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希望のかなた(TOIVON TUOLLA PUOLEN/ THE OTHER SIDE OF HOPE) 2017 [か行の映画]

希望のかなた.jpg アキ・カウリスマキ監督 ( ´艸`)

みんなで、救う。

ジャンル コメディ/ドラマ
製作国 フィンランド
時間  98分

TOIVON TUOLLA PUOLEN(フィンランド語) → 希望の彼方へ
THE OTHER SIDE OF HOPE → 希望の向こう側

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フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督が難民問題をテーマに贈るハートウォーミング・ドラマ。
2017年ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞作。
フィンランドの首都ヘルシンキを舞台に、妹の行方を捜すシリア難民の青年が、
非情な現実に希望を打ち砕かれそうになるさまと、そんな彼に優しく手を差しのべる市井の人々の
小さな善意が織りなす心温まる人情ドラマをユーモラスに綴る。
主演はシリア人俳優のシェルワン・ハジとカウリスマキ作品の常連サカリ・クオスマネン。
                                  (allcinema より)
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Aさまお勧めの アキ・カウリスマキ監督作品 「希望のかなた」を、楽しみに拝見♪ 

実は、ふと気に掛かり…? 自Blogを検索してみたのですが…
「過去のない男(2002)」の警備員役で妙に印象的だった? “サカリ・クオスマネン”  は・・・
なんと「ナイト・オン・ザ・プラネット(1991)」にも ご出演でした…!
“オムニバス” の「ヘルシンキ」編に… タクシーの酔客の一人としてお名前が…。( ´艸`)
これは “allcinema” にはなくて… 意外でしたが、お初じゃなかった! とわかってスッキリ…。w
本作では、貫禄も十分で? 強面だが懐の深い人物として描かれ…  渋い魅力も加わっていたような?w

もう一つ… 気に掛かると言うよりは? 時の流れは残酷だなぁ と思う事がありました。
「過去・・・」ではヒロイン役だった… 年増と言ったら失礼かも?なカティ・オウティネンですが
本作では洋品店の店主役でちょこっとご出演でしたけれど…。
う~むむ 彼女はアキ・カウリスマキ作品の初期の頃からの常連さん というかミューズ的存在…?
15年という時間の経過は、人によっては本当にシビアな結果をもたらすものだなぁ と。orz
(けっして シュザンヌ・フロンと比べているわけではございませぬ…!(ウ^_^ソ) )

ついでに…? もう一つ (^_^ゝ これを書き始めて気付いたのですが・・・
本作でレストランの給仕長役のイルッカ・コイヴラは・・・
ポルトガル、ここに誕生す ~ギマランイス歴史地区(2012)」の “バーテンダー” 役でした…!
“渋いご面相” と自分で書いているのを見て笑ってしまったのですが、今回もそんな印象…? w
控えめながらも、とても良い味を出していて得難い存在だ と思われるのですけれど・・・
“寿司” のシーンでは、奇妙なおじさん姿になっており!? 可笑しいよりも気の毒に…?(爆)

冒頭は、大型船舶が行き交うヘルシンキの港の風景…

タンカーに積まれた石炭?の山から抜け出した男カーリド(シェルワン・ハジ)は・・・
夜の闇に紛れてターミナル駅を目指す。

一方、ヴァルデマル・ヴィクストロム(サカリ・クオスマネン)は、旅支度をしてから・・・
酒浸りの?妻の所へ行き、二つの鍵と結婚指輪を差し出して…? 渋い表情のまま無言で家を出る。

その後、地下駐車場隅の倉庫から “衣料品” を運び出して、黒塗りの乗用車に積み込んだ彼は・・・
道すがら、すすけた形(なり)のカーリドと接触しそうになって!?  軽くブレーキを…!
(ヴィクストロムは “簡易宿泊所” へ…)

朝が来て…?  
駅に辿り着いたカーリドは、地下のシャワー室で汚れを落とすことが出来た。
(街角の老ミュージシャンは お恵み?のコイン一つでシャワーの在り処をフツーに教えてくれた…)

さっぱりとしたカーリドは、その足で警察に赴いて、難民申請をする…。
写真やら身体測定やら一通りの手続きが済んで、案内されたのは寒々しい感じの無機質な部屋だった。
そこで同室となったのが、イラクから… というマズダック(サイモン・フセイン・アルバズーン)
気さくな感じのマズダックは経験豊富なようで…? 何かとカーリドに優しくしてくれる。

