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王女メディア(MEDEA) 1969 [あ行の映画]

王女メディア.jpg お初の ピエル・パオロ・パゾリーニ作品

ただひとたびの愛にすべてをかけ運命の炎に身を灼く悲劇の女性……
注目の鬼才パゾリーニが燃えるギリシャの天地に投げた鮮烈な感動!

製作国 イタリア / フランス / 西ドイツ

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ギリシアの悲劇作家エウリピデスの『メディア』をパゾリーニ監督が音楽も担当し、
その巧みなる手腕により幻想的に描いた作品。
幼き日に奪われた王座の返却の条件として上げられた金毛羊皮を得るため、
異郷の地コルキス王国を訪れたイアソンは、
そこで怪しげな生け贄の儀式を行う巫女メディアと出会う。
一方、一目で彼への燃えるような愛に落ちた彼女は
祖国の繁栄を支える金毛羊皮を盗み出し彼に捧げる……。
導入部を除く前半のほとんどにセリフらしいセリフを作らず、
また後半にはフラッシュバック的な編集を使用。
そのため話の内容が分かり辛い物となってはいるが、
残酷な魔術的儀式を卓越した映像と古典日本的な音楽で表現するなど
その天才的とも思える映像感覚には圧倒される。
また今世紀最大オペラ歌手M・カラスの迫真の演技にも目を見張る物があり、
ある種芸術的とも感じられる仕上りをみせている。   (allcinema より)
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先日upしました「ミッドサマー」では “とんでもな映画” という表現にしてみましたが… w
Wow♪  あのルーツは50年前のコレにあったのかぁ!?  ( ̄ο ̄;
と思ったことを、独断と偏見で…? 最初に記しておきたいと思います…。(汗)

アリ・アスター監督の評判を落とす積りは毛頭ないものと、付け加えさせて頂きまする。
お蔭様で、今回 “動じることなく” 冷静に鑑賞することが出来ました…?(ニヤリ)

第一話の冒頭は、少年?(最初は幼児か?)に話しかけるケンタウロス。

「お前の本当の身の上を話そう」
と、父親代わりの?ケンタウロスはイアソンに語りだす。

長じて・・・
イアソンは、ケンタウロスに言われたように、伯父のぺリアスが治めるイオルコス王国へ…!

そこでは「玉座を返してもいいが、その前に金毛羊皮を取り戻せ」と、伯父から言われる…。

こうして、イアソンは仲間たちと “金毛羊皮” を求めてコルキス王国へと向かうことに…!

コルキス王国は、ケンタウロスが語っていたような “神話の世界であるほど現実の世界” !?
“古代人にとって神話や祭式こそ具体的な日常生活” を、正に実践している国だった…?
メディア(マリア・カラス)は、そこで巫女として暮らしていた。

ある日、“金毛羊皮” が祀ってある神殿で祈りを捧げるメディアの前に、イアソンが現れる!
“暗黙の了解” の後、メディアは心を決め…!?

弟を唆し!? “金毛羊皮” を担がせ… 馬車に乗って、出奔するのだが・・・

さて・・・?

第二話の初めは、神聖な姿のケンタウロスと人間の姿のケンタウロス!?
ケンタウロスはイアソンに「コリントスへ行け」と言う。

コリントスでは・・・
メディアは女たちにすんなりと受け入れられ、すぐさま現地の民族衣装を着せられる。
そして、城外の石造りの家で女たちに囲まれて生活するようになる・・・。

イアソンは、コリントス王に見込まれ、娘のグラウケー姫との結婚を承諾…!?

メディアは、思いがけぬ手酷い仕打ちに、怒りも湧こうというものだったが・・・
まだ幼い二人の息子の将来のことを想い、イアソンを呼んで頼み込むのだった…

二回目の、さて・・・?

歌わないマリア・カラスでしたけれど…
美しさと、絶対的な存在感は揺るぎようがない… って感じでしょうか!

