ファーラーの表現力に感心してしまうのですが・・・
父のロートレック伯爵を演じている時の方が、どうしても若く見えてしまう…?という難がありました?

因みに、私の友達は “ムーラン・ルージュ” でショーを観て飲み食いしたような事を言っていました。
今思えば、羨ましい限り…! (汗)

チャプター(参考までに)
1.ムーラン・ルージュ   (PARIS 1890)
2.挫折
3.突然の出会い
4.マリーとの生活
5.奔放な女
6.恋の病
7.ポスターの完成
8.ムーランの変貌
9.十年後         (1900)
10.ミリアムとの出会い
11.アンリが招いた別れ
12.失意の果てに・・・

ホセ・ファーラー(アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック) 画家
ホセ・ファーラー(アルフォンス・ド・トゥールーズ=ロートレック伯爵) アンリの父(二役)
コレット・マルシャン(マリー・シャルレー) 場末の娼婦
シュザンヌ・フロン(ミリアム・ハイエム) お針子から努力の末に服飾デザイナーに…  知的な女性
ザ・ザ・ガボール(ジャーヌ・アヴリル) 元 “ムーラン・ルージュ” の歌姫  人気スター歌手
クリストファー・リー(ジョルジュ・スーラ) アンリの画家仲間
ピーター・カッシング(マルセル・ド・ラ・ボワジール) ミリアムに求婚する裕福な紳士
ジル・ベネット(サラ) “ムーラン・ルージュ” の女性バーテンダー
セオドア・バイケル(セルビア公ミラン4世) アンリの絵を高額で購入したセルビア国王
メアリー・クレア(ルーベ夫人) アンリのお世話係の老婦人
キャサリン・カス(ラ・グリュー) “ムーラン・ルージュ” のスターダンサー 後に落ちぶれてしまう

監督・脚本 ジョン・ヒューストン

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シュザンヌ・フロン (仏語の Wikipedia より)
生い立ち
父親は鉄道員で、母親は宝飾品を作っていました。
女優になる前は、パリのデパート「オ・プランタン」で英語翻訳家として働き、
その後エディット・ピアフの個人秘書として働いていました。
彼女の人生の大きな愛は、伝説的な映画監督ジョン・ヒューストンでした。
彼女は一度も結婚しなかった。

☆☆☆貢ぎ物? 献辞?
監督のダニエル・トンプソンは、「モンテーニュ通り(2006)」をフロンに捧げました。
脚本家兼監督のジョン・ヒューストンはフロンを「私が今まで知った中で最も並外れた女性」と表現。
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