そんな頃、ヴィクストロムは…? というと…
“ヴィクストロム社” の衣料品を店舗に持ち込んでは、商売を続けるのだった。

ある洋品店では・・・
一品しか引き受けられないわ という店主(カティ・オウティネン)が、珈琲を振る舞ってくれる事に…。

ヴィクストロムが「商売替えをしたいので在庫の3000着をどうにかならないか?」と問うと…?
「もう直ぐ店を畳んでメキシコに引っ越す予定…  これからは活発に暮らしたいの」と女店主。

会話のついでに?ヴィクストロムは・・・
彼女の問いに応える形で… 「レストランをやりたい  表向きはね」と不思議な事を口にする。

方や、カーリド 一行は…?
難民の収容施設へと案内されて、ようやく落ち着くことが出来た。
しかしマズダックが言うには「収容施設は この一年で5つ目だ」と。

・・・男たちは煙草を分け合いながら、穏便に? “仲間” を受け入れる。

施設の職員の女性(マリア・ヤンヴェンヘルミ)は、カーリドに身分証などを渡して・・・
“入国管理局” で面接があります と言ってから「重要よ 準備は良い?」と注意を促してくれる。

・・・入国管理局でのカーリドは、理路整然と、真摯に来し方を述べた。

(攻撃したのが誰なのか判然としないまま…!?(爆))
突然、住居が爆撃に遭い、両親と弟が瓦礫の下敷きとなって亡くなってしまった。
外出中の妹だけは無事だったが…。
その後、知己(ボス)を頼って金を工面し、葬儀を終えてから・・・
妹と二人で国を出たのは良かったが? 危機の連続!?
その挙句に、ハンガリー国境で混乱に巻き込まれ! 妹のミリアムを見失う事に…。

担当の女性の取調官?から「暴力を受けた事は…?」との質問に「ずっとだ」と答えるカーリド。

「2ヶ月間… 国境を越えて妹を探し回ったが見つからなかった…」
「でもきっと生きている!」 「わかるんだ!」と言ってミリアムの写真を取り出して見せる。

「どうやって国境を…?」との質問には…
「誰も僕らを見たくない… 厄介者だから」と自嘲気味に言って、言葉を濁す?カーリドだった。
(妹のミリアムについては “捜索願” を出すよう、取り計らってくれるらしかった…?)

その帰り…  バス停に立つカーリドは、ネオナチ?の男たち三人組に絡まれてしまうのだが…!?
たまたまタイミング良くバスが到着して、事なきを得た。

その頃…
在庫の商品を、すべて業者に引き取ってもらったヴィクストロムは・・・
手に入ったそこそこの “元手” を持参して… 闇のカジノへと足を踏み入れる。

元々強いのか? それとも運が良かったのか?
“スタッドポーカー” で 一晩 粘った末に・・・  
最後は “ストレートフラッシュ” で、独り勝ちとなった。

・・・大金を手にしたヴィクストロムは、“ビジネス・エージェンシー” へと向かう。

そこでのお勧め物件 『ゴールデン・パイント』は、二人のベテラン従業員付きと言うのだが・・・
早速下見に行ったヴィクストロムは、何故か気に入り…? 即決する。
(旧オーナーは金が入ると、そのままタクシーで空港へ? 従業員の未払い給料は踏み倒して?w)

その日のレストラン『ゴールデン・パイント』は、なかなかの盛況ぶりだった…!? 

給仕長のカラムニウス(イルッカ・コイヴラ)は、従業員を代表して? “給料の前払い” を打診する。
すると、ヴィクストロムは「他には内緒でな」と言いながら、快く払ってやるのだった。

ところで、その後のカーリドは? というと・・・
難民申請は空しく却下され…! 入国管理局から強制送還されそうになる…!?
カーリドは迷わず逃走…! (彼を気にかけてくれた女性職員も、少しだけ “助太刀” を? w)

そんなカーリドを・・・
いつぞやの “ネオナチ” の連中 (皮ジャンの背中に “フィンランド解放軍” の文字…) が付け狙う!?

夜… 
老ミュージシャンたちの “街角ライヴ” に聴き入っていたカーリドを見つけた “連中” は…?
気配に気付いて、そっと抜け出したカーリドを追って、急襲!? (¬、¬;

ところが!
油を注がれ! あわや火だるまに!?  ( ̄ο ̄; と思った瞬間に、突然 “援軍” が現れた。
年齢も体格もまちまちな数人の男たちだったが…? 彼らの “本気度” は “ネオナチ” を凌駕する!?
カーリドは身も心も救われた…。

・・・レストラン “ゴールデン・パイント” の厨房では…
はぐれ犬?コイスティネンの存在が、ヴィクストロムに バレてしまう…!?