いや~ あのすべらかな “お肌” を拝めただけで御の字というものでございます♪ ( ´艸`)

また、少し眉間を寄せての、何とも言えぬ艶っぽさ…? 
まさに “女盛り” の佳い時期に、よくぞ撮ってくれたものだ! と感謝しかございませぬ。

そして、彼女の素晴らしき “母性” の表現を見て、何だかグッときてしまいました…。
残酷であるはずのシーンは、極力あからさまな描写を排除してありましたけれど…?
象徴的な “カット” を入れる演出に、ホッとしたりもして…?(汗)

ともかく、マリア・カラス失くしては成り立たぬ映画かな? と言う思いを強く致しました。

“特典”のプロダクションノートによりますと…
メディアが愛するイアソン役には、メキシコ五輪三段跳び選手ジュゼッペ・ジェンティーレが
マリア・カラスの要望で… とありました。(微笑)
(コレを見てから、“大していい男でもないのに…?” という一文を削除しました… (ウ^_^ソ))

ま、後発の作品たちと比べるつもりは毛頭ございませぬが…?(汗)
品位を保ちながらの “衝撃性” と、重厚感には、目を見張るものがあったなぁ と。(偉そ~に… w)

ところでっ
主に後半に流れる音楽は日本の “長唄” だそうで…?
不思議と違和感はなかったように思いますが… (;^_^A
そんな取り合わせを思いついてしまう “パゾリーニ” に俄然興味が湧いて来たりして…!? (笑)
なんだか “未知なる世界” に、どんどん深入りしていきそうな自分がコワイです~ w

Amazon ポチして良かったです♪  R様に感謝。(^人^;

チャプター(参考までに)
1.オープニング:金毛羊皮
2.コルキス王国:五穀豊穣祈願
3.ぺリアスの条件
4.メディアとイアソン
5.金毛羊皮を携えて・・・
6.私は汝の声を忘れた
7.無力な羊皮
8.2人のケンタウロス
9.昔の力で・・・
10.グラウケー姫のために
11.結婚祝
12.エンディング:嘆いたとてもう遅い

マリア・カラス(メディア) コルキス王国の巫女
ジュゼッペ・ジェンティーレ(イアソン)
マルガレーテ・クレマンティ(クレオンの娘 グラウケー姫)
マッシモ・ジロッティ(クレオン) コリントス王国の国王
ローラン・テルジェフ(ケンタウロス)
セルジオ・トラモンティ

監督・脚本 ピエル・パオロ・パゾリーニ

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コメント 2

末尾ルコ(アルベール)

ぬおおおおおおおおおおおおおおおお・・・お。し、失礼しました、深夜にかかわらずつい興奮してしまいまして、うふふ。
それにしてもこうしてご鑑賞を実行に移すのが素晴らしいですね。そしてわたしも初見の時、いきなりケンタウロスが「普通に立っている」その姿に腰が抜けそうになったものです。マリア・カラスはどう見ても「メディア」以外の何物ではなく、いやはや凄い映画だと思います。
詩人、思想家としても評価が高いパゾリーニの全貌については現在も日本へいろいろ紹介されつつある段階ですが、映画は『アポロンの地獄』が極めて高い評価、そして『奇跡の丘』は、我が生涯ベスト(いっぱいありますが 笑)の一つです。
どんな映画でも同様ですが、特にパゾリーニクラスをテレビ画面で鑑賞するとなると、「どのような映像状態で収録されているか」で印象がまったく違います。できるだけ映画館の映像状態に近いものが多くあればいいのですが。
マルキ・ド・サドを翻案した『ソドムの市』という作品がありますが、その凄まじいエロ&残酷描写に、公開時はゲテモノ映画のような扱いでしたけれど、鑑賞してみると緻密にして美しい芸術作品であることに吃驚でした。ただ内容が内容だけに、万人にはお薦めできませんが。
多幸感溢れる興奮状態による乱筆乱文をお許しくださいませ(笑)。 RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2020-03-28 03:15) 

Labyrinth

末尾ルコ(アルベール)さん (^_^)ノ
いえいえ、こちらこそ、いつもお世話になるばかりで、恐縮です。(;^_^A
お陰様で、お宝映像が一つ増えました。w
パゾリーニ作品はレンタルできるものもあるので、出来れば、その内に…?( ´艸`)
by Labyrinth (2020-03-28 17:38) 

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