ヴィクストロムは「捨ててこい  明日まで時間をやる」と…?
ウェイトレスのミルヤ(ヌップ・コイヴ)に厳しい顔つきで命じるのだった!
(コイスティネンは 只々 困惑…?)

そして、オーナー自らゴミを捨てようと…? 裏のゴミ捨て場に向かうのだが・・・
そこには…  薄汚れたカーリドがうずくまっていた。

二人は、口喧嘩から、直ぐに殴り合いとなり!?  ( ̄ο ̄;
次の瞬間には、カーリドは店のテーブルでスープを掻き込んでいるのだった!?(笑)

更にカーリドは、ヴィクストロムから店で働くことを許され・・・
寝泊まりする所は、駐車場の倉庫ということになる…?

そんなある日…
“行政局” の三人組が “手入れ” (抜き打ち検査)にやって来る…。
“消防検査” その他諸々ということで、粛々と行われるのだが・・・

掃除中だったカーリドは、はぐれ犬コイスティネンを抱っこして? 女性トイレに隠れる羽目に…。
(結果的には… 店の検査もカーリドも、とりあえず無事だったが… w  “許容可”)

そんなことがあった後・・・ シェフのニュルヒネン(ヤンネ・フーティアイネン)が言う事には…?
「彼を追い出しましょう」(¬、¬; エッ?

それでも、オーナーのヴィクストロムは… カーリドに身分証が必要だ! と言い出して・・・
給仕長カラムニウスの甥が呼ばれて…! 促成で見事な “偽造身分証” を作ってしまうのだった。

さて・・・?

この後は、レストランの経営を巡って知恵の出し合いが行われまして…?
いよいよ “寿司” の場面となりましたが、これは可笑し過ぎて笑わずにはいられない感じ…?w
一連のシーンは、何度見ても声を出して笑っちゃう♪ という魔訶不思議な現象が起きました。(苦笑)

その後… カーリドの妹のミリアムの所在が分かり!? 
・・・と、さりげない進行の中にもクライマックスとも言える “衝撃的” な展開が…! (ウ^_^ソ)

(本当に衝撃的なシーンは後々 出てきましたが… w) 
トラック運転手の粋な台詞といい、とても素敵で不思議なシーンで、“目から鱗” 状態の私でした。w

総じて… 
“小さな善意” や、何気ない優しさの持つ “力” を、改めて思い知らされた気が致します。

ラストは、モフモフ系に弱い私めには堪らないものとなっていましたが・・・
カーリドの行く末がとても気になる幕切れでもあったかも…?(汗)

初見では、サラリと見て、ワンコを確認して終わりかな? と思いましたが…?
これがまたクセになり? f^_^;  仕舞いには離れ難い様な気持ちになっていました!? (汗)

“心温まる人情ドラマをユーモラスに” というアキ・カウリスマキのマジックに毒されている!?(爆)
わかっていても、クスッとしてしまうのは… 監督 独自のユーモアセンスの成せる技でせふね?w

普段は、気の毒と思いつつも…  縁遠い話だ と思っていた “難民問題” に少し近づけた気がしました。
(自分事だとしたら、これ程寛容にはなれないかも…? という思いもありながら…? (爆))

エンディング・クレジットに、次のような献辞が…
『故ペーター・フォン・バーグに捧ぐ』

シェルワン・ハジ(カーリド・アリ) シリアのアレッポから逃れて来た難民  元修理工 妹とはぐれる?
サカリ・クオスマネン(ヴァルデマル・ヴィクストロム) 服飾関係からレストラン経営に方向転換
サイモン・フセイン・アルバズーン(マズダック) カーリドの難民仲間 元はイラクの看護師
カイヤ・パカリネン(ヴィクストロムの妻) 酒浸り・離婚… から改心して飲食スタンドを…?
ニロズ・ハジ(ミリアム) カーリドの妹
イルッカ・コイヴラ(カラムニウス) レストラン “ゴールデン・パイント” の給仕長
ヤンネ・フーティアイネン(ニュルヒネン) レストランのシェフ
ヌップ・コイヴ(ミルヤ・コレフマイネン) レストランのウェイトレス
カティ・オウティネン(洋品店の女店主)
マリア・ヤンヴェンヘルミ(収容施設の女性)
ヴァルプ(コイスティネン) はぐれ犬? (監督のワンコだそう…)

監督・脚本 アキ・カウリスマキ

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